不動産日記 vol.5
私が50歳を過ぎて住み慣れた家から転居しようと思った理由には、
・家にかける労力がこれからは衰えてくる
・子どもたちに迷惑をかけたくない
・母が妹と同居することになって私の手が必要なくなった
その他に……
理由としての順位は高くありませんでしたが
実父の存在がありました。
実父は東京近郊に住んでおり、
ちょうど私が転居しようと考え始めた前後に
私を自分の緊急連絡先にしてもらえないか、と打診がありました。
実父は母や私たち姉妹のもとを去って、
新しい家族を迎えた人。
二度と会うことはない、と思っていました。
葬式にも行かない、と思っていましたが
新しい家族が破綻し、
困ったときだけ連絡してくる人になっていました。
実父にはそれなりの覚悟があって出て行ったかと思いきや
新しい家族に捨てられてしまったら、
悪びれる様子もなく、私に連絡をしてくるという
なんとも情けない人です。
それでも私を大学院まで出してくれた人です。
そう思うと、無下にもできず。
ただいつも優しい夫がこの件に関しては
同じ男として、理解し難い様子。
私が迷っているのを察して、「無理をすることはない」と
言ってくれました。
自分に自信のある実父なので、
私を当然のように頼ってくることは
想定内のことでしたが、
やっぱり実父を受け入れるには、時間が必要でした。
親なのだから面倒を見なければいけない
都合の良いときだけ連絡してこないで
いろんな気持ちが交錯して、なかなか決めきれずにいましたが、
「80歳を過ぎた親を困らせるのもどうなんだ」と、
それだけが、受け入れる理由だったように思います。
転居先は、
・夫の通勤が楽になるところ
・子どもたちの住まいから近いところ
・歩いて買い物や病院に行けるところ
・老犬とゆったりと暮らせるところ
その他に、できれば実父の住まいにほど近いところが条件となりました。