wikiの人は実在したのであった。
『絵本作家かとうまふみさんのウィキペディア記事を作ろう』
という講座に参加しました。
講師はウィキペディアンの海獺さんです。海獺さんはwikiの日本語版管理者のご経験があり、「マツコの知らない世界」とか「ねほりんぱほりん」など多数のメディアにご出演経験があったり、講演活動なども行っています。(wikiの財団からの助成金があるそうです)
「自称ウィキペディアン」じゃない、ホンモノの公式?!ウィキペディアンなのです。
講座の内容
今回は絵本作家のかとうまふみさんのwikiページを作るという企画でした。
海獺さんのお話によると絵本作家はかなり絵本を出版されている方でも掲載されていなことがあるそうです。
なぜかというと、おそらくはウィキペディアンが圧倒的に男性が多く、そこに興味がある人が多くはないからではないかとのこと。
そのようなお話を聞くとやはりどの分野でも女性が参加していることって大切だなと思う。
後から「絵本」とか関連項目の「ミリオンセラーの絵本一覧」とか「読み聞かせ」なども見てみたのですが、そちらの部分も確かにもっと書き足せそうな部分があると感じた。
この日はかとうまふみさんご本人も参加されての会。ご本人に伺いながら書いていけばサクサク進むのでは?と思いきや、全然そうではなかった。
面白いなって思ったのですが、本人が言ってもそれが正しいと言う証拠にはならないんですよね。考えれば当然のことなんですが。
聞いたことそのまま書き込むことは多分可能なのですが、出典がないと信用される記事にならないのです。出典が多くあり確認できることが多くあれば当然その記事の信頼度もあがるわけです。
ページでは青文字がリンク、[1]とかカッコ内が出典リンク(一番下にも出典がまとめてあります)。もちろんクリックして見たことはあったのですがあらためて理解できました。右上の方にある青い☆マークわかりますか?青い☆マークがついているのは良い記事の意味だそうです。初めて知った!
下の写真の赤い印のところに出ているマークです。
海獺さんは事前にかとうまふみさんのことを調べて来ていらっしゃいましたが、私たちも検索して出典を探したり、出版した絵本を確認したりしました。意外と見つからない。
あと、載せることはもちろん「載せないこと」を決めるのも非常に興味深かった。
wikiは本人が公表していないことは、基本載せないそうです。(公然の事実みたいになっていることでも)なんでも載せられちゃうのかなってコワイイメージがあったのですが、そうではなかった(書き手によるかもしれませんが)海獺さんは非常に深く考えられて、載せること、載せないことを判断されている、かつ、とても公平な目線だと思いました。その部分がプロとしての矜持、誇りを感じて感動しました。プロと言ってもボランティア活動なんです。そこがまたすごいところです。
wikiは一生懸命作っても誰かに消されたり編集されてしまうこともあります。それは議論用の「ノート」というページがあってそこで議論するそうです。(誰でも見ることができるのですが私も初めて気づきました。)そのことを「乱暴に言うと『出典』をつけた殴り合い」と海獺さんが表現したのがものすごく伝わりました。大人の本気が伝わる名言だ。
こちらが完成したかとうまふみさんのページです。
かとうまふみ - Wikipedia 見てね。
感じたことなど
私は、一日何回かは必ずwikiを使っていると思う。何かを検索したら、wikiに情報があると必ず上の方に出てくるので。
でも正直半信半疑で読んでいました「これって本当なのかな?」って。
私の使い方は、例えば人の検索は、講演を聞いた、著書を読んだ、テレビで見たなどして興味を持った人がいた場合、名前で検索する。
wikiに載っていた場合「私は知らなかったけど、有名な人なんだな」(言い方失礼)と判断。(wikiに載ってる人はスゴイと思っている)書いてあることをひと通り読む。
その後、ご自身のHPがあればHPや所属先のHPを見たり、SNSなどを見たりして、全体像をなんとなく把握するという感じです。そう考えるとやはり第3者からの情報が欲しいんですよね。本人発信ではなく。
人の検索だけでなく、聞いたことのないもの、初めて聞いた言葉や地域のことなども調べます。本当に便利に使ってるなとありがたくなりました。
wiki職人のみなさまの努力の賜物です。
今回海獺さんの講座に参加して、これからは信じていいこと信じてはいけないことの判断をある程度つけられる気がしました。
そして私もwikiアカウント作ってみました!wikiでアカウント作れるということも知らなかった。早速編集してみようと思って、リンクつけるくらいなら簡単そうだと思ったんだけど、なんだか上手く操作できなくてリンクできなかった。なんでこんなこともできないんだろ…としばし落ち込む。でもまたやってみます。
絵本以外にも幼稚園関係とか、スープカレーのページを見たら、私これ出典わかる!とかリンクしたい!ってとこが何か所かあったのです。
海獺さんの講座はメディアリテラシー、インターネットの怖さなどもとても理解できました。これ中・高校生とかにもぜひ聞いてもらいたいと思ったのです。なんていうか通りいっぺんのインターネットは慎重に使いましょう!とか全部信じてはいけません!みたいな優等生ぽい講座じゃなくて、表現が難しいのですが、本音で、世の中の闇も垣間見えて、かつ知的好奇心が刺激されるお話なんです。またお話伺いたいです。
企画してくださった北海道図書館研究会加藤重男さんありがとうございました。↓加藤さんの著書はこちらです!
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