言葉の重み

本気で死のうかな。そんな事が一瞬頭によぎって消えた。部活終わりにSが言った言葉。

"死にたいって言うやつは死ねばいいと思う"

私にわざと向けた言葉じゃないことは分かってる。共感している後輩。心臓が痛くなった。

楽しいことをしてても、笑っていても、いつも希死念慮がついてまわる。そんな人間が真横にいるとも知らずに吐かれた言葉は私の呼吸をとめた。

後輩がODをして死にかけた。
それを聞いた別の後輩はヤバいと笑っていた。
また別の後輩は意味わかんないって呆れていた。
心臓が痛くなった。
死んでほしくない彼に幸せになって欲しい
助けたい。そう思った。部活にこようがこまいがどうでもいい。生きていたらいいって思った。
無力で何も出来ない私はLINEの1行。無理しないで。それだけ。所詮みんなと同じだ。
でも絶対笑っちゃいけないことだと思う。

しんどかった。
同じ部員で仲間なはずなのに。

矛盾している。
私は自分の命なんでどうでもいいのに、人が死んだら辛い。例えそれが他人でも死んでほしくない。自殺をとめたいって思う。これは私が救って欲しいがゆえの偽善なのかもしれない。

死にたいと呟く言葉の裏にあるのは救って欲しいじゃないのか?死ななかったとしても、死にたいと思ってしまうほどその人が苦しんでいるのは事実だ。それに対して、死ねばいいじゃん、どうせ死なないでしょ?って言うのは間違ってると思う。辛い。

もし、その言葉を聞いてほんとに死んだら?
死ぬ理由がそれだけじゃなくても、その言葉が後押しになってしまったら?

一生後悔すると思う。でもそうならないと言葉の重みに気づかない。例えわざとじゃなくても、人を殺してしまうかもしれない。

死にたいなんて言っちゃいけないとか
死ねばいいじゃんとか
そういう言葉が欲しいんじゃない。

言葉の裏にあるものをくみとってほしい
話を聞いてくれるだけでいい
頑張ったねって言って欲しい
生きてるだけで褒めて欲しい

ただそれだけ。

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