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1000日チャレンジ 927日目 「A LITTLE HISTORY OF SCIENCE」(若い読者のための科学史)CHAPTER 14 Knowledge is Power: Bacon and Descartes

ゴールまで73日

★BMI:22.4

「A LITTLE HISTORY OF SCIENCE」(Bynum, William著;Yale University Press;2012年)を原著で読み進める(全40章)

◎CHAPTER 14 Knowledge is Power: Bacon and Descartes
★主な内容
科学そのもの、その実践方法について深く考えた人物がいた。1人はイングランドの政治家・法律家のフランシス・ベーコン(1561-1626)。もう1人はフランスのルネ・デカルト(1596-1650)である。
ベーコンは、エリザベス1世/ジェイムズ1世に仕えた官僚であり、法曹界の重要人物でもあったが、科学にも大きな関心をもった。彼は「 知識は力なり」と言い、その知識を得る最良の方法が科学であると考えた。彼は、王に対して、科学者が研究を行う場所を公費で作るよう働きかけた。また科学者にお互いの交流のために協会や学会を作ることを勧めた。ベーコンは、偏見 をもたずに研究に取り組み、結果に確証が持てるように実験や観察を繰り返すことが大切だと説いた。これは「帰納法」とよばれ、長く影響を与えた。
デカルトは、大学でガリレオやコペルニクスについて学んだが、その後、軍隊に身を置いている。彼は、自分の見た夢をきっかけに、先人に学びだけではだめで自分で行う必要があること、そして、すべてを疑うことが大切だと考えるようになった。デカルトは、ラテン語 で「Cogito, ergo sum」(われ思う、ゆえにわれあり」 と書き残している。自分が存在しているのは、考えているからだということ、これが彼の原点となる。彼は、人間の肉体と考える部分(魂)は別だと考えた。それは宇宙についても同じだと考えた。「二元論」である。次にデカルトは、人間の肉体と考える部分がつながる場所はどこなのか考えた。そして、脳の中心にそれがあるとした。彼のこの考え方は、物理学や生物学の分野では後に否定されるものも多かったが、物質と精神を明確に分けるという考えは、様々な物質について究明する科学を進めることの重要性を示していた。
2人の科学へのアプローチは、一方は国家が、もう一方は個人(自分)がというように異なっていたが、科学には自然を理解する力があり、それが人間の生活を豊かにすると信じる点では一致していた。

★単語
Lord Chancellor
;大法官(イングランドの最上級官僚の役職)、enthusiastic;熱心な、induction;帰納法、properly;正確に、confident;確信している、nevertheless;それにもかかわらず、passionately;情熱的に、dualism;二元論、algebra
代数、geometry;幾何学、lofty;高尚な、deserved;当然の

★フレーズ
even more than
;~もさることながら、none of which;どれも~でない、far-fetched;信じがたい、singled out;特別に扱われる

※帰納法;「経験・実験等によって個々の具体例から普遍的な結論を導きだす思考方法。演繹 (えんえき) 法に対する概念。フランシス=ベーコンによって創始され,J.S.ミルによって大成されるまで,イギリス経験論の論理的方法論とされた。」(旺文社世界史事典 三訂版より引用)
※二元論
;「英語dualismなどの訳。多元論の一つで,一元論に対する。世界や事象を,二つの相互に独立の根本原理によって説明する立場。神話や宗教では,光と闇,天と地,善神と悪神,神と被造物など。哲学史上では,プラトンやアリストテレスの形相と質料,デカルトの精神と物質,カントの理性と感性などの対立にみられる。」(平凡社百科事典マイペディアより引用)

やはり哲学の話は分かりづらい。2人が生きた時代は、それまでのキリスト教に支配されて、ある意味、思考停止して、物質世界への探求に制限をかけられていたものを、彼らの考え方が、解き放つことに役立ったということをりかいできた。ちなみに、数学でよく使う、a, b, c, x, y, zなどというのは、デカルトさんの発明だとか。x軸、y軸で表す座標(デカルト座標)もそうらしい。すごい!


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