さらば鉄道模型
旅するスーパースター、蕎麦宗です。
引き続いて手放し断捨離中で、さて鉄道模型をどうするか!?となった。
根っからのアウトドア&スポーツ人間の僕が、唯一のインドア趣味として小学5年生から続いているのが鉄道模型。社会人になって復活の後、すっかり意気消沈して片付けたのは9年前。若き友人コウノスケにあげたその話は【サンタクロースは本当にいる】に書いた。
その後再復活して4年ほどになるが、この度また手放すことにしたのは、人生が大きく舵を切ることになるからで、詳しくは近く書くつもりでいる。いずれにせよ、新しい地平へと進む際には、可能な限りの物事やしがらみを手放して身軽にしておくことが肝要で、《聖域なき断捨離》と言った体になっている。
さて、どれを残してどれを片付けるかとなった時、思い入れのあるものを残して、他の幾つかを銀座の買取専門店へと持って行った。すると、想定していた以上の高値で売れた。どうやら海外の顧客も含めて日本の鉄道模型は大人気で、中古市場が活性化し高騰してるらしい。
鉄道模型自体、元々高価なものであるし、絶版品も含んだ貴重な電車や機関車を僕は持っているので、それはそれで価値があるという事か。
さぁ、どれを片付けようか?!と模型達を眺めて改めて向き合った時、もう一つの理由が顕になった。老眼である。情けない話だけど、スマホを手にしたここ最近、ずいぶんと手元や細かいものが見えなくなった。なので、電車の細かい部品や機関車の精緻な作りが、ルーペでも使わないと見えなくなってしまった。
さてと。どうする!?そんな時は潔さが大事だ、ええい!全部売ってしまおう。
ネットで探すと様々な業者が買取強化を喧伝している。その中から専門的に鉄道関連を売買している会社を見つけたので、段ボールを取り寄せて宅配買取を依頼することにした。今時は団塊世代の遺品整理などでこの手の買取は大盛況だろうなぁ。なんの知識の興味もない家族にとっては、寂しいけれど相続で片付けるただのゴミでしかない。
そんな事を思いながら、両手に余るほどの巨大な段ボールに、しっかりとぴっちりと梱包して宅配便を送る。クローゼット上の天袋にある収納ボックス二つが空っぽになって、ずいぶんとスッキリした。
幾らになるのかはそれはそれで楽しみに待つとして、
『なんだお前、Nゲージ辞めたのか』
『いつかまたやるとしたら*HOゲージにするよ』
と、尋ねてくる父親に老眼を笑われながら、そう伝えた。
さてと残る品々はオートバイと骨董の建具と…あと僅かしかない。ずいぶんとミニマムに伽藍堂になった部屋は、妙に居心地が良くなっている。かの名作椅子に腰掛けて部屋中を眺め回しつつ、自分の心へと問いかける。
『前に進もう』
よし、なんの悔いも未練も無さそうだ。
では、ガンバラナシませう。
*HOゲージ…線路幅16.5mmの企画で世界の主流。日本では線路幅9mmのNゲージが人気で、僕のもそれ。