介護の始まり⑦通帳の整理
母の介護が始まり、なんやかんやと自腹を切ることが多くなった。
こちらはまだ大学生に仕送りをしている身である。正直痛い。
ヘルパーさんから「リハビリパンツの残りが少なくなっています」「使い捨ての手袋を用意してください」など連絡が入る。とりあえず買わざるを得ない。
母の栄養補助にメイバランスなどの飲み物であったり、好きなおやつやジュースであったり、父に頼まれたものであったり、と小出しになかなか痛い出費が続く。
私は両親の銀行口座の生活費の流れを知らなければいけないことに気づく。
今まで父は母から現金を渡してもらっていたため、ATMでお金を下ろしたことも無かった。
母がATMに行けなくなったので生活費を私が下ろしに行くことになった。紙オムツなどの必要経費もそこからもらうことになり、私の自腹問題は解決した。地味に2000円、3000円て出ていってたのだ。
さすがにフルタイムで働いてるとはいえ、実家に行く度に買わなくてはいけないものがありダメージくらっていた。
私が今のうちにやらねばならんことは
両親の通帳の整理。
何冊くらいあるんだろうか。
父はお金の流れをまったく把握していないし、母のレスパイト入院費のこともある。急ぐべきは母がレスパイト入院する前にとにかく銀行に連れて行くことだ。定期預金を全部普通預金に移し、いらない銀行を解約する。銀行ってやつは本人が行かないとなんも出来ないのだ。
通帳を整理しに行こうという私の提案には二人とも賛成してくれた。
●年金が入ってくる通帳
●支払いの通帳
●あまり使われてない通帳
父と母にそれぞれ3冊ずつ。なるほど。
なんとかなりそうか?
天気が良さそうな日を見計らって母を車椅子に乗せ、銀行巡りをし、父母の通帳を年金の入ってくる通帳と支払いに使われている通帳、2冊ずつにまとめた。銀行印が5本くらいあったけど全部持って行って照合してもらった。家の中で暗証番号がかかれたメモが見つかったときは心から安堵した。お母さんグッジョブ。
本当は父母それぞれ一冊にまとめたかったが、公共料金の支払い変更も年金の振り込み変更も時間と根性がいることなので諦めた。
とりあえずお金の流れを把握できたので良しとする。
私がミスッたのはこのとき銀行の代理人カードを作成しなかったことだ。母は施設に入ってしまったのでもう代理人カードを作るのは難しい。
キャッシュカードは任されているので当面は困らないが、代理人カードがあると更に良し。本人が指名した代理人は強いのだ。何かあっても代理人カードがあれば葬式代の立て替えをしなくても済む。
2人とも80代なのだ。年齢的にはいつ何が起こるかわからない。
もしかしたら私が不慮の事故で死ぬかもしれない。
私も自分の銀行IDやパスワード、ネット関係の覚書をまとめはじめた。
完成したら紙に出力して置いておくつもりだ。デジタルの時代だからこそ最後は紙が強いのだ。スマホの画面ロックの解除パターンも書いておかないと。残す預金が無いが、手続き関係は子どもに分かるようにしておかないと。面倒でも生き残った身内がやるしかないのだ。
政府はマイナンバーカードの保険証をどうのこうのするまえに身内が死んだ時にあちこち逝かなくて済む制度の一元化を早くしてくれ。死亡届を出したらすべて手続き完了するくらいの完璧な制度を作ってくれと切に願う。結婚して4人の両親がいる場合、最低4回はあたふたしなければならんのだから。
マイナンバーカードで思い出した。
母は割と早くマイナンバーカードを作ったみたいなのだが、どこを探しても見つからないのだ。もうこれは迷宮入りの事件なので放置することにした。今のところ老人施設でマイナンバーカードが必要な場面はありません。なんや、この制度。
最後はマイナンバーカードの愚痴になったが、とにかく介護サービスを使う段階でお金の話は腹を割ってすべき。そして自腹は切らないのがベストだと思う。両親に今までの恩返しで金の面倒も自分がみる!という愛と懐の深い方もいらっしゃるだろうけど私はビンボーなので無理です・・・。
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