浜降り(はまうい)と紅いゆで卵、の話。
本当に最近になって、母から聴いた話です。
亡くなった父方の祖母が、私の初節句(初めての浜降り、旧暦3月3日)に浜降り用の重箱を作ってくれていたと言う事。紅く染めたゆで卵が入っていて、実家が海の近くではなかったため浜降り料理など見た事のなかった母にはそれが強烈に印象に残っていた事。母方の祖父母にもお裾分けをしたら、やはり驚いていた事。
37年も前の話!!(私も聴いた時びっくりしました)
私は長子で、父方の祖母にとっては初めてのいわゆる「内孫」、母方の祖父母にとっては初孫でした。それで作ったのではないか、と母は言っていました。
それにしても、紅いゆで卵とは?
……と思ったので、検索してみる事にしました。
沖縄の女性の行事「浜降り」
以前の記事にも書きましたが、浜降りとは女性が身を清め悪いものを流すために海へ入る行事です。
母が祖母から聴いたところによると、昔は農具を海水に浸けたり馬を海に入らせたりもしていたそうです。
鉄の農具は錆びなかったのでしょうか……?
浜降りについては、こちら↓のページが詳しかったので興味のある方はどうぞ。
元々はやはり男子禁制だったようです(沖縄の祭祀や聖地とされる場所は、かつてほとんどが男子禁制でした)。
そして「紅いゆで卵」の入った重箱料理についてのページも見つけました!
花イカと言う飾り切りをしたイカ、重箱用のお菓子、三月菓子(さんぐゎちぐゎーしー)などが入っています。祖母はこう言うものを手作りしていたのか……。すごいなあ。
祖母が昔『浜降り』をしていた海は米軍基地に奪われてしまいましたし、今はレジャーとして海に行く事はあっても浜降りはわざわざやらないのかな、とは思います。
特に今年はいろいろありますし……伝統行事でクラスター発生なんて洒落になりませんから。
海と浜降りと雛祭り
日本の伝統行事である雛祭りも、元々は厄落としのために流し雛を流すものだったと聞いています。それがどんどん豪華になって行ったため、流すのがもったいなくなって飾るようになったとか。
沖縄では『アブシバレー』と言う行事もあり、良くないもの(儀式では農業の邪魔をする虫)を海に流すのだそうです。
良い事も悪い事も、海の向こうからやって来る。そして、悪い事は海に清めて貰う。それが水(川)や海に関係する行事の基なのでしょう。
色鮮やかなご馳走を浜辺で食べたり、海で遊んだり、昔の女性達はこの初夏の時期にそうして楽しんでいたのでしょうね。
※ヘッダー画像は「みんなのフォトギャラリー」からお借り致しました。ありがとうございました。