沖縄の雨と東京(日本)の雨、の話。

新しいお題を見つけまして、面白そうなので書いてみようかと思い参加させて頂きます。

日本には北海道以外の地域に梅雨がありますが、雨の降り方って地域で全然違うよなあ……と思っていました。

沖縄の雨

私の知っている、親しんでいる雨は、ザーッと降ってサッと止むスコールのような雨です。余程天気の悪い日でもない限り、何時間も激しく降り続いたりはしません。

良く「沖縄の人は傘を差さない、持ち歩かない」と言われますが、本当です。
短時間の雨のために長傘や折り畳み傘を持ち歩くくらいなら、濡れてでも太陽が出るのを待った方が合理的。そう言う考え方なのです。
それに、台風の時はそもそも傘なんて役に立ちませんし……風が強過ぎて。
(まあ、私は濡れるのが嫌いなので傘は持ちますが。でも晴れると邪魔ですね、忘れたりもしますし)

他に沖縄の雨ならではの特徴としては「カタブイ(片降り?)」があります。こっちは晴れていてもすぐ近くでは降っている。その逆もある。
ウチナーグチで、正確には何と言うのか忘れましたが「牛の背中を分けるような雨」と言う言葉もあるそうです。

台風の時のように窓へ打ち付けて来る雨の音、アスファルトから漂う雨の匂い、すぐにどこかへ行ってしまう雨雲。それが好きで当たり前だと思っていました。

東京の雨

大学院進学で東京に移住した時、初めて「しとしと」と言う擬音語の意味を知りました。
ずーっと降り続く霧雨。身体にまとわりつくような湿気。これを「しとしと」と表現するのか、と。

東京の雨は本当に湿っぽく、激しくないかわりにしつこく降り続きます。
放っておいたら湿度100パーセント(温度計や湿度計の付いた時計を持っています)なんて当たり前。クローゼットの服に……風呂場に……カビが生える!!

風情なんて感じている場合ではありませんでした。荷物の多かった私でも使えそうな大きめの傘を探し、人生で初めて折り畳み傘と傘入れを買い、鞄を拭うためにハンカチや手拭いを用意していました。

それなのに最高気温は高いので、蒸す。とにかく蒸す。
東京の、日本の雨は嫌いでした。

台風が来た時は、妙に懐かしい感じがしたものです。強い風、窓に打ち付ける雨、これこそが私の知っているものだと感じました。
前日に食料を買い込み、テレビの気象情報を流しながら、子供の頃に「台風が来たら学校休みだ!」とわくわくしていた時の事を思い出して。

雨と人間の気質は関係あるのか

その後、私は大学院の同期生に付きまとわれて精神のバランスを崩し退学します。
彼女はまるで、湿度の高い中まとわりつく霧雨のようでした。

沖縄の人は優しいと言われますが、それだけではありません。不当な扱いをされれば怒り、そのような目に遭った他人のために怒ります。痛いくらい激しく降る雨のように。

天気や自然が人を作る。
雨は、それを教えてくれます。


※ヘッダー画像は「みんなのフォトギャラリー」からお借りいたしました。ありがとうございました。

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