見出し画像

『ライオン・キング:ムファサ』を観てきた

『ライオン・キング:ムファサ』
IMAX(字幕)を公開日の2024年12月20日に、吹替を12月31日に観に行ってきた。

私はディズニー映画はクラシックな絵が好きなので、アニメーションの方は『美女と野獣』以来観てなかった。
(↓おそらく再上映?だったと思うが、小さい頃に母と映画館で観たこのくらいの頃のアニメーションが好き。ちなみに今度の実写版は『白雪姫』らしい…🍎)

だが、近年の実写版はなぜか抵抗なく観ることができて、とりわけ『プーと大人になった僕』『アラジン』は大好きだ。前作の『ライオン・キング』も観た。

中でも『アラジン』(2019)はちょうどその当時最推しだった中村倫也さんがアラジン役の声優に抜擢されたことがまずとても嬉しかった。
また、「青いウィル・スミスじゃん!笑」と方々で言われてたジーニーと、砂漠で砂のお城作ったりするかわいい魔法のじゅうたんと、ゴージャスで美しい衣装・美術が大好きで、さらに現代版にアレンジされたアラン・メンケンの音楽も素晴らしくて、字幕・吹替どちらも大好きな作品となった。
倫也くんが声優をやっていなかったら観てなかったかもしれない映画だったので、本当に出会えて良かったと思う。

その数年後、次の超実写版は『ライオン・キング』(2022)だった。
倫也くんの俳優仲間である賀来賢人さんがシンバの吹替版声優に決まり、それも嬉しかったし、なにしろ動物の毛並みや表情などがどのくらいリアルに再現されるのか…というワクワクもあり、こちらは吹替版のみ観ていた。(個人的に主要登場人物が人間だと字幕(原語で話す姿)も観たいが、動物の場合はそもそも動物が人間の言葉を喋ること自体が現実的じゃないので、何語で喋っていても構わない。笑)

そこからの今回、『ライオン・キング:ムファサ』(2024)だ。

前作に比べてどのくらいCGが進化しているのかも気になっていて、声優さんが発表される前から観に行くつもりでは居た。
そして奇しくもまた素晴らしいタイミングで、今現在の私の最推しであるTravis Japan松田元太くんが声優さんに抜擢された!
しかも(のちのスカーとなる)タカという大役…!観る前の期待度が爆上がりしたのは言うまでもない。


🦁先にIMAXで映像を体感

真っ先に元太くんの声優っぷりを聞きたかったのだが、映像をIMAXで観たい欲が勝ってしまいうっかり(?)最初に字幕で観ることになってしまった。
でも、結果的にこれは正解だったかもしれない。先に吹替を観てしまったら、IMAX(字幕)を見ないまま満足していたかもしれなかったからだ。

IMAXで観た映像の迫力、臨場感、映像美が本当に素晴らしかった!
上空からドローンで撮ったみたいなスピード感やものすごい広範囲を捉えた景色、本物だとここまで近寄れないよな…って角度から観る動物たちの表情・動き・毛並みなど、すべてCGだとわかってても興奮した。(仔ライオンがイカ耳になるときのキュートさもたまらない☺️そういう意味では私が好きだったクラシックなディズニーアニメのキュートでなめらかな動物の表情がCGになってもより繊細に表現されるようになったのかもしれない…)

特に約束の地・ミレーレの景色はIMAXの映像の方が普通のスクリーンの何倍も感動した。
フレッシュな緑地に咲く薄紫の花々、羽ばたくたくさんの蝶、水面の輝き…、この言葉を多用すべきじゃないと思うが、私の中の「極楽浄土」のイメージに近かった。

🦁人間社会に重ねて観てしまうストーリー 〜タカに思いをよせて〜

(やんわりネタバレあります)
ストーリーについて総じて思ったのは、動物たちの王国の物語ではあるが、人間社会にまんま重ねて観てしまうほど、現実味溢れた話だったということだ。

まずちょっとタカについて書かせてほしい。

会社でもお店でも世襲制のところはトップが代替わりして、息子さんになったりする場合、「ジュニアは育ちが良いから、ちょっとぽやぽやしてて心配よね…」と言われたりするのを、これまで実生活においても度々耳にしたことがある。
要はすれてなくてお人好し(ちょっと気弱)…だからビジネスにおいてはやや心配になったりもするのだ。(もちろんジュニアでもしっかり社長になるべく他所で経営を学び下積みを経験してから就任する方も多いと思うが、それでも業績が出るまではあれこれ言われてしまいがちではなかろうか…。)
いわばこの存在がタカだ。

そして、傾きかけた経営を立て直すべく突然外部からやってくる敏腕CEO(ムファサのような存在)にジュニアは立場を喰われてしまったりするのだ…(←かつて会社員時代にその顛末を目の当たりにしたことがある)。
ムファサとタカは子供の頃に出会って兄弟として育ってしまっているだけに、さらに悲劇度が増している気がする。。

本人の意思も性格上の向き不向きも考慮されずに、血筋だからと宿命を背負って生きなければならない人生…
かつては(今も?)それを我慢して受け入れて生きてきた偉い人達がきっとたくさんいると思うが、本来の自分を実の親にも受け入れてもらえないまま大人になるのはとても辛い…。

だからタカを見てるととても辛かった。

一見愛情を注いでもらって、何不自由なく生活はできているように見えるけど、いつも満たされない…。
物心ついてからのタカはきっとそんな時間がずっと続いていたのではなかろうか。。


そんな中、すでに不穏な空気を擁したままムファサとタカは親元を離れてミレーレを目指す旅に出るわけだが、
その途中で、タカが闇落ちした理由がそれだったか…と思うと一層やり切れない思いになった。

私はサラビみたいな孤高の強いかっこいい女性は大好きだし、なんなら若い頃はああいう女性になりたいと思っていた。
だが、、(私は2人の男性から同時に想われるなんていう経験は無いからわかったようなこと言うなよ…って感じなのだが、)自分が原因でどちらかの男性の人生をあんな風に狂わせてしまうとしたら、恋愛ってなんて残酷で罪深いものなんだ…と、とても悲しくなった。
そしてその原因がサラビだった…と思ったら、もはや憧れの存在とは思えなくなってしまった。。(←そんなに真に受ける必要もないんだけど…笑)


悪に至るまでには理由がある

そもそも悪とされる側も生まれたばかりの頃から悪だった者なんて誰もいないし、生まれてくる環境も選べない…
タカだって本来悪になる必要は全くなかったんじゃないかと思うし、キロスもまたそうだと思う。

ただ、怒りや憎しみが生きるパワーになることは往々にしてある。
私も若い時の生きる源は怒りからくるパワーだった。世間にも周りの人にも、片思いの相手にも常に怒っていた。
ただそのままだと生きてる間ずっと辛い。

置かれた環境の中でどう生きるか、
生き方を選ぶのは自分次第

このことを真の意味で理解するのはとても難しいから、つい周りの人や環境のせいにして悲劇のヒーロー・ヒロインぶってしまう。
タカも「もう俺には何もない…」と強く思い込んでしまったままで、それは自分の思い込みでしかない、と気づくところまで行かないのがとてももどかしかった。

ムファサは、自分にむけて復讐しようとさえしたタカの命を救った。
タカにとってはここがまっさらな人生のスタートになるうる岐路だったと思う。ムファサはそのチャンスをタカに与えたのだから。

それでもまだタカは王の座にこだわり、自分は王家の血を継いでいるというプライドが邪魔をして(?)ゼロになりきれなかった。
全部捨ててゼロから再スタートできたら、タカはタカ自身の幸せを見つけられたかもしれない、生きる辛さから解放されたかもしれないのに。。(たられば論言っても意味無いけど…笑)

一方、キロスはまた少しベクトルが違う。
キロスを演じたマッツ・ミケルセンのインタビューがとても興味深かった。

このインタビューで知ったのだが、キロスの白い毛並みはアルビノによるものとされている。
身体的特徴を活かして気高く自分を保つことはとても美しい在り方だと思うし、目立ってしまうからこそ身を守るためには自分が一番強くならなくてはならないと考えるのも自然だと思う。その生き方を否定はできない。
悪役的に描かれているが、一概に悪とはいえない。

余談だが、
先のマッツのインタビューによると、演じる俳優の面影がライオンに投影されているらしい。そういう粋な遊び心(?)のような部分が私はとても好きだ。
そして、白く、恐ろしく、美しい悪役というのは非常に色気があってロマンティックだと思う。
以前観た劇団☆新感線の舞台『狐晴明九尾狩』で向井理さんが演じた九尾の妖狐を思い出した。(映像にはないが、舞台のクライマックスではかつての紅白の小林幸子さんの大型衣装ばりの大きな白いもっふもふの九尾の妖狐になるのだ…)


🦁元太くんの声優っぷりがすごかった

これは単純に私が松田元太くんのファンだからかもしれないが、吹替の方がタカの存在感をより強く感じた。
特に闇落ちしたところからの存在感は字幕よりも強く印象に残っている。

元太くんにとって初めての声のお仕事ということもあり、アフレコはかなり苦戦したという話を色々なインタビューで見聞きしたが、本職の声優さんのうまさとはまた少し違って、でも確実にこちらに伝わってくる嘘の無い感じに心が震えた。
それが元太くんの素直さから来るものなのかもしれないと思うと、きっと彼の前では誰も取り繕うことはできない、そんなことしようものなら直感で見透かされるんじゃないか…と少し怖いとすら思った。(←でも、だからこそ好きなんだけど)

表情を使えない、正確に秒数に合わせる、英語のニュアンスを汲む…など様々な制限の中で演じることで、表現の幅がものすごく広がったのではないかというのは素人でも想像に難くないので、今後の元太くんの演技のお仕事でどんな姿が見られるのか…そちらもとても楽しみだ。

そして、元太くんといえば、アメリカでの映画公開イベントで、ムファサ、タカ、サラビのオリジナルキャストの方々にインタビューして、
『ブラザー/君みたいな兄弟』の一節をまさかの日米キャストコラボで歌うというシーンがある。何度観ても胸熱だ…🥹
公式にYouTubeに残してくれて感謝しかない。。


🦁さいごに…
〜とはいえ戦いの無い世界を望みたい〜

今の私が見て憧れたのはラフィキだった。
蛍を魔法のように扱い、星を見て、池で瞑想し、霊気(?)で病やケガを治す…
世の中ラフィキ(達観した存在)の割合が増えたらいいのに…と心底思ってしまった。笑

まぁでもそうすると、生死、性別、種族…諸々の境目がなくなって、高次元(魂レベル?)の愛のようになって行くので、平和は保てても物理的な生き物の繁栄には繋がらないかもしれないのが難しいところだ(←ちょっとスピった話になって申し訳ない)。

また、スピった流れでいうと、
Circle Of Lifeは私個人的には輪廻転生というよりワンネスと解釈したい。
だとすると、悪も敵というよりは自分の一部になるわけだけど、それでも争いは起こるし悪はやはり成敗される必要がある。。

結局生き物は戦わずして生きることはできないんだろうか…?と考えてしまったが、それは答えが出ないどころか想像もしきれなかった。。

ていうか、ディズニー映画を観て、こんな小難しいこと考えてるのもどうかと思うが、あれこれ考える余地を与えてくれる素敵な作品だった🦁🦁✨

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集