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面接の極意

 ハウツー本も見て、面接指導も毎年したし、入試の面接官もした。まあ、そもそも自分が面接を受けることもよくあった。

 面接の極意は、客観性、それに尽きる。

 自分がそこにどう魅力を感じたか、ではなくて、その学校やその企業で、どういう人物が求められているか、理解していれば、スッと通ってくる。

 他は、挨拶の仕方、持ち物、身だしなみ。これも客観性。

 もちろん、高校や大学では滅多なことで身だしなみで落とさないが、やっぱりご遠慮願いたい場合もある。特に資格系の学校は。

 例えば、「看護学校に受けに行ったが落ちたから面接を見てほしい」と言ってきたので、一通りやらせてみたら、ドアに向かう時に、学生服の後ろからお尻尾が出ていた。キーホルダーのチャームだったのだが、フサフサでなかなか立派なシッポだった。でも彼の服装は、シッポとは裏腹に、学ランから覗くカッターシャツは薄汚れ、ノーアイロンで、ボタンは止めていなかった。それが、袖口と止めていない詰め襟の間から見えた。
 「まさか、その格好で行ったの⁉️」と尋ねると「そうです(それがなにか?)」という。

 「看護のお仕事ってどういうものか知ってる?」「……」「看護って、注射もするけれど、基本、身の回りのお世話なの。それなのに、自分の身の回りのこともキチンと出来ていないなら、無理よ」
 看護は母親に意外に収入が良いからと言われて受けたそうで、それ以上のモチベーションもなく、絶対、通りそうもなかったので、他の資格を勧めたが、雰囲気的には(ふーん、そーですか、知らねえよ)と言う感じだった。
 自分のことは分からないだろうが、たぶん、友人がそういう状態なら、何故ダメなのかはすぐわかったと思う。
 少なくとも受験場では、小さな頃から白衣の天使を目指してきたような人々に混ざって、何だろう、アレは?と思われたに違いない。
 他の仕事や学校だったとしても、結局は同じだ。気をつけよう。自戒を込めて。

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みゆ
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