シンクロニシティ:「意味のある偶然の一致」
最近関心のあることが、シンクロニシティ「意味のある偶然の一致」
先日、担当していた患者さん(70代後半の女性)から「足の神経痛が嘘みたいに無くなった!」と嬉しい報告をしてくれました。
正直、リハビリをしていても手応えは無く、「どうしたものか」と悩んでいた患者さんでした。
MRIでヘルニアの診断は出たものの、筋力低下などは無く、色々なテストはことごとく陰性でした。
とにかく太ももの痛みが強く(座骨神経痛)、歩くのもしんどいという状態だったので、薬や注射などの処置をしつつリハビリを2週間ほど続けていました。
その患者さんと会話をしていてとても気になることが1つありました。
「お父さん(旦那さん)の病院の付き添いに行くのが疲れる」
ご主人が重い病気を患っているらしく、その通院や介護にとても苦労されている様子でした。
このフレーズをちょこちょこ言っていたので、相当このことが気がかりなんだろうなぁとなんとなく思っていました。
それから数日して、冒頭にも述べたように「足の神経痛が嘘みたいに無くなった!」と報告してくれました。
話を聞いていると、そのご主人が先日亡くなられたそうです。
本人は「院長の注射が効いた!」と喜んでいましたが、(リハビリのおかげとも言って欲しかった。。笑)
個人的にはシンクロニシティを感じました。
これは明らかに偶然です。
でも「意味のある偶然の一致」だと思いたいです。
「お父さんが自分の命と引き換えに足の痛みを取ってくれた。」と僕は解釈しています。
医療の世界は基本的に「説明ができる因果関係」を大事にします。
「ヘルニアだから足の痛みが出ている」
「注射の効果で炎症が鎮まったから痛みの感覚が軽減された」
これらは医学的に正しい根拠(エビデンス)に基づいた説明です。
でも、稀に説明のつかないことが起きます。
精神的な疲労から痛みが出ることはあります。(心因性腰痛というものがあるくらいですから)
きちんとした説明ができることもセラピストとしてすっごく大事なことですが、今回のケースのような時に「お父さんが治してくれたのかもしれませんねっ」と優しく声をかけられる懐の深い人でありたいなと思いました。
(かなりセンシティブなフレーズなので、前提の信頼関係が大事になりますね。)
西洋医学と東洋医学、両方の思想を持ち合わせられると人としても成長できるような気がしています(^^)