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天然素材、裏話。
天然素材のカゴ…すごく素敵だ。
と、今の仕事を始めるまでは疑いなく素敵だと思っていた。
わたしの勤めている会社はインテリア雑貨のECサイトである。天然素材の多くはベトナムや東南アジアからの輸入品だ。
当たりハズレがヒドい。製品の乾燥が中途半端だと船便のコンテナの中でカビが大繁殖し、届いたころにはカビだらけ、ということも日常的にある。
拭き取って販売できるものは販売する。
虫も湧く。虫はどこでも湧くが、高確率で湧く。
素材的にはウォーターヒヤシンス、シーグラス、バンブー、ラタン、などである。
木製品からもキクイムシが木を食い破って出でくるのを何度も見た。
もちろん、これは輸入品、日本製限らず、天然素材だから有り得るのだ。
素朴なカゴを生産しているのは現地の村である。手作りの良さがある。
だが、衛生的な環境で作られているわけではない。編み手の髪の毛が一緒に編まれていることも多々ある。日本なら髪を束ねるか、ネットをかぶるかして、髪の毛が入りこまないようにするだろうが、そんな日本の常識は東南アジアの小さな村には通用しない。
地べたに座り、長い髪の毛のまま、藁を編んで行くのだ。髪の毛と土も一緒に付いてくる。安い値段で作らされているのだろう。
わたしはこの事実を知ってからカゴ収納は止めてしまった。
大手お値段以上の家具屋さんや、印のついてない良いものの店にも似たような天然素材のカゴは売っている。輸入国も同じだ。
店頭で商品を手に取って穴が空くほど眺めるが、虫の気配もカビの気配もない。
やはり大手は作る工場が違うのだろう。
形も揃っていて美しい。羨ましい。
今年の夏は暑すぎて、うちの倉庫はカビ、虫の大繁殖だった。もう毎日カビ取りするのはゴメンだ。カビの生えたカゴをアルコールで拭き取って売る、うちの会社もどうかと思う。
皆、憧れのカゴ。実情はそんな感じだ。
カビが生えたものはできれば煮沸する事だ。
でも繊維に胞子が入り込んでるので
小さなお子様やペットには、どうかと思う。
それを含めて製品を育て、愛せるのであれば長く愛用してほしい。
今日は天然素材のカゴの実態を書いたが、
インドのクっサイ段ボールの話もいつか書きたいと思っている。