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イベント:講談師神田京子 金子みすゞ伝 ~明るいほうへ~
講談師神田京子さんのイベントを開催しました
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2023年9月17日(日)15時から、札幌「俊カフェ」にて、講談師神田京子さんのイベントを開催しました。
私が所属している勉強会(セカンドカーブ講座)のつながりから、札幌での開催を主催することとなり、神田京子さんとご縁の深い俊カフェの古川奈央さんに多大なるご協力いただき準備をすすめていました。
結果、満席のお客様にお越しいただき大変にぎやかに会を終えることができ感謝です。
札幌で神田京子さんの講談を聞けるとは・・・と喜びのお声もたくさんいただきました。
【神田 京子(かんだ・きょうこ) プロフィール 】
講談師。1999年二代目神田山陽に入門。山陽他界後は神田陽子に師事。2014年日本講談協会・公益社団法人落語芸術協会 にて真打昇進。寄席や講談会、独演会の出演の他、「講談+α」のコラボ公演も各地で開催。2021年度(第76回)文化庁芸 術祭賞優秀賞(「金子みすゞ伝~明るいほうへ~」他)、2021年度岐阜県芸術文化奨励賞受賞。夫は詩人桑原滝弥。一児の 母。2020年より山口へ移住。山口⇄東京の二拠点の視点を持ちながら新たな講談の可能性を模索している。
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神田京子さんの挑戦について
今回、手弁当でお越しいただいた神田京子さん。実は来年2024年1月25日(木)に金子みすゞ生誕120周年記念の大独演会を開催予定です。
有楽町よみうりホールで1000人のお客様を迎える挑戦です。
現在、みすゞのふるさと山口県に居住している神田京子さん。
フライヤーには「どこに住んでいてもできるんだ!」と書かれています。
そのためにもいろいろな方に直接会って、その思いを伝えたいと、こうやって全国様々な場所でこのようなイベントを開催されているのです。
熱い思いが伝わってきました。
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イベントの様子
この日はもちろん、文化庁芸術祭優秀賞受賞作品でもある「金子みすゞ伝~明るいほうへ」をご披露いただきました。全部ではないのですが充分に堪能。
私は講談というものを初めて体験したのですが、圧倒されました。まさに「名人芸」噺、声、表情、しぐさ、息遣い、全てから目が離せません。
みすゞの詩を詠む場面では、少女のような可愛らしい声、それ以外では威勢の良い声だったり、落ち着いた低い声も。くるくると変わる表情も見逃せません。
そしてもちろん何も見ないでお話されているのですが、どうやってこれを覚えるのだろう・・・と驚愕。
けれどこれは暗記ではないと感じました。心からの噺、語りなのです。プロのなせる技です。そして様々な資料や現地での調査により、このものがたり、構成をつくりあげ伝えている神田京子さんに感謝の気持ちがわきました。様々な史実を基にみすゞの気持ちを想像しながらつくられたとのこと。
私がイメージしていたみすゞとは違う新しいみすゞ像も感じた。
私は、ただただみすゞが可哀そうで、繊細でさぞかし生きづらかったことだろうと思っていたのですが、とても強さも持っていてだからこそ優しかったのだと思えた。
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そしてそれ以外のおはなしの部分も本当に楽しくて、何度も大爆笑。この講談をつくるきっかけはコロナ禍もあったとのこと。だんなさんである詩人桑原滝弥さんとのやりとりやお子さんの子育てのはなしなども出て来て、なんともほのぼのしたり思わず吹き出したり。
今回のイベントならではのコラボ「歌」竹林加寿子さん
今回のイベントのサブタイトルは「金子みすゞを体感する」でした。そこで今回特別にソプラノ歌手竹林加寿子さんの歌も聞いていただきました。
【竹林加寿子 (歌・Voice)】
国立音楽大学声楽科卒業。二期会オペラスタジオ後ウィーンへ。国内の数々のオペラ出演他、海外10ヶ所以上で演奏。
クラシック歌手の領域を超え、激しいロックからクラシック音楽まで。和楽器や民族楽器などとも即興演奏を行なってきている。「わたしの響き」と出会うヴォイストレーニング主催。
作曲家中田喜直さんとの出会いから、金子みすゞの詩を歌にして伝えることも続けてきた竹林加寿子さん。ハッとするような体に響いてくる声。
高く美しくクリア。加寿子さんも神様からのギフトをいただいている方だと感じました。みんなでみすゞの詩の歌も歌いました。
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このように大変にぎやかに華やかなイベントとなりました。
司会をしていただいた園田ばくさん、司会と言うよりMCとして会場の雰囲気をつくって期待を高めてぐぐっと皆さんを乗せてくれました。
インフォーメーションもパーフェクト。
たくさんの方のおちからといろんなつながりでこのようなイベントを開催できたことがとても良い体験になりました。
ありがとうございます。
最後になりましたが、私が現在学んでいる絵本探求ゼミの竹内美紀さんが全ての仕掛け人です(笑)
記録:昨年の金子みすゞ展でのメモ
昨年の8月~10月にかけて、北海道立文学館で「金子みすゞの世界」が開催されていました。その時の私のメモもここに記録します。
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今は教科書にも記載され、誰もが知っている詩人金子みすゞ。
けれど実は半世紀以上忘れられていたとのこと。全く知りませんでした。
没後数十年が経過してから、偶然みすゞの詩を一編読んだ矢崎節夫さんが、長い時間をかけて調査して、1982年(え、結構最近でしょと思った)にみすゞの弟と出会い、彼が保存していたみすゞのボロボロの手帳に書き残されていた512編の詩を発見したそうです。
保存しておいてくれてありがとう。見つけてくれてありがとう。
ささやかなものに対する尽きない優しさと大きな愛を感じる言葉たち。その繊細な感性を思えば、生きづらかったろう、苦しかっただろうと思えてくる。たった26歳で亡くなったみすゞが不憫でちょっと悲しくなったりもした。昨日は雨が降っていたせいかもね。
この展示のメインヴィジュアルになっているすずきももさんの絵の原画も展示されていました。ちょっと悲しくナーバスになった気持ちを和らげてくれる明るく清潔感溢れる絵。一緒に行った次女も絵が好きなので「何で(画材)描いているのかな〜」なんて言いながら喜んで見ていました。
絵本を買って来ました。アメリカで出版されたものを日本語に訳して出版されたもの。絵は羽尻利門さん。いつもながら自然の様子も美しく、温度や空気感も伝わってくるようなグッとくる絵です。詩は日本語と英語どちらも載っています。
書誌情報
『こだまでしょうか いちどは失われたみすゞの詩』
JULA出版局 2020年1月
物語と詩の英訳:デイヴィッド・ジェイコブソン
サリー・イトウ/坪井美智子
絵:羽尻利門
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https://book.froebel-kan.co.jp/book/detail/9784577610152