1000日チャレンジ 432日目『A Degree in a Book: Art History: Everything You Need to Know to Master the Subject - in One Book!』Day25 モダニズムー1906~1936年のフランス美術③「レディ・メイド」
ゴールまで568日
★BMI:24.3
★原著『A Degree in a Book: Art History: Everything You Need to Know to Master the Subject - in One Book!』(John Finlay著;Arcturus ;2020年)、日本語版『1冊で学位 芸術史~大学で学ぶ知識がこの1冊で身につく』(上野 正道監修;ニュートンプレス;2021年)を読みながら、英語で美術史を学んでいく。取り上げられている作品の中から、気になったもの、好きなものをピックアップして紹介していきたい。分厚い本なので、気長にゆっくり進めていく。
◎『泉』(19-20世紀フランスの美術家 マルセル・デュシャン(Marcel Duchamp、1887 - 1968))が1917年に制作した作品。オリジナルは消失し、1964年にレプリカが複数制作されている。
1910年代には第一次世界大戦とそれに伴う政治的・経済的・社会的混乱への反抗というかたちでダダイズムと呼ばれる運動が世界中に広まった。ダダイズムとは「大混乱、破壊、無政府状態、戦争の世界のすべてに対する反抗、
破壊的で、攻撃的で不遜でありながらも信念に忠実な運動」と著者はまとめている。そんななか、アメリカで開催されたアンデバンダン展に出品されたこの作品は、主催の委員会から展示を拒否された。これは作者が作ったものではなく既成のものにすぎないという理由からだった。この作品でデュシャンはダダイズムの枠を超えて、従来の”芸術品”の概念すら超えて「コンセプト」を芸術として提示した。
そもそも、アンデバンダン展はわずかな出品料さえ払えば誰でも展示ができるというのがコンセプトだった。そこに既製品に偽のサインをして出品をしようとして拒否される、このこと自体をデュシャンは予測し狙っていたと思われる。デュシャンは主催者側の委員でもあり、偽名で出品をしていた。彼はこの作品で、何が芸術なのか?とういう疑問を投げかけている。今でも多くの芸術家によって、20世紀で最も重要な作品とされている。
★enact;実行する、sardonicism;冷笑主義(皮肉屋)、nihilistic;虚無的な、assault;攻撃、artist-provocateur;芸術家・挑戦者
(原著 Chapter11 p.235-236)
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