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1000日チャレンジ 862日目 青森県美術館「生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」

ゴールまで138日

★BMI:23.7

★先日、青森県立美術館で開催中の「生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」を観たので、記録として残しておきたい。

「生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」

生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ(会場前バナー)

◎概要
【会期】2023年7月29日(土)−9月24日(日)
【会場】青森県立美術館
【主催】生誕120年棟方志功展青森実行委員会(青森県立美術館、棟方志功記念館、NHK青森放送局、NHKエンタープライズ東北、青森県観光国際交流機構)
【協賛】DNP大日本印刷
【後援】青森放送、青森テレビ、青森朝日放送、青森ケーブルテレビ、エフエム青森、東奥日報社、デーリー東北新聞社、陸奥新報社、青森県教育委員会、青森市教育委員会
(以下、公式web siteより引用)「「世界のムナカタ」として国際的な評価を得た版画家・棟方志功(1903-1975)。一心不乱に板木に向かう棟方の姿は、多くの人々の記憶に刻み込まれています。棟方が居住し、あるいは創作の拠点とした青森、東京、富山の三つの地域は、それぞれに芸術家としての棟方の形成に大きな影響を与えました。棟方の生誕120年を記念し、各地域の美術館(富山県美術館、青森県立美術館、東京国立近代美術館)が協力して開催する本展では、棟方と各地域の関わりを軸に、板画、倭画、油画といった様々な領域を横断しながら、本の装幀や挿絵、包装紙などのデザイン、映画・テレビ・ラジオ出演にいたるまで、時代特有の「メディア」を縦横無尽に駆け抜けた棟方の多岐にわたる活動を紹介し、棟方志功とはいかなる芸術家であったのかを再考します。掌サイズの絵葉書から、公共の建築空間の大壁画まで、「板画」の可能性を広げ、様々なメディアを通じて「世界のムナカタ」が社会現象になるまでの道程―「メイキング・オブ・ムナカタ」を辿る大回顧展です。」

「鐘渓頌」(24点組)(棟方志功;木版・彩色・紙;六曲一隻屏風;1945年)(日本民藝館蔵)

鐘渓頌(日本民藝館蔵)
鐘渓頌(部分)(日本民藝館蔵)
乞使の柵(左上)/古布の柵(左下)/倭桜の柵(右上)/阿王の柵(右下)

まさしく”大回顧展”という圧巻の作品群だった。この美術館の展示室の高さや広さを存分に使って、大きな障壁画や屏風に仕立てられた作品が、贅沢に展示された空間を巡って、棟方志功の歩みを概観することができる展覧会だ。代表作とも言える『二菩薩釈迦十大弟子』など見どころがたくさんあったが、今回、私が一番気に入ったのが上記の『鐘渓頌』という24点の木版画を六曲一隻の屏風に仕立てられた作品。
この作品名は、河井寛次郎の鐘渓窯(京都五条坂)から取られたもの。棟方志功が師と仰ぎ、あるいは創作の同志として敬愛し続けた河井寬次郎(1890-1966)を讃えて制作されたものとのこと。青と茶系統の市松模様の表具に、全体を黒白の市松模様になるように人物像が配されている。
私はもちろん棟方志功の作品を見たことはあったが、どちらかというと伝統的な木版画の継承者というようなイメージを持っていた。しかし、今回展示されている一連の作品群を観て、大きくイメージが変わった。とても装飾的で近代的なデザイン性は、海外で大きく評価されたことも納得することができる。実際、多くの書籍の装丁をデザインしたり、ねぶたの浴衣のデザイン、いくつかの商店の包装紙のデザインもしている。
次に紹介するような、小説家とのコラボ作品では、その装飾性が文字が加わることでさらに増しているように思った。

「不来方板画柵」(2点組)(棟方志功;木版・彩色・紙;軸装双幅;1952年)(日本民藝館蔵)

不来方板画柵(雨ニモマケズの柵)(日本民藝館蔵)

棟方と宮沢賢治は面識があったわけではないが、雑誌 「児童文学」 (昭
に賢治の童話 「グスコーブドリの伝記」 が掲載された際、その挿絵を担当したのが、棟方だったという縁がある。その後、「雨ニモマケズ」を棟方は何度も作品にしているとのこと。この不来方板画柵もその一つ。文字の配置と仏像の配置と彩色、絶妙なバランスで素晴らしい。
この他にも、多数の自画像や海外で創作した作品など、見所たっぷりで大満足の展覧会だった。


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