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相場急変時にすべきたった1つのこと リスク管理の重要性

市場に波乱が起きています。米景気停滞懸念、日銀による拙速な利上げにより8月5日の日経平均株価は4,451円安い、31,458円となりました。4,451円という下落幅は歴代No.1、下落率で見てもNo.2(▲12.4%)でした。

サーキットブレーカー発動情報
東証HP

何度も何度も取引中断となるサーキットブレーカーがあちこちで発動しました。

相場の急変で、信用取引等レバレッジをかけて取引をしていた人は、相当なダメージを負ったに違いません。また、レバレッジをかけていなくても、これだけの下落を受けると、リスク資産を保有している人は精神的にやられてしまった人も多いと思います。

相場急変時に大事な「リスク管理」

そんな相場の急変時に確認すべきたった一つのことは、「リスク管理」です。

リスク管理は相場急変時以外でも大切になってきますが、相場急変時には特に必要な考え方です。

リスク管理をする目的は、「致命傷を避ける」ことです。

致命傷を避け、市場に居続けることが大事なのです。生き残ることさえできれば、いつかチャンスは巡ってきます。
しかし、致命傷を負い、市場から撤退を余儀なくされた場合、復活のチャンスすら与えられません。

かの有名なジョージ・ソロスは以下のような名言を残しています。

「まず生き残れ。儲けるのはそれからだ(Survive first, and make money afterwards.)」

ジョージ・ソロス

リスク管理というと難しく聞こえますが、ソロスが言うように、簡単に言うと、「生き残れ(致命傷を負うな)」ということです。

生き残ることさえできれば、金はいくらでもあとから稼げるという意味の格言です。

個人投資家のリスク管理について ~ぐっすり眠れるかどうか~

厳密にリスク管理をするとなると、統計的(数理的)にリスク管理をすることもできますが、個人投資家にそこまでの態度は求められないでしょう。

もう少しざっくりと捉えて、

・相場を気にせず、ぐっすりと眠ることができる状態

を作ることと考えれば良いでしょう。

そのためにはどのようは手段が考えられるでしょうか。

難しく考えることはないと思います。金融庁もHPで掲載しているとおり、投資のベースとなる考え方に忠実になることです(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/invest/)。

キーワードは、分散、現物、長期。あとは俯瞰的な視点

NISAでは長期的な資産形成の重要性が語られています。
金融庁の解説と私の考え方は若干異なりますが、言いたいことはほとんど同じです。

分散投資 

分散集中投資を避けるということ。例えば、今回の例を使うと、日本株だけに全力集中投資をしていたら、とてつもない資産減になっていたことでしょう。

分散には色々な分散があります。商品の分散(株式だけじゃなくて債券もいれるなど)、地域の分散(日本株だけじゃなくてアメリカ株もいれるなど)、時期の分散(一括に買わないで何回かに分けて購入するなど)。
*時期の分散のリスク管理については色々な意見があります

GPIFのHPから引用

現物投資

現物投資も大事です。レバレッジを否定しているわけではありませんが、ベースは現物投資だと考えています。

現物投資とレバレッジ投資の最大の違いは、借金になるかどうかです。証拠金取引の場合、相場の急変時に自分の証拠金を超えて追加の証拠金を求められる可能性があります(いわゆる追証)。

現物投資だからといって損をしなくなるわけではありませんが、損失額の上限は元本に限定されます。元本以上に損失を出すことはありません。

ポジションを維持するのに必要なコストもありません。信用取引には金利負担などの、FXにはスワップ負担などがあります。

追証が払えなくて強制決済されることもありません。自分が売却さえしなければ、損失は確定されません。

長期投資

長期投資をベースとすることで、目先の株価の変動に振り回されにくくなります。株価は企業の業績にプラスして投資家の期待によりときとして大きく変動します。

本来の適正な株価から期待により大きく上下することがあります。そのときにびっくりして売買してしまうと狼狽売りにつながる可能性が高まります。

そんなときに、長期投資の視点があると、どっしりと構えることができ、資産形成、投資の成功可能性が高まると思います。

個人投資家が投資をするうえで、長期投資という考え方は必須になります。そのメリットとデメリットをまとめた記事があるので、興味がある方は御覧ください(有料記事ですが、役に立つはずです。)。

俯瞰的な視点

あとはざっくりとした表記になりますが、俯瞰的な視点を持つこともリスク管理の上では大事です。

バフェットの格言で以下のようなものがあります。

「リスクとは、自分が何をやっているかよくわからない時に起こるものです」

ウォーレン・バフェット

わからないものになんとなく投資をしていることそれ自体がリスクであるということです。

資本主義はどういう経済システムなのか?
資本主義において、株式とは何なのか?
どうして、労働者より投資家のリターンが高くなる傾向にあるのか?

市場の暴落に振り回されず、自分の投資哲学を確立させるためには、そもそも株式投資をする意味についてしっかりと考えることが必要になります。

こうすることで資本主義という経済システムや株式投資の重要性が理解できるようになり、簡単に狼狽売りしてしまうようなことも少なくなるでしょう。

こちらについては、以下の私の記事が有用でしょう(こちらも有料ですが役に立つはずです。)。

またこちらは無料ですが、日本の経済状況、マネリテの重要性の記事です。

(参考)暴落当日のわたしの精神状況

これは2024年8月5日、市場暴落時のわたしのツイートです。指数が▲12%も下落している中で、私は平然としていました。むしろ、安くなることで買い増しの機会ができることに喜びを感じていました。

私は2016年頃から投資を始めているので、リーマンショックは体験していません。コロナショックは経験済みです。コロナショックの際には、動じることなく買い増しをしました(それが資産急拡大のもとになりました)。

今回のショックには名前がまだついていませんが、植田総裁の日銀利上げショックというべきか、とりあえず今回の暴落においても、私のメンタルは安定しています。

ここまでくると投資家として一皮むけて、何があっても大丈夫だと思えるようになります。

こうした考えに至るまでが大変なのですが、一度その領域に到達できてしまえば、あとは簡単だと思います。バイ・アンド・ホールドするだけですから。

注意事項

無断引用や転載を禁止します。許可を得ることなく、複製、翻案、蓄積、改変、要約することを禁止します。これらの事項が発覚した場合、法的措置をとります。

このnoteでは、投資行為について触れていますが、特定の銘柄や相場の予測をするものではありません。
金融商品にはそれぞれのリスクが存在し、元本割れを起こす可能性もあります。
投資(投機)はどこまでいっても自己判断、自己責任となります。その点についてはご理解よろしくお願いします。

本noteにおいては、極力、正確性を期すように執筆していますが、情報が誤っている、あるいは、古くなっている可能性もあります。
本noteに記載された内容によって生じた損害等の一切の責任は負いかねますので予めご了承下さい。

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