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1000日チャレンジ 913日目 「A LITTLE HISTORY OF SCIENCE」(若い読者のための科学史)CHAPTER 8 Out of the Darkness

ゴールまで87日

★BMI:23.2

「A LITTLE HISTORY OF SCIENCE」(Bynum, William著;Yale University Press;2012年)を原著で読み進める(全40章)

◎CHAPTER 8 Out of the Darkness
★主な内容
476年に西ローマ帝国が崩壊して以降のおよそ500年間、すなわちAC500年~1000年頃は、暗黒時代と称されることがある。古代ギリシャ語やラテン語の文献は失われ、その読み方を知るものもいなくなったため、科学技術も停滞した時代だと思われている。しかし、そのような中でもいくつかの技術革新は行われていた。巨大な大聖堂の建設を可能にするような建築術もその一つといえる。AC1,000年以降は、さらに技術革新が加速した。13世紀のトマス・アクィナスは、キリスト教の思想にアリストテレスの哲学と科学とを融合させた。その後、ヨーロッパには現代につながる偉大な大学ができ始め、そこで研究が行われるようになっていく。すなわち、イタリアのボローニャ大学、オックスフォード、ケンブリッジ、パリ、ケルンなどの大学である。大学には、4つの学部、すなわち、神学・法学・医学・ 自由学芸( 文法・修辞学・論理学の三学と算術・幾何学・天文学・音楽の四科の計7学科を指す)があった。中世の科学者の多くは医師あるいは聖職者で、彼らは新しい 大学に勤務した。大学では人体解剖も行われるようになっていた。しかし、当時の大学の医師たちはヒポクラテスやガレノスに依然として依存していた。そのため大流行した黒死病の前になす術がなかった。黒死病は1340年以降、周期的にヨーロッパを約400年にわたって襲った。黒死病を前にガレノスの知識は歯が立たなかったのだ。アリストテレスの知識についても同様のことが言える。例えば、14世紀フランスの聖職者ニコル・オレームは、地球自体が回転している可能性に気がついたが、アリストテレスの説を否定するには至らなかった。当時のヨーロッパでは百科事典の編纂が盛んにおこなわれたが、それも、過去の偉大な思想家たちの著作をまとめるにとどまっていたと言えるのかもしれない。

★単語
ploughing
;耕作する、faculty;学部、学群、学科、widespread;普及した、蔓延した、plague;ペスト

★フレーズ
backward-looking
;回顧的な、後ろ向きな

Thomas Aquinas(=トマス・アクィナス)(1225頃~1274頃)「中世のスコラ哲学者。南イタリアの貴族の出身。ドミニコ修道会に入り,パリでアルベルトゥス・マグヌスに師事し,1252年からパリ,イタリア各地の大学教授となり『哲学大全』を書いた。65年以後主著『神学大全』を著述し,キリスト教とアリストテレス哲学,信仰と理性,超自然と自然の調和を試み,普遍論争を終わらせた。スコラの完成者といわれ,「天使的博士」と呼ばれた。」(山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」より引用)

※the Black Death;黒死病
(=a disease that killed an extremely large number of people in Europe and Asia in the 14th century, usually thought to be a form of bubonic plague, a very infectious disease caused by bacteria spread mainly by fleas (=small insects that bite) on rats or other animals, that causes swelling, fever, and usually death in humans)(Cambridge Academic Content Dictionaryから引用)

◎暗黒時代と称される中世だが、そのなかで、近代的な科学へとつながる萌芽が育っていたということか。


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