月のリズムで生きたいなら、の話。
最近になり、スピリチュアル系や日本文化系の書籍に「月のリズムと共に生きよう!」というテーマのものが増えて来ているように思います。
そういう本などを見る度、じゃあどうして月を元に作られた暦である「旧暦」を載せないんだろう?気にしないんだろう?と疑問に思ってしまうのです。
月の暦、旧暦(太陰暦)
旧暦とは月の満ち欠けを元に作られた暦であり、新月が1日になります。基本的には、ひと月が29日〜30日です。
大きな特徴は「閏月(うるうづき)」がある事です。新暦(太陽暦)が暦の調整のために閏年で余分な1日を作るように、旧暦では余分にひと月を入れて1年間を13ヶ月にします。
今年はちょうど閏月のある年なのですが、沖縄では閏月の事を「ユンヂチ」と言います。ユンヂチはお墓の引っ越しに最適な時期だと言われており、お墓の販売業者や霊園の広告が新聞に出ています。
沖縄は旧暦で行われる行事(旧盆など)が多いため、カレンダーに旧暦は欠かせません。企業が配るカレンダーや沖縄手帳にはしっかり書いてあります。
月の満ち欠けは気にするのに、旧暦は気にしないの?
満月から月が欠けて行く時期はダイエットに良いとか、節分や立春は春の始まりだとか、「月と共に生きる」とうたう人々は言います。
それならば何故、旧暦は気にしないのでしょう?
沖縄のカレンダーや手帳以外で旧暦が書かれているのは、私の知っている限りではほぼ日手帳のデイリーページくらいです(これはなかなか便利だと思っています)。
カレンダーアプリでも、新暦と旧暦を併記しているものはほとんどありません。根気良く探して見つけたのは『ひぬかん生活』と『scCalendar』、それに手帳のおまけページをアプリ化したものくらいでした。
旧暦は月の満ち欠けがわかりやすく見える暦です。月と共に、季節と共に生きると言うのであれば、せめて旧暦の1日(新月)と15日(満月の目安、16日の場合もある)は把握しておいた方が良いのではないでしょうか。
旧暦と生きる事、月と生きる事
沖縄で生まれ育った私にとって、旧暦と新暦を併用するのは当たり前の事でした。
特に母親は祖母から引き継いでウチャトウなどを行うようになってからは暗記しているようで、月を見て「今日は(旧の)何日?」と質問すると「11日だったはずよー」と打てば響くように返って来ます。
現在使われている新暦、太陽暦では補えない部分を私達は旧暦で受け継いでいると思うのです。
「月のリズムで」「月と共に」生きようと思う方々には、ぜひ旧暦を身近に感じて欲しいと思っています。そして、旧暦を日常的に使っていた時代の事も考えて「暦」というものを見直して欲しいです。
どうして春の始まりであるはずの立春(2月4日)がこんなに寒いのか、なども。
※画像は「みんなのフォトギャラリー」からお借りいたしました。ありがとうございました。