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1000日チャレンジ 910日目 「A LITTLE HISTORY OF SCIENCE」(若い読者のための科学史)CHAPTER 5 ‘The Master of Those Who Know’: Aristotle

ゴールまで90日

★BMI:22.8

「A LITTLE HISTORY OF SCIENCE」(Bynum, William著;Yale University Press;2012年)を原著で読み進める(全40章)

◎CHAPTER 5 ‘The Master of Those Who Know’: Aristotle
★主な内容
アリストテレスは紀元前384年、ギリシャのカルキディキ半島に生まれた。17歳ころにアテナイに向かい、プラトンが開いたアカデメイアで20年近く学究生活を送った。アリストテレスはプラトン同様、哲学者であったが、とくに「 自然哲学者」だったと評価されている。すなわち「科学者」であったと。紀元前343年には、マケドニアの王子アレクサンドロス三世の家庭教師 になったっことでも知られている。
アリストテレスの考えた”科学”は3つに分類される。すなわち、動物・植物が存在する生物界、 次に変化や動きの本質、 最後は、太陽、月、 恒星、その他の天体と地球との関係を示す天空の構造であった。生物界について、アリストテレスは心臓が動物主な器官であり、感情と精神の中枢だと考えた。彼は、 高等動物の機能を「魂」の働きととらえ た。 魂にはさまざまな機能があり、 人間 の魂 には、「栄養摂取と生殖」「感覚」「欲求」「運動」「想像(表象)」「思考」 という6つの機能があると考えた。彼は、動植物の様々な部分構造は特定の目的を想定して創られていると仮定した。 このような考え方は「目的論」と呼ばれている。
月から下の世界は、火・空気・土・水・の四大元素でできていて、常時変化が起きる。他方、月から上の天体の世界では、不変の五番目の元素(エーテル)で構成されていて、永遠に変化しない。そして天体はすべて地球を中心に完全な円運動をしていると考えた。アリストテレスは、物事の原因を「質料因」「形相因」「動力因(作用因)」「目的因」の4つに分類して考えた。「質料因」とはモノの材料となる物質であり、モノの形や構造が形相因、そしてモノを作り出す力が作用因、モノの存在意義のようなもの(何のために存在するのか)が目的因である。宇宙全体が動き続けていることには、何らかの目的因があったはずで、それを「不動の動者」と呼んだ。後年の人々は、この「不動の動者」を神と同一視したため、アリストテレスは有力な哲学者として評価し続けるとともに、科学を支配する世界観としてとらえ続けられることになった。

★単語
strive
;努力する、guardian;後見人、lovingly;可愛がって、intrigued;興味をそそられた、quintessence;第5元素

★フレーズ
know-it-all
;知ったかぶり、come-and-go;行き来、

※アリストテレス;「Aristoteles[ギリシア],Aristotle[英]前384~前322 プラトンと並ぶギリシアの大哲学者。その学識は経済,政治,歴史,倫理,心理,論理,美学,生物学に及ぶ比類なき大学者でもある。アカデメイアに20年ほど留まった彼は,師プラトンの影響を強く受けて対話形式の著作を書いたが,やがて,個々のものを超越したイデアの立場にあきたらぬようになった。代表作『形而上学』では,イデアはエイドスという名で普遍的なものとしてとらえられ,個物に内在せしめられる。だが彼の体系の頂点には全宇宙を超越した神が据えられ,形而上学=神学となって,プラトン的色彩を残している。なお,彼には弟子たちを動員しての,158編にのぼる諸ポリスの国制研究があり,幸いにも,そのうち最も重要な『アテネ人の国制』が今日に残されて,『政治学』とともにギリシア史研究の貴重な史料をなしている。」(山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」より引用)

◎英語は比較的平易だが、やはり哲学的な内容はなかなか理解するのが難しい。おそらく日本語訳でも完全には理解できないだろう。アリストテレスさん、さぞかし頭が良い人だったのだろうなぁ。


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