SN DUCK BOARD GAME AWARD 2022
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皆さん、良い年末年始をお過ごしになれましたでしょうか?
私は年末年始と妻の実家でお義父さんとお酒を飲みつつ、紅白見たり、ソシャゲガチャ回したりしながらダラダラしておりました。
たまには良いですよね、ダラダラ。
体を休められると言いますか、心のゆとりが戻ってくると言いますか、そんな感じです。
さて、今回は年始恒例の企画、昨年初めて遊んだゲームの中から面白かった作品をピックアップする『SN DUCK BOARD GAME AWARD 2022』です。
ちなみに2022年初めて遊んだゲームは57タイトルで、その中から12本を選びました!
【Bloodstones】
Martin Wallace氏の新作ウォーゲーム。
昨年、Gamefoundで支援者を募った作品でゲーム自体は手元に届いていないものの、Tabletop Simulatorで何度も遊んだ作品です。
ウォーゲームと聞いてしまうと、何となく難しい印象を持つ方も多いかもしれませんが、近年の重量級ゲームと比べると圧倒的にルール量は少なく、とても遊び易い良いに感じました。
また、戦争を題材としているため、殴り合いから得られる勝利点も大きいのですが、同じぐらいエリアマジョリティから得られる得点も大きく、イメージ的には『Scythe』の戦闘と領土の奪い合いにも似ています。
『Scythe』同様、プレイヤーが率いる各派閥も個性が溢れ、リプレイ性も担保されている点も私好み。
遊ぶたびに違った展開になるため、盤面で繰り広げられる物語を後からプレイヤー間で振り返るといった楽しみもあります。
残念ながらクラウドファンディング限定で一般販売予定はなく、手に入れる方法は今後予定されている拡張と一緒に基本セットを支援するしかない点でしょうか。
もし、お近くに支援されている方がいて、マルチ系のゲームが苦手でなければ一度は遊んでもらいたい作品です。
【Shikoku 1889】
1889年の四国を舞台に、鉄道網の拡大と株式取引を題材とした18xx系の作品。
こちらは2004年に発表された作品で、2021年末にリプリント版のプロジェクトがKickstarterで実施されました。
2022年9月に完成予定でしたが、2023年1月多くのトラブルから完成に至っていません。
とはいえ、18xx.gamesで2004年版を遊べるため、ちょくちょくターンベースで遊んでいたりします。
18xx系と言えば、有名な重量級ゲームの1つです。
本作はそんな中でも初心者向けと言われています。
18xx系の中でもルールがシンプルなのも理由ではありますが、何より1プレイ4時間程度で終わるところが評価されているのだと思います。
ちなみに他の18xx系だと6時間以上掛かる作品もあるので、相対的に4時間が短く見えてしまう不思議。
私的にはマップが他と比べて小さめで、使えるタイルにも余裕がないところが魅力だと思っています。
インタラクションが激強なため人は選びますが、18xx系の作品に興味があるのであれば、是非遊んでもらいたい作品ですね。
【Ostia】
uchibacoyaからkickstarter限定で発行され、私にとっては初めてメカニクスにマンカラが含まれている作品です。
本作の魅力はいくつもあるのですが、私的にはkickstarterらしい豪華なコンポーネントと、ゲームとしてのバランスの良さが魅力のように感じています。
コンポーネントについては流石のuchibacoyaブランドといった感じで、溢れんばかりの木駒にシルクスクリーンプリントが施され、Duckさんもニッコリの大満足です。
もう1つの魅力であるところのゲームバランスについて、程良いインタラクション、獲得する資源とアクションをどうやって噛み合うようにするか、頭を捻りに捻って考える過程、絶妙に手番が足りないと感じるプレイ時間など、綺麗にまとまった作品となっています。
『Crusaders: Thy Will Be Done』など、マンカラの名作と呼ばれる作品はいくつかありますが、こちらも遊ばないのは勿体無い名作なので、是非試してみては如何でしょうか?
【Container: 10th Anniversary Jumbo Edition!】
同卓するプレイヤーによってゲームの評価が大きく変わる荒々しくも刺激的な作品。
近年の作品のようにゲームとしてのガードレールがしっかりとは設けられておらず、プレイヤーに委ねられている部分も大きいため、展開によっては微妙に思う方もいるかもしれません。
ですが、売買されるコンテナの相場が変わる瞬間や、後半の競りの熱さといった本作が持つ独特の空気感は是非味わってもらいたいところ。
インタラクションは非常に強いため、万人受けする作品では決してありませんが、コアなマルチマンにはオススメです!
【Tinners' Trail】
Martin Wallace氏が2008年に発表したコンウォール地方の銅とスズの採掘をテーマとした作品のリメイク版。
旧版からバランス調整がされたことで遊び易くなっただけでなく、新たに拡張2種によってアクションの幅が広がり、面白さが更に担保されたように感じます。
どのタイミングで採掘するのか、潮目を見極めるのがとても重要で、思う通りの展開を導きだせたとき、テンションが上がりますね。
ゲームが後半に進むに連れ、鉱石の買取価格が下がっていくのもプレイヤーの焦りを煽る良いルールだと思います。
良作なのに、最近はプレイ報告をあまり聞かないため勿体ないなぁと思う次第です。
【18JP-T】
首都圏を舞台とした18系の作品。
私は首都圏内に在住のため、知っている地名や路線が登場するだけでも楽しめましたし、思い入れ強くなっているように感じています。
また、自分の手で身近な交通網が広がっていく過程は、何とも考え深いものがありますね。
本来なら繋がっていない駅と路線が接続させられるところも、魅力ではないかと思います。
個人的には地下鉄を伸ばして、複雑な交通網を構築するも楽しいですね。
1つ残念なのは、本作の製品版が現在は販売されていない点でしょうか。
BGG上からPnPをダウンロードすれば遊べなくもないのですが、製品版のタイルとメインボードで是非遊びたい、そんな作品です。
【Earth】
2023年にリゴレからも日本語版の発売が確定している作品です。
各プレイヤーが受け持つ島々に植物を植え、それらを育てていくゲームです。
プレイ自体は4つのアクションから1つを選択して、そのアクションと連動する植物の固有能力が発動していくといった流れなのですが、このときに他プレイヤーも対象となるカードを場に出していれば、同様に固有能力を発動できるため、見た目よりも慌しい作品です。
私のイメージ的には植物版『Wingspan』といったところでしょうか。
手元のエンジンをこねくり回す系の作品なので、インタラクションは強くないところに少し物足りなさを感じずにはいられませんが、箱庭系がお好きな方には諸手を挙げてオススメできる作品です。
【Age of Steam: Deluxe Edition】
ずっと遊びたいと騒いでいた念願の本作を2022年に遊ぶことができ、真綿で首を絞められるようなプレイ感に痺れた作品。
基本マップしか遊べていませんが、常に資金がカツカツで脳汁がドバドバ出る感じが堪りませんでした。
インタラクションが強い上に途中脱落もあるため、万人に対してお勧めできる作品ではありませんが、一度は体験してもらいたい作品ではありますね。
今年はいつも遊ぶような地元の友人たちに『Age of Steam』を普及しつつ、基本マップ以外も遊び倒すことを目標にしたいと思います。
【Tiletum】
今年発売された中でも上位に来る面白さではないかと個人的には思っている作品。
アクションに紐づいたダイスを選ぶだけといった一見シンプルなルールのはずなのに、選んだダイスによって得られる資源やアクションポイント数が大きく異なるため、非常に悩ましい。
また、最近のゲームらしく得点が得られる手段が多いのも私的には好み。
やりたいことは沢山あるのに手番が絶妙に足りないと感じる、そんなゲームです。
【Pipeline】
1〜2年前ぐらい前から面白いと噂だけ聞いており、期待値が鰻登りだった作品。
その期待を裏切らないゲームでした。
インタラクションは、基本的にタイルとアクションの先取りだけなので、序盤はあまりインタラクションの強さを感じないのですが、後半に進むに連れて選びたいアクションがプレイヤー間で被るため、思い通りに進められないところが良いね。
あと、パイプタイルをどうやったら無駄なく伸ばしていけるのかを考えるのが楽し過ぎて、ずっと悩んでいたいまであります。
パズル要素の強い作品って苦手だったのですけど、本作のデザイナーであるRyan Courtney氏の作品は結構好みなので、推していきたいですね。
【Cat in the Box: Deluxe Edition】
全てのカードが黒一色な量子系トリックテイキング。
全てのカードが5枚ずつあり、上手くプレイしないと必ずパラドックスを起こしてカードが出せなくなるところが痺れます。
また、自分がプレイしたカードによってマジョリティ争いに似た追加得点が得られる点と個人的には好きなポイントですね。
一昨年から色々な要素を持つトリックテイキングを遊んでいますが、今のところ本作が頭一つ抜けて面白いかなぁ。
ちなみに次点は『敗者の権利』ってところでしょうか。
どちらもオススメですね。
【Voyages】
Kickstarter発、航海を題材としたPnPの紙ペンゲームです。
輸送費高騰の影響からか、一昨年末ぐらいからKickstarter上でもPnPのプロジェクトが徐々に増え出しました。
そんな中、手頃な金額なのもあって軽い気持ちで支援したのですが、想像していた以上に面白く、掘り出し物を見つけたように感じたのを覚えています。
ゲームとしては3個のダイスを移動等に振り分けるだけ。
そのため、他のプレイヤーと同じような動きになってしまうのではないかと心配もしていましたが、ゲームが終了してみるとプレイヤーごとに違った航海が繰り広げられ、面白いと感じました。
まだ、新規ルールを含む追加Mapは遊べていないので、今年こそ遊びたいですね。
【まとめ】
如何だったでしょうか?
どれもDuckオススメの作品ばかりですので、魅力が少しでも伝われば幸いです。
それにしても、昨年は本当に豊作な一年でした。
まだまだ、手元にあるけど遊べていない期待作も多くあるため、今年はそちらを崩しつつ面白そうな作品を探していきたいと思います。
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