出雲への旅(5)島根県立八雲立つ風土記の丘 展示学習館・岡田山1号墳・山代二子塚古墳
ほぼ50年ぶりに出雲に旅をした記録
★JR松江駅からバスで15分程度のところに様々な形態の古墳が散らばっている。神話の世界と現実世界をつなぐ場所のような気配を感じる場所だった。巨大古墳ではないが、重要な資料となるような出土品も多く、また石室などは独特の形状を示すなど、考古学的に価値の高いものが多いようだ。そのような遺跡をすぐ側で直接、それもゆったりと見学できるのはとても貴重だ。
★島根県立八雲立つ風土記の丘 展示学習館 常設展
島根県松江市大庭町456
「松江市南郊の大庭地区・竹矢地区一帯は、島根県を代表する文化財(史跡や社寺等)が集中しており、古代出雲の中心地です。 島根県はこの文化財の宝庫といえる東西5㎞、南北4㎞の範囲を「八雲立つ風土記の丘」と称し、点在する史跡群をフィールド・ミュージアムとして総合的に保存・活用しています。 風土記の丘地内は、島根県最大の山代二子塚古墳(前方後方墳)をはじめとする主要な古墳が分布し、奈良時代には出雲国庁・出雲国分寺などが設置されており、政治・経済・文化の中心地と言えます。さらには出雲国造家ゆかりの神社や寺もあり、古代以来の歴史文化が今も息づいています。」(公式web siteから引用)
◎鹿形埴輪「見返りの鹿」(松江市平所遺跡埴輪窯跡から出土)
平所遺跡は、松江市矢田町にある遺跡。弥生時代終末期の竪穴住居跡や古墳時代(六世紀前半)の埴輪窯跡が見つかっている。窯跡からは、馬形、家形、鹿形、人物、円筒などの埴輪が出土している。
◎馬形埴輪(平所遺跡出土)
◎朝顔形埴輪(石屋古墳出土)
石屋古墳は宍道湖と中海を結ぶ大橋川の南岸丘陵上にある方墳。円筒埴輪や朝顔形埴輪などが多数出土。古墳時代中期
◎人物埴輪(島田1号墳出土)
島田1号墳は、松江市東出雲町の5世紀後半の円墳。美豆良をつけた男子の埴輪が出土。
◎須恵器の石棺(渋山池古墳群1号墳出土)
松江市東出雲町揖屋。渋山池古墳群1号墳から出土。玄室左側壁前に置かれていた須恵質亀甲形陶棺で、蓋は175cm×39cm×17.5cm、身は179cm×45.5cm×28.5cm。
◎岡田山1号墳
島根県松江市大草町にある全長24mの前方後方墳。古墳時代後期(6世紀後半)。家形石棺。子持壺、円筒埴輪が出土。石室内からは「長宜子孫」の銘文が刻まれた内行花文鏡、大刀、鉄鏃、刀子、耳環、金銅丸玉、須恵器や馬具などが出土したほか、「額田部臣」の銘文の入った円頭大刀が発見され、ヤマトの大豪族と深い関わりがあったことを示している。
◎岩屋後古墳
6世紀後半に築造された古墳。 現在は墳丘が失われ、石室が露出している。人物埴輪が出土。県指定史跡。
◎山代二子塚古墳
島根県松江市山代町二子にある前方後方墳(復元全長92m)。国の史跡。旧日本軍の施設設置の際に後方部の墳丘のおよそ半分は削り取られている。6世紀中頃。出雲最大級の古墳。後方部では築造過程で人工的に積まれた土層の断面を見学できる。