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神家没落/恒川光太郎
単行本の表題は、『秋の牢獄』。他に『神家没落』『幻は夜に成長する』の2作品が収められている。3つの物語の共通点は、”閉じ込められる”ということのようだ。”ようだ”というのは、実は『幻の…』はちょっとよくわからない話だったから。どういう意味があるのだろうとググってみたら、他の人が”閉じ込め”がテーマだと語っていたのだ。確かに、『秋の…』は”ある1日”に、『神家没落』は”不思議な家”に主人公が閉じ込められて抜け出せない話だ。でも、『幻は…』に関しては、私にはよくわからない。
この本を読みたいと思ったきっかけは、「毎年11月7日になると『秋の牢獄』を読みたくなる」と書かれたブログに出会ったからだ。どんな話だろう?と興味を持った。『夜市』の著者であったので、迷わず図書館に予約したのだった。
しかし、私には『秋の牢獄』は少し退屈で、読むのを挫折しそうだった。だが、2つ目の『神家没落』はおもしろかった。『夜市』や『風の古道』に似た雰囲気の、異世界の話。ある日、不思議な古民家に迷い込み、そこの家守を強制的に交代させられて、そこから出られなくなってしまう。そこで暮らすうちに、代わりの人をみつけて家守を交代すれば出られることがわかり、実際、ある男と交代してその家を脱出できたのだが…。
恒川ワールド炸裂だった。やっぱり、恒川さんにはこういう短編がいい。不思議な世界感が想像でふくらむから。
『夜市』で好みの作家に出会った!と思ったが、どうも、作品によるところがあるみたいだ。今回の私の☆は下記の通り。
『秋の牢獄』【2025/01/28 ☆☆☆】
『神家没落』【2025/01/28 ☆☆☆☆☆】
『幻は夜に成長する』【2025/01/28 ☆☆】