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人身事故を迷惑という人たち

さきほどネットで人身事故のニュースを見かけた。若い女性だ。胸が痛む。
しかも自分が見たニュースがYahooだったため、コメントに「迷惑だ」と辛辣なワードが一番最初に上がってきた。
これらを書き込む人は、だいたい、被害者の遺族でも鉄道関係者でもなく(たまに見かけるが)、日頃電車を利用する乗客だったりするわけで、たいていは事故による遅延で足止めされることを怒っていたりする。
正直、人が死んでるのに、迷惑だとキレる様子は、かなりサイコパス味がある。
以前、希死念慮とは無縁の友人に、鉄道自殺についてどう思うかと聞いたら「迷惑。よそでやってほしい」と返ってきたので、私はドン引きしてしまった。友人は私のリアクションにキョトンとしたあと、気まずそうな笑みを浮かべた。
そして先日、ギョッとするニュースが流れてきた。

JR東日本の運転士や車掌向けの社内報で、人身事故について「やってもうた」「最年少記録を達成した」などの表現が掲載されていたことがわかりました。


作成された社内報には「人身事故最年少記録を達成した」などと書かれ、その後、運転士へのインタビューの形式になっていて「率直な感想は?」という問いに対して「やってもうた」と記され、「最年少記録の気持ちは?」に対しては、「歴史に残る記録を作れた」と記載されています。

まるで戦時下だ。軍人のコメントだ

率直に怖いという一言に尽きるが、この運転手の発言も、自殺を迷惑だと言う人も「自殺というインパクトを正面から受け止めきれないために、認知を歪ませて心を守っている」という話なのだろうと思う。
なので批判に批判を重ねても意味がない。なぜ日本は日常的に鉄道自殺が起こるのか、そもそも先進国のなかでも自殺者がワーストなのか考えなければ話にならない。

最後にオススメのドキュメンタリーを挙げてみる。

自殺との戦いにおいて、「敵」はいったい誰なのか。映画『Saving 10,000 - 自殺者1万人を救う戦い』は、日本の高い自殺率の真の原因究明に挑む一人のアイルラン­ド人の物語である。作品を通じて、日本のマスコミによる自殺報道のあり方、経済的圧力­、うまく機能していない精神医療制度などの重要な問題が浮かび上がってくる。第一線で­活躍する専門家から一般人まで、約100人へ取材し、日本がどうすれば自殺との戦いに­勝利できるのか、具体的な方策を提示している。しかし、自殺の話題がタブー視されてい­る日本で、一体どのくらいの人が耳を傾けてくれるのだろうか。

アップされたのが2013年なので古いドキュメンタリーではあるが、いつ見てもハッとさせられる。
そしていまも変わらず自殺者が多いというのが、悲しい。

本日はこの辺で。

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