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船会社との議事録

最近は海上運賃の高騰が激しく、日中はもっぱら納期調整・価格の値上げに走る筆者です。(筆者は総合商社で務めております)

コンテナの海上運賃高騰に対する投稿への反響が良く、皆様の関心も高い話題なのだなあと改めて再認識させられました。
今回はその続編という事で、直近の船会社さんとの面談内容を皆様とも共有できればと思います。ビジネスの渦中にいる人たちが何を感じ・何を考えているのか、(具体的な社名や固有名詞はあまり出せませんが)現場の生のやり取りだと思って読んでいただけますと幸いです。

『海上運賃高騰』というバブルの中で世界を股にかけるビジネスを行う船会社はどこを見据え、何を感じているのか、また物流業界の仕組みを知る上でも参考になればと思います。

世界の海上運賃はどうやって決まるのか

まず、そもそも海上運賃はどういう原理で決まっているのかが気になった筆者でしたので、聞いてみました。特に昨今の海上運賃高騰は需給バランスで変動していることが大きく、その需給はいかに決まっていくのかと。船会社の方曰く

  • 船会社にとって事業収益を大きく2分すると『基幹航路』(主要港を結ぶサービス)と『フィーダー輸送』(主要港とそれ以外を結ぶサービス)がある。

  • 最も大きくパイを占めるのが『基幹航路』。その中でも貨物量・市場規模が大きい北米向けは収益の生命線

  • 世界中の貨物の北米向けに焦点を当てると、その半数以上が中国+香港からが占める。つまり、中国出し→北米向けが船会社にとってその年の業績を左右するインパクトを持つと共に、大手船社の中国→北米向けの値段がコンテナ市況全体のベンチマークになる。

なるほど・・・ですね。船会社もビジネスとしてやってる以上その意思決定は経済原理に従うことを原理原則とするわけですが、そういう意味で彼らの最も太客は中国・香港出し→北米航路というのがわかります。北米向け最新のコンテナ船シェアを見れば一目瞭然ですね。

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そーなんだ化学+α

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