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鉄道開業150周年。ということで、これまでに見た、ココロに残る駅を並べてみます①。

今日、10月14日は鉄道開業150周年。
僕も駅や鉄道には、どれほど多くの思い出を作ってもらったことか。
そこでこれまで、旅の途中で見てきたココロに残った駅を並べてみようと思い立ちました。北から順に進めて行きます。
クルマで旅をすることが多いのですが、それはいずれ、鉄道で長い旅に出るためのロケハンのようなもの。僕は人間が作り出した音の中で、楽器以外では列車が走る音がいちばん好きです。

日本列島の北の端と東の端。

最初は、やはりここですね。宗谷本線の稚内駅。改築される前の駅舎も見ておきたかった。
終電が去った直後の稚内駅。
この後、間もなく駅舎の照明が消え、駅前のコンビニも閉店しました。

稚内駅周辺には見るべき建築物や風景が多く、併せて紹介したいところですが、長くなるので駅に集中して貼り続けます。

根室本線は、いったん根室半島を東に回ってから終点の根室駅に到着します。なので日本列島最東端の駅は、根室ではなく、ひとつ手前の東根室駅になります。ご覧の通り、木造のプラットホームだけの、とてもシンプルな無人駅でした。
そして根室駅。知名度の割には、とても小さくて控えめな駅です。が、坂の多い根室の街の小高い丘の上にあり、駅前の国道はまるで参道のよう。どことなく神社のような、ありがたい印象を受ける駅です。
ご覧の通り。札幌から根室って、東京から京都くらい離れているんですね。
根室本線で、かなり驚いたのが牡蠣で有名な厚岸駅。この街のあちこちで鹿を見かけます。通りを歩いていても誰も気にしない。こうして駅にも入ってくるので、駅員さんに「大丈夫なんですか?」と聞いたところ、「もう終電は出ちゃっているので大丈夫」とのこと。駅員さんと一緒になって写真を撮りました。

北海道には、跨線橋の美しい駅が多くないか?

厚岸駅は跨線橋も歩道橋も美しい。もっとも、美しさよりも機能を優先して作られているのだろうけど。北海道には、跨線橋の美しい駅が意外に多いのです。
跨線橋では、釧網本線の弟子屈駅もよかったな。かつては摩周という名の駅。とは言え、ここから摩周湖までは20kmほど離れていました。樺太から引き揚げた後の、故・横綱大鵬が暮らした街でもあります。
ついでに、弟子屈駅から眺めた鉄路。昭和の大横綱も、最初はこの線路に乗って東京へ向かったのかな。

”秘境駅”という言い方が、どうにも好きになれない。

あの広い北海道。クルマで走っていると、ふと無人駅に出くわすことが多いものです。そしてその駅を中心に、半径5kmほど人の気配が全く無い駅もいくつか。
とは言え、もともと何もなかったところに駅ができるはずもない。そこには必ず、開拓の歴史や、かつての賑わい、そして、結局不毛に終わった土地を離れて、ほかの土地で暮らさざるを得なかった人たちの記憶があるはずです。そこを秘境と呼んでしまっていいのだろうか。
たとえば次の写真。根室本線の初田牛駅には、かつては駅員も常駐する木造の駅舎があり、駅前には街があり、学校もあったとのこと。あいにく、今ではこのあたりには廃牧場の跡が目立っており、ここを訪れた翌2019年、この駅は廃駅になりました。

開業は大正9年。石積みの残るホームからは、地元の要望に応えて開業した、当時の賑わいを残していました。この写真を撮ったのは、廃駅前年の2018年の9月。行っておいてよかった。

2019年の3月15日。この初田牛駅とともに廃駅となった三駅の、お別れセレモニーのようすがありましたので貼っておきます。

根室本線(花咲線)は、すべての駅を見て回りたいくらいに味わい深い駅の宝庫のようです。しかし、いつも何かの途中で駅を訪ねているに過ぎません。この路線には、機会があれば是非また行かねば。お勧め駅があれば、ぜひ教えてください。

投稿が長くなってきたので、ここでいったん打ち切り。最後にもう一駅だけ紹介しておきたいと思います。ここは宗谷本線の瑞穂駅。偶然見つけた無人駅で、おそらく仮乗降所として始まった駅だと思われます。しかし自転車置き場はきれいに掃除され、駅の周りには花壇が作られ、とても大切にされている印象を受けました。それでも冬は、雪に埋もれてしまうんだろうな。

人里離れた場所で、こうして引かれた線路を見ると、なぜかとても温かい気持ちになります。それはおそらく、このレールによって、どこかに繋がっているという心強さや安心感から来るのではないでしょうか? 鉄道には、人や物を運ぶというだけではない、そのような心強さを地元に与える役割もあるはず。だからこそ、廃線や廃駅などのニュースを聞くたびに、とても切ない気持ちになります。
100円稼ぐのに一万円もかかる。という赤字路線の実態を聞かされてしまうと、単純に情緒だけに訴えるわけにも行かない。とは言え、たとえ税金を使ってでも、守るべきものは守って欲しい。それは昭和の鉄道ファンとしての、切なる願いでもあります。

ということで、長くなったので、ここでいったん引き揚げます。続きの本州以南は後ほど、あるいは後日に。

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