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田島「イカ欲したし、毎年カレー貸しと居ましたし、壺買いました。」

カレー回文については前の投稿を読んでくださいね。
前から読んでも後ろから読んでも読める回文をカレー縛りにしたのがカレー回文です。ここでは意味の難解なカレー回文の解説をいたします。


<カレー回文573>
田島「イカ欲したし、毎年カレー貸しと居ましたし、壺買いました。」
たしまいかほっしたしまいとしかれかしといましたしつほかいました

<序盤の解説>
このカレー回文の主人公は田島という男であり、このカレー回文を田島の告白と解釈しています。”イカ欲したし、毎年カレー貸しと居ましたし” のところは後から推測することにします。まず「壺買いました」というのは何か詐欺にあってしまった告白であると考えられます。田島が失敗して、本当は高級でない壺を高値で買ってしまったのではないかということが想像できます。よく聞く話です。ここから読者は田島という男の性格を少し認知できます。次にカレー貸しというワードです。ここの解釈が難しい。もし「金貸し」であったならダラシない田島の性格上、普通に意味が取れる。金を毎年借りちゃうような男なんだな、と。しかし、ここではカレー貸しである。一体”毎年カレー貸しと居る”という状況はどんな状況なのか。

<カレー貸しとは>
”毎年カレー貸しと居る”という状況を深掘りするために、カレー貸しとはどんな人なのか考えてみたい。ここでは、カレーを貸してより多くのカレーを稼ぐ職業だととらえます。100mlのカレーを貸して利息が生まれ、10日後に200mlのカレーを返してもらうというようなものです。金は天下の周りものと言われますが、貸した金と返してもらう時の金は物質としては違うものですよね?姿形は似ていますが。それがカレーにも言えることです。これはひょっとするとカレーを稼ぐにはいい考えかもしれません。そんな気がしてきました。多くのカレー屋さんはお金でカレーを売りますが、カレーでカレーを売るカレー経済もあっても良いかもしれません。私個人のことをいえば、働いてお金を稼ぐのはほぼカレーのためでお金を中間に介する意味はあまりありません。私はつい最近までインドルピーをお給料としてもらっていましたが、インドルピーは世界的には信頼性の低い貨幣と言われていました。しかし、カレー交換券としての価値が高く、100ルピー(貨幣の価値では150yen)ほどで、お腹いっぱいの美味しいカレーを食べることができる優秀なカレー交換券でした。カレーを貸して、カレーを得る。ひょっとすると本気で資本主義の世界からカレー主義の世界への脱却ができるヒントがこのカレー回文に隠されているかもしれません。

<後半の解説>
田島の話に戻ります。”毎年カレー貸しと居た”と告白する田島。カレー経済に生きる男であることが伺えます。イカを欲したのはイカカレーを作るためでしょう。壺だって、ただの壺ではなく、カレーに関する壺でしょう。ということで、この田島という男はただのカレー狂い。カレーを借りては、返すためにカレーを調達する、中毒者となってしまった悲しい男の告白だと推測ができるでしょう。


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