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kickstarter 2022年1月後半 気になるプロジェクトまとめ

どうも、少しずつ翻訳を進め始めたDuckです。
先日、お休みだったので今更感溢れる某アート系の作品をリハビリも兼ねて翻訳していたのですけど、専門用語があるとそこにばかり時間が割かれてしまい、本来の目的であるところの翻訳が全く進まないといった経験はありませんでしょうか。
カタカナ表記にしても良いんですけど、折角翻訳するのに捻りがない(必要かどうかは別として)のは如何なものかと思ってしまう訳です。
まぁ、そんなことを言っているから全然進まないんですけどね。

さて、今回の記事は1月後半にスタートしたKickstarter新規プロジェクトの中から、気になるものをまとめです。
例によって、Tantrum House様(https://www.youtube.com/user/tantrumhousegames)のまとめ動画も参考にさせてもらっています。
ちなみに今回紹介する作品の内、動画で取り上げられていたのは3作品中1作品だけだったりします。
いつもよりは割合低めですね。
※出典の明記がない画像は全てBGGの当該作品ページよりお借りしています。
※記載された内容に誤りがあった場合、ご指摘頂けると助かります。

【Ostia】

プレイ人数:1~4
プレイ時間:100~120
メカニズム: Mancala
BGG Weight:不明
デザイナー:戸塚中央
アーティスト:ウラベロシナンテ
パブリッシャー:uchibacoya
キャンペーン期間:1月22日~
参考リンク集:

概要

六角形に整えられた美しい港、オスティア・ポルトゥスを舞台に、大船団のオーナーとして事業の拡大を目指す作品。
BGGにはプレイ時間80~150分と記載されていますが、Kickstarterの表記は100~120分でした。
ちなみに先日、TableTopSimulatorにて4人戦をしましたが、インスト抜くと大体120分ぐらいのプレイ時間だったかと思います。
デザイナーは戸塚中央氏です。
一昨年末にKickstarterでプロジェクトを実施していた、理想の水族館を作る『Aqua Garden』や、香水の原材料を集め、素敵な香水を作る『パフューマリー』などを製作したデザイナーです。

https://boardgamegeek.com/boardgame/322421/aqua-garden
https://boardgamegeek.com/boardgame/322815/perfumery

また、2022年にKickstarterでプロジェクトが実施予定の作品で、NieRシリーズなど多くのデジタルゲームでイラストを担当している幸田和磨氏がアートワークを担当する期待の新作『ATLASLOST: RISE OF NEW SOVEREIGNS』も戸塚中央氏の作品です。

https://tactical-games.net/product/atlaslost-rons/

アートワークはボクセルアーティストのウラベロシナンテ氏。
uchibacoya作品のボックスアートを担当しており、太古の昔を舞台に異なる部族のリーダーとして部族を導く『Age Of Hunting Deluxe Edition』や、ブレーメンの音楽隊をモチーフに『ザ・トリテ』の新版『Bremen』など、多くの作品に携わっています。

https://boardgamegeek.com/boardgame/315913/age-hunting-deluxe-edition
https://boardgamegeek.com/boardgame/322448/torite

個人的には地下鉄の線路を繋げて、多くの路線が接続するハブ駅を作って高得点を狙う『Rise of the Metro』もオススメだったりします。

https://boardgamegeek.com/boardgame/323873/rise-metro

パブリッシャーはDuckも大ファンのuchibacoyaです。

https://boardgamegeek.com/boardgamepublisher/44250/uchibacoya

先程からご紹介している『Aqua Garden』や『Bremen』の他にも多くの作品を発行しています。
例えば、同じく戸塚中央氏がデザインし、『Aqua Garden』の拡張としても使える白熊とペンギンの変則チェス『The Arctic』や、『Amalfi』のTakeWatch氏の新作、1876年の札幌農学校を舞台に地方藩士として、開墾と人材育成をしながら氏族の繁栄を目指す作品『Sapporo1876』にも期待したいところです。

https://boardgamegeek.com/boardgame/311829/arctic
https://boardgamegeek.com/boardgame/298130/amalfi
https://twitter.com/uchibacoya/status/1485222031662542852?s=20

ちなみにKickstarter経由で発行された作品は『Aqua Garden』だけですが、7月完成予定が6月上旬に配送が開始され、私の手元に到着したのは8月中下旬でした。

初めてのプロジェクトでしたが、しっかりとプロジェクトの管理ができているあたり、流石としか言いようがありませんね。

ルール紹介

ゲーム中、各プレイヤーは大きく分けて3つのフェイズを繰り返しながら、
5つある終了条件の内、1つでも満たすと終わりとなります。
では、各フェイズを簡単にまとめてみましょう。

①選択フェイズ

選択フェイズでは個人ボードにある6区画から1つを選択します。
但し、船駒が置かれていない区画は選択できません。

②生産フェイズ

選択した区画にある船駒を数え、個数に応じて資源を獲得していきます。
このとき、獲得できるのは右上のエリアから順に許可証、木材、麦、石材、金貨の5種類となります。
お気付きの方もいるかもしれませんが、左上のエリアからは何も生産はされませんので、ご注意ください。

③アクションフェイズ

選択した区画にある船駒を全て手に取り、左隣から時計回りに1個ずつ置いていきます。
最後に置いた区画のアクションが実行できます。
アクションは全部で6種類(移動、造船、注文、建築、交易、監督)あり、どうやったら自身の思い通りに進められるかを常に考え続けなくてはいけない仕様となっています。
アクションの詳細は省きますが、簡単にまとめると以下の通りです。

移動:
メインボード上の船駒をコスト(許可証)を払って進める。

造船:
個人ボードから船駒をコスト(木材)を払って獲得する。

注文:
任意の注文カードを選び、コスト(麦)を払って報酬を獲得する。

建築:
個人ボードから建築ディスクをコスト(石材)を払って獲得し、メインボードの交易港タイル上に置いて報酬や交易の拠点などとする。

交易:
建築ディスクの置かれた交易港タイルからコスト(金貨)を払って資源を得る。

監督:
まず、移動、造船、注文、建築から好きなアクションを1つ実行します。
このとき、必要なコストは通常ルールの通り、必要となります。
次に監督エリアにある船駒をアクションフェイズ同様に全て取り、左隣から時計回りに置いていきます。
最後に船駒を置いた区画のアクションを追加で実行できる訳です。

ゲームの終了条件は褒章トラックを上げ切るや、アンフォラ駒を取り切るなど様々。
最終得点計算は褒章トラックをどこまで上げたかによって、基礎となる点数が決まってきます。
すうです、『Scythe』の得点計算にとても似てますね。

https://boardgamegeek.com/boardgame/169786/scythe

この他にも各交易港タイルや終着地タイル、アイコンのセットコレクションなどいくつかの得点要素が絡まっています。

以上、簡単ではあるけど、ルールの概要を説明させてもらいました。
ここでは省いた説明も多くあるため、詳しいルールは参考リンク集に記載した【テストプレイフィードバックページ】の一番下にルールブックのリンクがあるので、そちらからダウンロードすると良いと思います。
また、プレイの補助ツールとして私もサマリーを作成しました。
もしも、必要であれば下記リンクよりダウンロードしても良いかと思います。

『Ostia』を遊んでみた!

運良くフォロワーさんとタイミングが合い、TableTopSimulatorにて2回程テストプレイをしました!
初回はプロジェクト開始直前の4人戦です。

https://twitter.com/SimotsukiNegi/status/1484169594281795585?s=20

序盤は本当にどこから手を付けたら良いか分からず、兎に角、生産とアクションが上手くかみ合うように気を付けながら、進めていました。
とは言ったものの、割と早い段階でアクションの無駄打ちが発生し、頭を抱えていました。
中盤にまで差し掛かると、少しずつでしたがコツが掴めだし、監督アクションも上手く活用できる場面が増えたように思います。
ただ、終盤まで来ると前半の失敗が相当効いて、ゲーム終了時の点数はぶっちぎりのビリでした。

https://twitter.com/SimotsukiNegi/status/1484207128936349696?s=20

今回、実は初めてシステムにマンカラが含まれるゲームを遊びました。
生産は自由にできても、アクションはマンカラに依存するところが非常に悩ましく、唸りながらも相当楽しめたように思います。
プレイ時間は4人でも2時間と想像していたよりも短く、中盤から終盤に掛けてゲームが収束していく雰囲気が最高でした。
あと、これは言うまでもありませんが、駒可愛過ぎません?
TableTopSimulator上でしか見れていませんが、全てのデザインが異なる建物駒を見ると、uchibacoyaの強いこだわりがとても素敵です。
ただ、個人ボードを睨みつけながら悩む時間が長く、他プレイヤーとの絡みも終着地タイルの早取り要素だけだったため、初回プレイはソロ感が強いように感じました。
ですが、そこは流石のuchibacoya、早速テストプレイのフィードバックに寄せられた意見を元にルールの改修を行なわれ、他プレイヤーとのインタラクション部分にもマイルストーンカードの追加など、手が加わっていました。

次に遊んだのは、ルール改定後に3人戦でプレイしました。

初回プレイとは異なり、どうすれば効率よく動けるかが何となく分かっていたので、初回よりかはスムーズに進めたように思います。
プレイ人数が初回とは異なったため、ゲームバランスについても意識しながら遊びましたが、特に有利不利は感じませんでしたね。
また、前回感じていたソロ感はマイルストーンによって解消され、適度なインタラクションが心地良い仕上がりになっていました。
いや、これはなかなか痺れる、相当面白いゲームですよ!
また、少しだけルールに改定があったようなので、また遊んでみようと思います。

その他

選択できるプレッジは通常版、拡張同梱版、豪華版の3種類。
拡張の詳細は不明ですが、アップデートを見ると商人拡張と呼ばれる拡張で、追加のタイルやマイルストーンなど、ゲームのリプレイ性を高める拡張ではないかと予想されます。
豪華版にはアップグレードパックが同梱されており、その中には通常版に含まれる全てのタイルが木製へと差し替えるもののようです。
豪華版のプレッジ金額は流石に11000円オーバーという高額なボードゲームですが、内容物を見るに仕方ないとしか言いえませんね。
ゲームに何らかの影響が出る訳ではないので、木製タイルに興味がなければ拡張同梱版だけでも良いようにも思います。
とは言いながら、私は迷わず豪華版を支援した訳なんですけどね。
まだ、プロジェクトとしては始まったばかりなので、今後の展開を楽しみながら応援したいと思います。

【Jiangnan: Life of Gentry】

プレイ人数:1~4
プレイ時間:60~90
メカニズム:Area Majority, Contracts, Deck Building, End Game Bonuses, Hand Management, Modular Board, Scenario, Solo, Stock Holding, Tech Trees, Variable Player Powers, Worker Placement 
BGG Weight:不明
デザイナー:DuGuWei
アーティスト:Chiyami
パブリッシャー:Moaideas Game Design
キャンペーン期間:1月26日~
参考リンク集:

概要

明王朝時代の江南を舞台に、文人墨客の1人として最高の作品を作り上げることを目標とした作品。
プレイ時間は60~90分と中量級の作品です。
デザイナーはDuGuWei氏です。
彼の代表作としては古代中国、道教の僧侶の教えを広めるために中国全土を旅し、各都市に寺院を立てることで布教活動の成功を目指す『Yin Yang』や、中国の山東省にある泰山を2年間に渡って統治する皇子の1人として、皇帝からの称賛を得るために奔走する『Mount Tai』があります。

https://boardgamegeek.com/boardgame/280575/yin-yang
https://boardgamegeek.com/boardgame/303120/mount-tai

アートワークはChiyami氏。
BGG上では情報はないため、他にどのような作品に関わっているか不明です。
しかし、非常に美しい背景を描かれる方なのは言うまでもありませんが、それに加えてキャラクターもアニメの登場人物のような可愛らしさがあって、私的にはとても好みです。

パブリッシャーはゲームマーケットではお馴染みのMoaideas Game Design。

https://boardgamegeek.com/boardgamepublisher/23245/moaideas-game-design

1月上旬に投稿した【SN DUCK BOARD GAME AWARD 2021】でも紹介いたしましたが、1時間で上手くまとめられた鉄道と株のゲーム『Mini Express』や、シヴィライゼーション×オークションといった珍しい組み合わせの文明発展ゲーム『The Flow of History』が代表作です。

https://boardgamegeek.com/image/5333823/mini-express
https://boardgamegeek.com/boardgame/204574/flow-history

パブリッシャーとしては過去に3回、Kickstarterでプロジェクトを実施しています。
直近のプロジェクトですと、2021年8月に到着予定となっている鉄道ゲームで使えるメタルコイン【Rail Coins, Hexagonal Metal Coin Upgrade for Board Games】がありますが、1月13日に投稿された最新のアップデートによると輸送費の高騰、生産上のトラブル(必要個数が生産できていなかった等)があり、発送には至っていないようです。
そもそもボードゲームとは生産スケジューリングが異なるでしょうし、数々の不幸が重なった結果ではあるかと思いますが、予定通りプロジェクトを完遂する力はまだないかもしれませんね。

ルール紹介

ゲームは行動フェイズと管理フェイズを6ラウンド繰り返し、最も勝利点を得たプレイヤーが勝利します。
行動フェイズではアクションタイルを選択し、それに応じたボーナスの獲得とアクションの実行ができます。

実行できるアクションは以下の6種類です。

社交界
他の優秀な文人墨客から新しいアイディアが得られます。

茶室
自身の作品を発表したり、他の文人墨客の作品を鑑賞し、インスピレーションを得たりできます。

軽食堂
異なる分野の才人(音楽や学問など)と出会い、新たなインスピレーションを得られます。

酒場
茶室同様、自身の作品を発表したり、他の文人墨客の作品を鑑賞し、インスピレーションを得ることができます。


首都周辺を訪れ、自然の風景から新たなインスピレーションを得られます。

テンプルフェア
フェアの通して庶民の生活を観察し、その経験を作品に取り入れることができます。

タイルの選択とアクションの実行、これらの行動を全員が3回行うと次のフェイズへと進みます。

管理フェイズでは収入やターン順の調整など、次のラウンドに向けての準備だけでなく、プレイヤーの1人が新たな流行(勝利点となる要素)を決めることができるようです。

その他

選択できるプレッジは通常版、デラックス版、デラックス+α版の3種類。
デラックス版にはキャラクタースタンドや木製トークンなどの豪華コンポーネントに加え、5人プレイ用の追加ボードも同梱されているようです。
個人的にプレイ人数の拡張ができるのは激熱ですね。
デラックス+α版には木製インサートとプレイマットが同梱されるとのこと。
こちらは必要に応じてって感じですかね。
+αはアドオンでも個別に追加可能なため、どちらか片方のみ必要な場合はこちらを選択する方が良いかと思われます。
送料は選択したプレッジによって$21~$27と少し幅はありますが、許容範囲内といったところでしょうか。
プロジェクトの期間も長いので、じわじわと支援者を増得ていくように思います。
どこまでストレッチゴールが解放されるのかも楽しみな作品ですね。

【Ceres】

プレイ人数:1~4
プレイ時間:90~120
メカニズム:Worker Placement
BGG Weight:不明
デザイナー:Gustaf Sundström
アーティスト:Tan Ho Sim
パブリッシャー:Artipia Games
キャンペーン期間:1月中
参考リンク集:

概要

2219年の宇宙を舞台に小惑星採掘企業の一員となって、採掘や新技術の開発を行いながら火星での権威を高めることを目的とした作品。
プレイ時間は90~120分の重量級。
デザイナーはGustaf Sundström氏。
BGGで過去作品を調べたところ、本作が処女作のようで、どんなゲームを作る方なのか未知数です。
アートワークはTan Ho Sim氏。
ジュラシックパーク的なリゾートを建設し、多くの来場者獲得を目指す『Dinogenics』や、様々な異星人が登場する2時間以内で終わる4Xゲーム『The Silver River』などに関わってきたようです。

https://boardgamegeek.com/boardgame/210296/dinogenics
https://boardgamegeek.com/boardgame/249275/silver-river

パブリッシャーはArtipia Games。

https://boardgamegeek.com/boardgamepublisher/16755/artipia-games

最近ですと大きな地図上で発生した事件の謎を解く『MicroMacro: Crime City』や、戦争で荒廃した銀河系を舞台に、和平の証として他種族間共同で建設計画が進む宇宙ステーションへの貢献度を競う『Among the Stars』などがあります。

https://boardgamegeek.com/boardgame/318977/micromacro-crime-city
https://boardgamegeek.com/boardgame/110277/among-stars

ちなみにKickstarterでは18ものプロジェクトを成功に導いているパブリッシャーで、直近のプロジェクトでは2020年12月に『The Pursuit of Happiness - Big Box』を成功させている。

https://boardgamegeek.com/boardgame/325293/pursuit-happiness-big-box

こちらは2021年12月に完成予定となっていましたが、全正解的な輸送費の高騰により2022年4月~5月頃に発送開始予定とのことです。

ルール紹介

現状、本作に関する情報はほとんどないため、BGGで集められる範囲内での紹介となります。
まず、本作は3ラウンドで構成されたワーカープレイスメント作品です。
3ラウンドの間に、採掘の準備や原材料の取引、中核施設の建設とアップグレードなど様々なアクションを選択しながら、序盤は基盤固めに力を入れていくようです。

その他

プレッジについてはコンポーネントがはっきりしないため、正直なところ全く見当がつかない。
パッと見た感じの印象としては、高くとも6000円前後ではないかといった印象を受けています。
まだまだ謎の多い作品ですが、プロジェクト開始が楽しみであることには間違はないように感じます。

【まとめ】

今回は3作品を紹介しました。
気になる作品はありましたでしょうか。
いつもより相当気合の入った文章になってしまいました。
『Ostia』は既に支援しているので良いのですが、『Jiangnan: Life of Gentry』は想定以上に面白そうで悩み中です。
前回の記事でも書いた通り、来月の国内流通は激熱案件ばかりなので自重しなきゃいけないんですけどねぇ。
昨年末、ひかふれさんと2021年にKickstarterで支援したプロジェクトを振り返った際に、「来年は今年より支援は抑えていこうと思う」と発言していたのにも関わらず、支援するかどうかの選択を迫られる案件が多過ぎで辛い!!
蔓延防止条例も発動してしまったので、またしばらく対面は難しくなりそうなのにゲームばかりが増えています。
君たち、仲間呼び込み過ぎでは???
まぁ、面白い作品を買い逃して落ち込むよりは良いんじゃないかと自分に言い聞かせながら、今後も新作情報の収集を続けたいと思う、Duckなのでした。


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