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1000日チャレンジ 388日目 美術で英語を学ぶ『Great Paintings Explained』(Christopher P Jones)(14)"Judith and Holofernes"(Gustav Klimt)

ゴールまで612日

★BMI:24.3

★『Great Paintings Explained: Learn to read paintings through some of art's most famous works (Looking at Art)』(Christopher P Jones著;Thinksheet;2021)を読んで英語と美術のお勉強をしていく。この本は、美術史家であり小説家でもあるChristopher P Jonesさんの美術の見方入門的なシリーズの第2弾。先日まで読んでいた『How to Read Paintings』の続編で、コンセプトは同様。こちらも未だ日本語翻訳版はでていない。1枚の絵を題材として何を読み解いていくのか?どう説明するのか?というテーマで15枚の名画について記されている。今度も1日1枚のペースで英文を読みながら、名画の鑑賞も楽しんでいきたい。著作権に配慮しつつ、勉強のメモを残していく。

(14)『ユディット(ユディットとホロフェルネスの頭)』;19-20世紀オーストリアの画家 グスタフ・クリムト(Gustav Klimt、1862 - 1918)が1901年に描いた作品。

Judith and Holofernes(オーストリア絵画館蔵)

この絵に描かれているのは、旧約聖書の物語。アッシリアのホロフェルネスという将軍に率いられた軍に包囲された都市の裕福な未亡人ユディット。彼女は将軍の陣地に忍び込み、彼を誘惑し酒に酔ったホロフェルネスを剣で殺し首を取ってしまう。そのためアッシリア軍は混乱に陥り、軍隊を引いたというお話。ミケランジェロやカラヴァッジョも描いた有名な題材だが、たいていは、殺害の場面をドラマティックに描いている。しかし、クリムトはホロフェルネスの死を描くのではなく、魅惑的で官能的なユディットの恍惚の表情を描いた。Christopher P Jonesは、その背景には、自立する女性たちの時代というものがあるのだろうと考察している。また、著者は、ユディットの首が彼女のそれ以外の部分と分離されたかのように描かれていることにも注目している。それはホロフェルネスの首を模倣しているという側面と、彼女の意識がその場からも離れてエクスタシーを迎えていることを表現しているのではないかと指摘している。

クリムトの有名な絵であるが、説明されなければ、ホロフェルネスの首の存在を忘れてしまうような迫力がユディットの表情にはある。発表当時は、直接的な官能表現に批判もあったらしい。日本の琳派の影響も受けたというクリムトの金色を使った装飾性にも注目したい作品だと思う。

rapture;歓喜、apocryphal;聖書外典の、疑わしい((of a story) well known, but probably not true)、disarray;混乱、consequently;その結果、conquered;征服、demise;終焉、immense;計り知れない、purveyor;調達者、nostrils;鼻孔

femme fatale;魔性の女(フランス語;a very beautiful woman that men find sexually attractive but who brings them trouble or unhappiness)

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