1000日チャレンジ 578日目 新国立劇場「夜明けの寄り鯨」観劇記録(一部ネタバレあります)
ゴールまで422日
★BMI:24.0
◎先日、東京・初台の新国立劇場で上演中の『夜明けの寄り鯨』を観劇したので記録を残しておきたい。
●公演期間;2022年 12月1日[木]~ 12月18日[日]
●会場;新国立劇場 小劇場 (https://www.nntt.jac.go.jp/play/)
●【作】横山拓也【演出】大澤 遊【美術】池田ともゆき【照明】鷲崎淳一郎【音響】信澤祐介【衣裳】西原梨恵【ヘアメイク】高村マドカ【演出助手】山田 翠【舞台監督】川除 学
●キャスト;小島 聖、池岡亮介、小久保寿人、森川由樹、岡崎さつき、阿岐之将一、楠見 薫、荒谷清水
★ストーリー(以下、公式web siteより引用);「和歌山県の港町。手書きの地図を持った女性が25年ぶりに訪れる。女性は大学時代、この港町にサークルの合宿でやってきて、たまたま寄り鯨が漂着した現場に居合わせた。まだ命のあった鯨を、誰もどうすることもできなかった。ここは江戸時代から何度か寄り鯨があって、そのたびに町は賑わったという。漂着した鯨は"寄り神様"といわれ、肉から、内臓、油、髭まで有効に使われたと、地元の年寄りたちから聞いていた。女性が持っている地図は、大学の同級生がつくった旅のしおりの1ページ。女性はその同級生を探しているという。彼女はかつて、自分が傷つけたかもしれないその同級生の面影を追って、旅に出たのだ。地元のサーファーの青年が、彼女と一緒に探すことを提案する。」
◎負い目を感じるようなつらい記憶を封印してきた一人の女性が、自分自身が前に進むために25年前の記憶を確かめようと旅に出る。この女性がどういう心情で旅に出たのか?他者を理解するとは?他者を理解することなどできるのか?文化の違い、性の多様性など、自分にはわからない他者のこととどう向き合えばいいのかということがテーマなのかと思う。過去の記憶も、あれは個々の記憶であって、同じ空間を共有していた者同士でも、同じ記憶ではない。
主人公は自分の過去の記憶が正しいのか?自分自身が前に進むために、過去の記憶の封印を解くことになるかもしれない旅に出るのだが、その行為は他者の封印も解いてしまうことになりかねないわけで、私にはかなり自己中心的な行動のように思えた。そして自分の贖罪のためとはいえ、それは他者をも巻き込んでしまうことへの躊躇がこの主人公には無いのか?最後まで共感することはできないままだった。
小島聖さんの出演作品は以前も「奇跡の人」(青山劇場;2006年)、「ひばり」(シアターコクーン;2007年)、「かもめ」(赤坂アクトシアター;2008年)、「錦繍」(天王洲銀河劇場;2010年)など数回観ているが、今回は久しぶりに観ることができて良かった。今回の作品では、時を行き来する場面が多かったが、自然とそれぞれの場面にとけこんでいて素晴らしかった。
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