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生還からのミカンは神だった。
コロナ禍ですね。症状に味覚障害など、報じられています。
こんな言葉を思い出した。
「先生、美味しいと感じられないんです。殺してください。」
本当の会話です。
ここでいう先生は、このお話をしてくださった石井 苗子さん。
現在、衆議院議員をされていますが、東日本大震災被災住民支援プロジェクト「きぼうときずな」で活動されている時に出会いました。
(私は出張講師で料理教室講師として参加)
患者さんとこの会話をしたことを教えてくださいました。
美味しいというのは、当たり前じゃないっていう経験を私もした。
脳腫瘍摘出手術後、
水も飲めない状況が終日続く。辛かった。苦しかった。
自分で呼吸もできず、呼吸器をつけて意識朦朧。視界はまだ失明状態。
そんな状況からなんとか持ちこたえ、
急患病棟の部屋まで戻ってこれた頃、先生に水分、好きなだけとっていいよと
言われ、とりあえず看護師さんに買ってきてもらった自動販売機で売っている
お茶やらジュースやら紅茶やらグビグビ飲んだ。
飲んでも飲んでも喉が渇く。
(術後の副作用であったらしいが、この時誰も気づかず)
かなり飲んでも喉が渇く。気づいたら連続で8リットルは飲んでいる。
一気に8キロ太った。。(なんてこの時は考えられてなかったけど)
まだ管だらけのまま入院中。
初めて口にした食べ物、それは夜中に食べたミカンだった。
どうしても喉が渇く。しかし水分取りすぎて顔もパンパン。
耐えきれなくて、夜中に暗い中、みかんの皮をなんとかむき、
一房、口に入れた。
ゆっくりミカンを口内で舌と上顎で潰してみた。
☆★%#&”’`”$%&!
ものすごく「おいしい」水分がジュワーーーっと贅沢に
舌にしみこみ、感動も湧き上がる。
神様、ありがとう!と
思った。
大袈裟ではなく、本当に感謝した瞬間だった。
今では、ミカン食べたいと何気なくパクパク食べているミカンだが
あの一口が、大きく教えてくれた。美味しいのありがたみ。
生きている。
そう感じられた時でもあった。
だから食べることに興味や重き、関心をもっているのかもしれない。
この話を、皆さんにした方がいいと石井さんもおっしゃってくれました。
私が脳腫瘍摘出手術から復帰し、復興支援の一環で出会った石井さん。
私がこの話を初めてしたのも石井さんだった。
話を切り出すきっかけをくれたんだと思います。ありがとうございます。
もしかしたらコロナ禍の影響で味覚障害にあわれた方々もいらっしゃると思います。自然に治る方も、薬で治る方もおられるようです。
よくなることをお祈り申し上げます。
皆様がどうか無事でありますように。
「ありがとうの食育を」
みんなのクッキングレッスン
代表 晴澤雪枝