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元気だったころは
空港に車で迎えに行き
トランクを開けて
荷物を積み込み
キーを回して
いくよ、とバックシートに振り向いて
アクセルを踏んで
鮮やかな風景の中に
車を走らせた
今はそれが出来ない
体は言うことを聞かず
力もなくなり
振り返るのも一苦労だ
だけれども
それは持ち回りで 
寂しく、怖くもあるが
温かく優しい面もある
限られた時間を痛みや和らぎとして
僕は感じている
飛行機の下に広がる雲を
眺めるように
小舟が波に揺れる夜のように

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