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介護の始まり④毎日誰かが来る

母がパーキンソン病と診断されて父の生活は180度変わってしまった。

家事などしたことがない82歳は悲惨である。自分の妻が寝込んでいても「俺の飯は?」と言うタイプだった父。
Xなどでたまに話題に上がってくるやつだ。

パーキンソン病を患った母は歩行困難で手が震えるため家事が出来なくなった。

父は妻に手料理を作るために奮闘するタイプでは無い。
肉を焼いたこともないのだ。フライパンに油を垂らすところから教えないといけない。野菜を切ったこともなければ味噌汁の作り方も知らない。80代の夫ってそんな人が多い気がする(明らかに偏見)

ごはんは炊けるようになった。
それだけでも進歩である。

話を戻す。母が家事一切を出来なくなったため、毎日のご飯に困りだしたのだ。
私は電車で30分の場所に家族と暮らしており、近いとはいえそんなしょっちゅうおかずを持って通えない。
会社から帰るのは毎日19時くらいだ。
そして会社を辞める気も無ければ介護を一手に引き受ける気もない。ここで私が介護離職したら私は再就職がかなう年齢ではなくなるからだ。すまないが自分の生活のほうが大事だ。私は介護の後方支援しかできない。

とにかく母に3食食べてもらわなければ。
ケアマネさんの勧めもあり、宅配弁当を取ることにした。

実はケアマネさんに勧められる前にも2社ほどおかずの宅配を試したのだが父も母もお気に召さなかった経緯がある。

今度こそ気に入ってくれますように。

毎日夕方、配達の人がおかずを届けてくれる。父はそれがおっくうだった。

配達の人にいちいちインターホンを鳴らさず外に置いてある自転車のカゴに置き配してくれるように頼んだようだ。

しばらくすると父は自分のおかずは好きなものをスーパーで買うから母の分だけ宅配弁当にしてくれと言ってきた。

そして更には母のおかずなのに「美味しくないから」「少ない」と文句をつけ解約してしまっていた。

え?なんで?食べるのはお母さんじゃん?自分はスーパーでおかず買ってきてるでしょ?

宅配弁当にしたのは栄養面が計算されているからだ。タンパク質不足により母は明らかに痩せていた。宅配弁当でそれを少しでも補いたかったのだ。

父は母の介護が始まってから週3回のデイサービスの送り出し、訪問看護師さん、調剤薬局の薬剤師さん、と今までにない多さの訪問に疲れていた。

といっても訪問時にいちいち立ち会ってるわけでもない。訪問看護師さんが言っていたが父は訪問時も二階でパソコンをしていて降りて来ない。

とにかく父は母が食べる宅配弁当を断ってしまった。ケアマネさんも訪問看護師さんもびっくりである。

この頃から母の介護度は次のステップへ。トイレが間に合わなくなってきたのだ。




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