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教職志望の方へー評価について
成績処理の時に、どう「評価」するか、今、問題になっています。
現在、この「評価」について、地殻変動というかコペルニクス的転回というか、かなりダイナミックに変えようという力が上からかかっています。
それが、もう良いとか悪いとか言っている場合ではなくなったので、とりあえず来し方行く末を述べたいと思います
【これまでの高校における評価】
①推薦書の場合
その人を見て、とりあえず四字熟語を二つほど並べ(明朗活発=かなりやかましい、明朗闊達=明るく元気、明朗快活=ナイスガイまたはグッドガール、冷静沈着=騒がず焦らずマイペース、有言実行=いろいろ言うけれどやる時はやる、などなど高校教員独特の解釈で)、あとは、その人の日頃の行動を思い浮かべて、具体的な長所を書きます。
こういう推薦文は結構、得意でした。クラス担任なら、普通は書けるでしょう。
そして、封をする前に本人に見せます。これは、ミスター三国(三国丘全日制で勤続30年の先生)のやり方でした。面接対策です。
良いことしか書かないということもありますが、書いている内容が意外らしく(長所って本人には普通わからないので)ずいぶん喜ばれました。
②成績
学校によって付け方が違いました。
すなわち、トップ校は生の考査の点だけで付けます。中間校の平常点は20〜40点の間の任意の点で、学校によって20点だったり30点だったり、決まっていない場合もありました。
教育困難校の平常点は40点でした。これは、大阪府立高校では欠点が40点未満だったからです。
つまり、東大や京大を狙う生徒が在籍するトップ校では、温情は要らない、実力で勝負します、という感じなのです。
中間校は、生徒の状況がさまざまで、時代によってもバイト率や生活保護率や就学援助率が異なるので、ほどほどに平常点を入れます。
試験の平均点が安定しないのも中間校の特徴で、正規分布をせず、フタコブラクダになるので、平均点を60〜65点に持っていくのに平常点を使う場合があり、そのときには平常点は何点か決まっていませんでした。
教育困難校は、アルバイトで夕方から夜に働いている生徒が多いので、とりあえず努力は認めます、というスタンスでした。
平常点は、提出物の有無や指名時の発表の様子(出来不出来ではなく態度)、中間校では小テストの出来栄えなども算入します。
【新しい学習指導要領での「評価」】
成績と別に付けろとお達しがあり……、教員は皆、新しい「評価」に苦しんでおります。長所だけ書く推薦書とは訳が違いますから。
三観点で「評価」せよ、とのことであります。三観点とは、
①知識・技能
②思考・判断・表現
③主体的に学習に取り組む態度
①はいいですよ、しかし、②や③を客観的に公平に40人×持ちクラス、ないしは1学年全体で、公正に付けるのは、至難の業。
文部科学省も省内でやってみてほしい、いや、やっておられるんですかね?
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