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『Speakeasy』ってどんなゲーム?【Crowdfunding気になるプロジェクト】
どうも、Duckです。
今回はVital Lacerda氏の新作『speakeasy』をご紹介したいと思います。
今回はプロジェクト終了前に、そこそこプレイもできたのでレビューも併せてお届けします。
プロジェクト終了まで後少しですが、参考にしていただけますと幸いです。
Speakeasy
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プレイ人数:1〜4人
プレイ時間:40〜160分
メカニズム:Area Majority, Hand Management, Pick-up and Deliver
BGG Weight:3.79
デザイナー:Vital Lacerda
アーティスト: Ian O'Toole
パブリッシャー:Eagle-Gryphon Games
クラウドファンディング:Kickstarter
キャンペーン期間:
参考リンク:10月26日9時迄
概要
1920年代、ラッキー・ルチアーノの影響下にあるマンハッタンを舞台にギャングのボスの1人としてスピークイージー(脱法酒場)を運営しつつ、密造酒の製造や販売、密輸船の襲撃、ナイトクラブの建設など地域への影響力を強め、最終的に最も資金を稼いだプレイヤーが勝利する作品。
プレイ時間は40〜160分の重量級ゲーム。
BGG Weightは3.79とVital Lacerda氏の作品の中ではそこまで複雑ではないといった評価をのようです。
ちなみに彼の作品の中で同程度の複雑とされているのが、窃盗団の1人として街中を逃げ回りながら資金をかき集め、街からの脱出を目指す『Escape Plan』と、企業同士で協力しながら環境汚染を食い止めることを目的とした『CO2』の2作品です。
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それぞれBGG Weight3.67と3.87なので今のところ、近い難易度のゲームと言えそうです。
デザイナーはVital Lacerda氏。
BGG Weight 4.0以上のゲームを大量生産するEagle-Gryphon Gamesの人気デザイナーですが、2021年より過去作で使ったシステムの一部にスポットを当てた作品も他デザイナーと共同で手掛けています。
例えば、2021年に発行された『Mercado de Lisboa』は根強い人気の『Lisboa』のシステムを流用された作品です。
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ちなみに『Mercado de Lisboa』のもう一人のデザイナーであるJulián Pombo氏は風力発電をテーマとした『Pampero』を手掛けた方です。
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パブリッシャーはEagle-Gryphon Gamesです。
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私のイメージ的には重量級ゲームばかりを手掛けるパブリッシャーのイメージが強いですが、前述した『Mercado de Lisboa』や、同じくVital Lacerda氏の作品が元となった『Bot Factory』や『House of Fado』など、軽中量級の作品も手掛けています。
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Kickstarterで実施したプロジェクトの進行管理について、同じぐらいの規模ですと『Inventions: Evolution of Ideas』になる訳ですが、こちらは2024年2月に発送が開始されており、当初の予定通り進行していたようです。
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コロナ前までは半年ぐらい遅れることも多かったように記憶しておりますが、大分改善されたようで支援者としては一安心といったところでしょうか。
ルール説明
ここからはルールについて、簡単に説明していきたいと思います。
あくまでも概要なので、詳細はKickstarterプロジェクトページ内に公開されている日本語版ルールブックをご確認ください。
個人ボードの見方
ルールの説明の前にプレイヤーの個人ボードについて、説明します。
個人ボードには4つの指令レベルと、攻撃力を示すトラックがあります。
左から構成員を個人ボード上に待機させられるVipルーム、各施設に運び込まれた密造酒を販売できる個数がを示すパーティ、密輸船への襲撃やNPCからの襲撃に対する防衛などに必要不可欠な攻撃力、生産できる密造酒の本数を示す蒸留所、密造酒を各建造物に運び込む輸送となっています。
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これらの指令レベルを上げるには、ボード上にある任意の指令レベル(攻撃力含む)上昇の効果を持つアイコンのあるアクションを実行することで上がります。
![](https://assets.st-note.com/img/1729442395-1z0XdZH28ibUsuORvVwryPx9.png)
もしくは4種類ある指令カードの付随効果によって上昇させることもできます。
![](https://assets.st-note.com/img/1729442767-Ezl1Iy8FgAsHn7o3U4jGkfW6.png?width=1200)
これらのレベルを上昇させることによって密造酒の販売本数や輸送距離等が伸び、より強力なアクションとして実行可能となります。
指令カードにも複数の効果が記載されていますが、カードごとに必ず
どれも強力なものばかりです。
できる限り積極的なプレイをおすすめします。
ラウンド構成と勝敗
密造酒の製造や販売、密輸船の出撃などを通して最も資金を獲得したプレイヤーが勝者となります。
ゲームは準備ラウンドと最終得点計算ラウンド各1回、プレイヤーがアクションを実行できるプレイヤーラウンドが11回の全13ラウンドで構成されています。
ラウンドは4アクトで区切られており、1~3アクト終了時に中間決算と敵対派閥(NPC)からの襲撃、警官のパトロールが発生します。
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各アクトに行えるアクション数はアクトによって異なり、
第1アクト 4ラウンド
第2・3アクト 3ラウンド
第4アクト 1ラウンド
といったようにゲームが進むにつれて、行えるラウンド数も減っていきます。
最終得点計算はゲーム終了時、手元に残った資金を合算した上で、ゲーム中にプレイした援助カードに描かれたポーカーチップの金額、メインボード上に建設された営業中の建物(隣に構成員が置かれた建物)から得られる資金の合計となります。
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ちなみに資金には現金(公開情報)と金庫(非公開)の2種類があります。
どちらからでも支出は可能ですが、金庫の中にある資金はマネーロンダリングが必要な不正なお金なので、そこから支出する場合は手数料として支払う金額の2倍が請求されてしまうため、どれだけ現金を計画的に集められるかは大切となります。
プレイヤーラウンド
前述の通り、プレイヤーがアクションを実行できるラウンドです。
このラウンドでは以下の8つのエリアから1つを選び、アクションを行います。
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このとき、もしも手元に援助カードを持っていれば、手番を始める前にプレイすることもできます。
各エリアには更に2~3ヶ所の選択肢があり、既にプレイヤーワーカー(カポコマ)が置かれていないエリア(一部除く)に置いてアクションを実行します。
各エリアは上段と下段のアクションの組み合わせで構成されています。
例えば、以下のエリアであれば、中央で仕切られた左右で上段アクションは異なります。
![](https://assets.st-note.com/img/1729314622-LPDEAlOuoThz0bB4Qx1qrc7H.png)
そのため、左に置けば左のアクションしかできず、右に置けば右のアクションしかできません。
一方、下段アクションは左右ともに共通の内容となります。
エリアのアクションを処理し終えたら、手番終了前に任意の指令カードを1枚獲得できます。
指令カードがないと何もできない場面も往々にしてあるので、忘れずに獲得しましょうね。
ここからは各エリアのアクションについて、解説していきたいと思います。
請負業者
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請負業者の上段は左から帳簿トークンを得る、任意の指令レベル(攻撃力含む)を上げる、援助カードを得るの3つから1つを選んで実行できます。
下段は蒸留所、またはスピークイージーを最大2軒までコストを支払ってメインボードに建設するアクションです。
建物を建てる際、既にNPCの建物がある場合とない場合で処理が異なります。
まず、既にNPCの建物(赤駒)がある場合、この建物を排除しなければ新しい建物を建てることはできません。
NPCの建物を排除するためには左上にある数字以上の武力を持って戦闘を仕掛ける必要があります。
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この結果、左上の数字を上回る火力を出せればNPCの建物を排除した上で、右隣にある都市トークンを獲得できます。
ちなみに他プレイヤーが支配している建物を同様の方法で除外することはできませんので、マルチ好きの方は諦めてください。
一方、対象の地域に建物が建設されていない場合、コストさえ支払えば建物を建設することができます。
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都市計画事業所
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都市計画事業所の上段アクションはコストを支払ってナイトクラブ、またはカジノを新たに建設(NPCの建物襲撃含む)、もしくは既にある自分のスピークイージーと置き換えることが2回できます。
置き換えるとき、スピークイージーと蒸留所の開放状況によって支払うコストを抑えることができます。
例えば、以下の例であれば支払うべきコストを-$5できる訳です。
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下段アクションは左から任意の指令カードを引く、任意の指令レベル(攻撃力含む)を上げる、もしくはパーティの指令カードを使うの中から1つを選び、実行できます。
パーティの指令カードには必ず、密造酒の販売アクションが含まれています。
このアクションを行うことで自身の建物に卸された密造酒を販売して利益を得られる訳ですね。
市役所
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市役所の上段アクションは構成員コマを自身の個人ボードにあるスペースにVipルームにレベルの上限に応じて1人追加するか、船着場スペースに配置ができます。
Vipスペースに置いた構成員コマは下段アクションにある構成員の派遣で、メインボード上にある自身の建物コマの横に置くことができます。
構成員が派遣された建物は、今後影響の妨げになる警察官コマがその地域に配置されたとしても、密造酒の販売ができるようになります。
また、ゲーム終了時に得点計算の対象とできる建物は構成員コマが置かれたもののみとなっていますので、そういう意味でもVipルームに構成員コマを置くことは重要と言えます。
一方、船着場に送られた構成員コマは後述する密輸船の襲撃に必要となるため、こちらも数人は送り込みたいところですね。
また、このとき任意の金額を支払ってならず者を雇うことができます。
ならず者は個人ボードに空きがあれば最大6人まで雇用でき、NPCの建物や密輸船への襲撃など、攻撃力を参照する際に使い切りの補正値として活用ができます。
本作も妖怪1足りないが多発するゲームですので、備えとして何人か雇っておくと安心かもしれません。
下段アクションの左は影響力トークンを1枚手に入れた上でVipの指令カードを1枚使用するものです。
Vipの指令カードには先述した構成員の派遣アクションが必ず含まれています。
一方、下段アクションの右側は構成員の派遣アクションのみとなっており、左の下位互換といった位置付けです。
運送業者
![](https://assets.st-note.com/img/1729612300-ytQUXD65ecw2nuJLPCqHEOjS.png)
運送業者の上段アクションは任意の指令レベル(攻撃力含む)を上昇させることができます。
下段アクションは左右で異なっており、左側は輸送の指令カードを使った上で、輸送距離が2エリア分伸びるといったものです。
輸送の指令カードには、蒸留所コマから密造酒をトラックで輸送するアクションが必ず含まれています。
輸送する際、基本は蒸留所で生産した密造酒を運ぶのですが、密輸船から買い付けることもできます。
ただし、大分割高なので買い付ける際には注意が必要です。
一方、右側は輸送アクションのみ実行が可能です。
これは市役所の下段アクション同様、下位互換となりますので、もしも密造酒の輸送計画があるのであれば早めに抑えておきたいところですね。
コミッション
![](https://assets.st-note.com/img/1729612354-AUuR5mdLVNXChI6wHBlkStYs.png)
コミッションの上段アクションは左から援助カードの獲得、任意の指令レベル(攻撃力含む)を上げる、構成員をVipルームに加えるか、船着場に送ることができます。
下段アクションはならず者の雇用と、ギャングとの提携です。
ギャングと提携すると攻撃力を参照する場面において、資金さえ払えば臨時の助っ人として武力の貸し出しをしてくれます。
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あと、各ギャングにはそれぞれ強力な能力が備わっていますので、有効活用してください。
ちなみにギャングとの提携をする上での注意点として、臨時の密輸船の襲撃には協力してくれません。
ここは勘違いし易いルールですので、忘れないようにしましょう。
船着き場
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船着き場の上段アクションは左側が蒸留所の指令カードを1枚使った上で、無料でならず者を1体手に入れることができます。
蒸留所の指令カードには必ず密造酒を生産を行えるアクションが含まれています。
一方右側は蒸留所の指令カードを1枚使えるだけの左側の下位互換アクションとなります。
下段アクションは密輸船の襲撃となります。
密輸船の襲撃を行う上で大事な要素が2つあります。
1つ目は船着場いる構成員の人数です。
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船着場は3つのエリアに分かれており、これはメインボードのエリアに対応しています。
例えば、メインボードの右側のエリアに密輸船が停泊していれば、一番左側の船着場にいる構成員を参照します。
このとき、最初に自身の構成員がいるかを確認します。
万が一、該当する船着場に自身の構成員がいなければ襲撃は行えません。
次に他プレイヤーの構成員がいるかも確認しましょう。
もしも、他プレイヤー構成員がいれば、1人あたり$1を支払い、一時的に雇って襲撃の手助けをしてもらえます。
もう1つの要素は襲う密輸船と、その船の防御力です。
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密輸船は通常、メインボード上の船着場に配置されます。
先述の通り、自身の構成員がいる船着場と対応するエリアに密輸船があれば襲撃が可能です。
襲撃する密輸船を選んだら、その船のイラストが描かれたトラックを確認し、今示されている数字の中で左端にある値が襲撃を仕掛ける船の防御力となります。
戦闘を仕掛けるプレイヤーはこの値を上回れば襲撃が成功となります。
密輸船を襲撃する際のプレイヤーの攻撃力は【プレイヤーの攻撃力×構成員の人数(他プレイヤーから雇った構成員含む)+ならず者の人数(使用は任意)】です。
このとき、提携を結んでいるギャングの力は借りられないのでご注意ください。
密輸船の襲撃に成功したら、船から密造酒を1樽自身のが所有する任意の建物に納品します。
また、木箱タイルの条件に応じて現金が手に入るだけでなく、継続ボーナスも付与されるようです。
レストラン
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レストランは唯一配置できる人数に制限のないエリアです。
その代わり、このエリアのアクションを実行するには指令カードを1枚捨てなければなりません。
その後、任意の手番順に変更が可能です。
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このとき、手番順を3st、もしくは4stを選んだときだけ更に追加で指令カードを1枚捨てなければならないので、ご注意ください。
下段アクションは以下の3つから異なる2つのアクションを実行できます。
・任意の指令カードを1枚プレイする
・都市タイル2枚まで使う
・帳簿を3冊まで使って目標を達成する
都市タイルとはメインボード上に建物を建てたり、アクションの効果から手に入る丸いタイルを指しています。
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このタイルは個人ボード上に保管しておけるスペースが4ヶ所用意されています。
都市タイルは非常に強力で、上手に使えれば手番を効率的に圧縮することだって可能と言えます。
続いて、帳簿の使用についてです。
帳簿とはメインボード上に示されている目標達成に必要不可欠なものです。
帳簿を1個消費した上で条件さえ満たしていれば、ボーナスとして金庫に資金が入ってきます。
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また、一部のボーナスには金庫への資金に加えて任意の指令レベルの上昇(攻撃力含む)等の効果も得られます。
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公園
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公園を選択した場合、ここに配置した自身のワーカーと既に埋まっているアクションスペースにいるワーカーを入れ替え、交換先のアクションを実行することができます。
このとき、交換させられたプレイヤーは下段の3種類の資源(影響力、都市タイル、帳簿)から1つを得ることができます。
ただし、自身が置いたワーカーとは交換できません。
アクトの終了と中間決算(ラッキールチアーノフェイズ)
1〜3までの各アクト終了後、NPCからの襲撃、警察官のいない地域への配置、中間決算が発生します。
まず、NPCによる襲撃について。
各アクトがスタートする前、一部地域にはギャング出現タイルが配置されるのですが、配置されたエリアでNPCによる襲撃が発生します。
その地域にプレイヤーの建物がなければ、NPCの建物(赤色)が建設されるだけなのですが、もしも対象となる地域にプレイヤーの建物があれば、その建物に対して襲撃が発生します。
襲撃は、そこに示された基礎攻撃力に加え、その地域に拠点を置くギャングの補正値が足された値です。
襲撃を受けているプレイヤーは、その値よりも高い攻撃力で迎え撃たなければなりません。
プレイヤーの攻撃力は個人ボードの攻撃力に加え、消費可能なならず者の人数、及び、提携関係のあるギャングによる加勢のみです。
もしも、攻撃力が足りず、撃退が叶わなかった場合、既に建設した建物は破壊され、代わりにNPCの建物(赤色)に建て変わってしまいます。
序盤なら第1アクトであれば、ギリギリ提携ギャングからの支援なしでも撃退可能ですが、それ以降は大分しんどい印象です。
指定された全エリアの襲撃が終わりましたら、警察官出現タイルの指示に従い、各地に警察官が現れます。
警察官がいるエリアにあるプレイヤーの建物は構成員が警護に当たっていなければ営業できなくなってしまいます。
そうすると、この後にある中間決算でマジョリティ計算の対象から外れてしまうだけでなく、構成員が配置されるまでの間は密造酒の販売もできなくなってしまいます。
ですので、手番的には厳しいかもしれませんが、構成員の派遣も積極的に行うことをオススメします。
最後は中間決算です。
中間決算ではメインボードの各エリアのマジョリティを計算し、その結果に応じて金庫に資金を獲得できます。
ここで得られる資金は大分大きいので、細かく資金を稼げるように動くのが勝利への近道な気がします。
以上ルール説明でした。
文章にしてみると大分長いですね。
他のラセルダ作品よりは分かりやすい方だとは思いますが
その他
選択できるプッレッジは複数ありますが、実際のところはKickstarter Edition $124のみ。
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私が初めて支援したVital Lacerda氏の作品は『On Mars』だったのですが、そのときは$99だったことを考えると相当割高です。
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原材料費の高騰なども影響しているかとは思いますが、支援者的にはあまり嬉しくはないですね。
一方アドオンは複数用意されており、お馴染みのVital Lacerda氏サイン入りステッカーや木製の資金トークン、過去に発売された作品など様々。
既に売り切れているものも多数ありますが、今作に関連する商品の在庫はあるようなので、気になるものがあれば注文してみては如何でしょうか。
ストレッチゴールは支援者数に応じて達成されるもののみ。
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どちらも既に達成済みで、私的にインサートのカスタムトレイ化は地味に嬉しいですね。
送料は$39と例によってお高めです。
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$20とまでは言いませんが、$30ピッタシぐらいにならないかなぁと思っちゃいますね。
レビュー
最後に本作のレビューをしたいと思います。
ちなみに本日までで3人戦3回、4人戦1回プレイした上でのレビューとなります。
過去作に比べると取っ付きやすいルール
今回、初プレイはフォロワーさんにインストいただいたのですが、そのときは覚えることが多く、例によってアクション同士が相互に絡み合った複雑なゲームのように思っていました。
ですが、ゲームを始めてみると手番にできるアクションはエリアを選択するだけで上段下段のアクションを組み合わせるだけなので、そこまで難しくありませんでした。
また、本作もVital Lacerda氏の作品お馴染みと言っても過言ではない、それぞれのアクションが密接に絡み合っており、どのアクションから実行すれば良いか頭を悩ませるようにデザインされていますが、テーマ的に想像し易いこともあってか他の作品より直感的にどのアクションを実行すればどうなるのか、次に何をしなければならないのかが分かり易いと感じました。
また、手番数が固定なため、ゲームを進める上での計画が立てやすいのも見通しが良いと感じてしまう要因かもしれません。
あと、ラウンドが進むにつれて各アクトで行えるアクション数が徐々に減っていくところも収束性が高まった要因だと考えており、私的にはGoodなポイントでした。
3人戦と4人戦でガラリと変わる印象
本作はプレイ人数に応じて、プレイ感が変わるのも魅力だと思います。
例えば3人戦の場合、他プレイヤーの動きによって生まれる制限は多くなく、ある程度プレイヤーの思い通りの戦略をとることができます。
これは公園エリアが持つ他プレイヤーとのエリアの入れ替え効果と、中間決算にNPCが加わったことによって特定のプレイヤーがぶっちぎりでマジョリティ点を独占できないよう工夫されているからだと思っています。
そのため、最適解を突き詰めていく面白さがあるように感じています。
一方で4人戦の場合、中間決算におけるマジョリティ争いにNPCが入り込む余地はありません。
何故なら4人のプレイヤーがマジョリティ争いのためにメインボード上の土地を奪い合うため、土地に余裕がないからです。
私的にはインタラクションを感じる割合が高まるため、4人戦の方が好みだったりします。
なお、2人戦はまだプレイしたことがないため、近い内に一度プレイした上で3人戦、4人戦との違いについて考えてみたいと思います。
インタラクションがあるのにないように感じる不思議な作り
本作はワーカーの配置エリアの先取りとエリアマジョリティの要素がある作品です。
これだけ聞くとインタラクションが強く、プレイヤーによってはギスギスしてしまうのではないかと心配される方もいるかもしれません。
でも、ご安心ください。
本作に於いて、インタラクションは確実に存在するものの、プレイヤー人数によってはインタラクションを感じ難いように工夫されていると私は感じています。
例えば、前述したように公園エリアの効果によって、既に他プレイヤーによって占有されているアクションであってもどうしても行いたければ実行可能です。
また、3人戦に限った話(2人戦は遊んでいないので)ではありますが、マジョリティ争いについても、エリア内で競い合う相手が他プレイヤーよりもNPCであることが多く、中間決算においても他プレイヤーよりもNPCのマジョリティにどうやって勝つかを考えるため、インタラクションがある作品のはずなのに感じ難い作りとなっている感じています。
カード運はある
本作は過去のVital Lacerda氏の作品と比べると、カード運によって左右される部分が多いように感じています。
例えば、『On Mars』であれば個人目標カードや計画書カードなど、多少手番順によって獲得できるできないはありますが、他にも得点を得る要素は豊富にあるため、そこまで気にならないとは思います。
一方、本作の指令カードは指令レベルを上げる数少ない要素の1つであるものの、カードによっては指令レベルの上昇が含まれないものもあります。
私としては気になりませんし、そもそも引ける指令カードの情報は各色1枚ずつ公開されていますので、コントロールできる範囲内ではありますが、場に出ているカードによって戦略を変更しなければならないゲームを好まない層には刺さり難いかもしれませんね。
新規性は乏しい
本作はシステム面で見ると新規性には乏しいとは思います。
まぁ、「新規性のある作品って何?」と聞かれてしまうと窮するところではありますが、少なくとも始めてプレイしたときに「こんなゲーム遊んだことない!」みたいな衝撃はなく、順当に面白く手堅いゲームであるように感じています。
総評
以上、色々と書きましたが、私としては過去に遊んだVital Lacerda氏の作品の中でも群を抜いた遊び易さ、プレイ人数によって変わる印象なども含めて、彼が手掛けた作品の中でも上位に食い込む面白さであることは間違いないと感じています。
まぁ、マジョリティ争いの要素によってプラス加点なのは間違いありませんが、とても良いゲームなのでVital Lacerda氏の作品を未履修の方には是非遊んでもらいたいですね。
まとめ
以上、長々と書いてしまいましたが、参考となりましたでしょうか?
私としては前述の通り、お値段以外はお勧めできるゲームですのでご興味あれば支援してみても良いかと思います。
ちなみに25日の朝の段階で日本から本プロジェクトを支援している方は400人以上おり、正直関東圏であれば誰かしら持ってるやろ感は否めないのも事実です。
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また、仮にここで支援し損ねたとしても、明言があったか分かりませんが、きっとふるりん本舗様でも取り扱ってくれるはず!
ですので、お財布事情と相談しつつ支援を検討いただければと思います。
では、今回この辺で。
また、次回の記事でお会いしましょう!