オキナワンミュージックの紹介、の話。
沖縄と言う島は不思議な事に、新しい音楽がどんどん生まれて来ています。
例えば、民謡。
例えば、ポップスやロック。
全国発売されていないCDも多いのですが、タワーレコード那覇店では沖縄コーナーが出来る程の規模なのです。
Neo Soul 琉球
最近知って大好きになったのが、R∞2(ルーツ)というアーティストの『Neo Soul “琉球”』という曲です。
これは映像で見て頂いた方が良いと思います。R∞2の三線、鉄ちゃんのラップ、玉城盛義(たまぐすく・せいぎ)さんのとなえ(組踊での台詞)を中心に、空手の演舞、琉球舞踊、ブレイクダンスなどが絶妙にマッチしています。
玉城さんは組踊玉城流三代目の立方(たちかた、役者さん)です。すごいコラボだ。
組踊には日本の能が大きな影響を与えていますし、空手も中国の武術を元にした「手(てぃー)」が原型です。
現代の沖縄音楽にも、ジャンルの垣根無く様々な要素が盛り込まれています。こうして沖縄の音楽は、いえ、沖縄は発展して来たのだと思わされました。
伝統と新しさと、伝えたい事
伝統を守るだけでもない。新しい物をそのまま受け入れるだけでもない。それが沖縄音楽です。
そして、その中でもメッセージ性の強い歌を作っているのが、モンパチことMONGOL800です。
アルバム『People People』収録曲『himeyuri〜ひめゆりの詩〜』は、沖縄戦に動員され多くの犠牲者を出した「ひめゆり学徒隊」への想いを歌っています。歌詞はこちらから。
モンパチは以前から、そのような曲を歌っていました。
『あなたに』『小さな恋のうた』が収録されているアルバム『MESSAGE』には、『琉球愛歌』『矛盾の上に咲く花』という曲があります。
『琉球愛歌』は現在J2に所属するFC琉球のチャントとして、サッカーファンに親しまれるようになりました。
泣かないで人々よ
あなたのため明日のため
すべての国よ
うわべだけの付き合いやめて
忘れるな 琉球の心
武力使わず自然を愛する
自分を捨てて
誰かのため何かができる
『矛盾の上に咲く花』は、痛烈な風刺です。だからこそたくさんの人に聴いて欲しいし、歌詞を知って欲しいと思います。
美しい空の青 海の青
この島すでに悲しき日本色
この小さな島に溢れていた
おばぁの笑顔も涙に歪む
(公式動画でなくてすみません……)
矛盾の上に咲く花は
根っこの奥から抜きましょう
同じ過ち繰り返さぬように
根っこの奥から抜きましょう
沖縄でしか生まれない音楽を
オキナワンミュージックの根本にあるのは、沖縄の伝統文化や歴史だと私は思っています。
一時期ヤマトゥンチュが仕掛けた「沖縄ブーム」は、日本にとって都合の良い沖縄の姿を見せるための策略ではなかったでしょうか。
そこから沖縄という島の姿は、どれだけ見えたのでしょうか。
沖縄の現実と、日常と、そこに至るまでの歴史。それを反映しているのが、沖縄で生まれたオキナワンミュージックなのです。
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