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1/16~1/19 洗い流される側の人間でもYes!Yes!と叫びたい
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人生でやるせなさを感じるときはどういうときか。残り少ない歯磨き粉をひねり出すのに失敗し、放物線を描いて洗面台に落ちたときである。なぜ残りが少ないと知っていて、中身が勢いよく飛び出す可能性があることを考えなかったのか。落ちたクリアクリーンがこちらを見つめてくる。あのクリアクリーンは私だ。この世には2種類のクリアクリーンがいる。歯ブラシの上で人の歯を磨き上げるクリアクリーンか、何にも役に立たないまま洗面台に落ち、洗い流されるだけのクリアクリーンか…。チューブを半分に切って中身を掻き出しながら、私なんてどうせ後者だよと一人腐る夜更け。
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育休中の夫の職場にややこを連れて挨拶に行った。無事生まれましたと上司に報告をして、出産祝いを頂いた。夫の隣で薄ら微笑みを浮かべながらペコペコしていると「自分、嫁やってんなあ〜」と思う。私って自分の脚本だと主人公だけど、こういう場合はサブキャラなんだなあと思う。あたしンちのオープニングの映像みたいに、別視点から見ると自分がグレーになっていて通行人Aになっている瞬間、嫌いじゃない。
別の部署に夫の知り合いがいるというので顔を出したら、母親ぐらいの年代で綺麗な女性の方だったんだけど、挨拶した瞬間に分かるやり手の人だった。人生で時々出会う「この人すごい」という感じ。身なりも着飾っていなくて、物腰も柔らかく、ほどよく冗談を言って親しみやすいけど他の人とは違うオーラ。仕事をしている姿は見てないけど絶対やり手。夫やややこのことだけじゃなくて、初対面の私と会話しただけで「素敵な奥さんね〜」と褒めてくれる。私は「エ・・・エヘ、デヘヘ・・・」ぐらいしか言ってないのに。また会いたいなと思った。どうしたらああいう人になれるのだろう。
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義実家でタコパをした。夫と夫の兄弟&嫁&子ども達大集合でカオス空間。ややこも連れて行った。リビングの隣が義母の部屋となっており、授乳やおむつ交換はそちらへ移動する。私とややこ、義姉とその子どもたちが代わる代わる義母の部屋に出入りをする。義姉の上の子はもうすぐ2歳になるが、一人でベッドの上に遊んだりおままごとをしたりして、既に一人で遊んでいてすごい。2年間で赤子から一人遊びできる乳児になるのか。
義母のベッドでおむつ交換をしていたときだった。「オシッコデテスッキリシタネー!オムツカエヨウネー!」と話しかけながら御開帳したその刹那。眼の前で透明な虹がかかった。
ギィ゙ヤアアアアアアアアアア!!!!!!
ややこの追いオシッコが、義母のベッドの上に全部ダイブした。おむつをあてがうも間に合わなかった。広がるベッドシーツの染み。タコパ会場に響き渡る叫び声。
オカアサアアアアアアあん!!!!!ゴメンナさあアアアアイイ!!!!!
ウワーハハハハハ!!!!!ワハハハハハハハハハ!!!
狂ったように笑う嫁の姿に全てを察した義母。
「〇〇ちゃん(義姉の上の子)もこないだここの壁の隅にオシッコしたから大丈夫よ〜」
まさかのいとこ揃って義母の部屋に放尿していた。ゴメンネゴメンネーー!!シーツを取り替えて事なきを得たのだった。
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私が追っていたオーディション番組、No No Girls(通称ノノガ)最新回までようやく追いついた。観始めたのが年末で、ややこのねんねの合間にコソコソと亀のスピードで観ていたので、1/11のファイナルに余裕で間に合わなかった。今日までネタバレを踏まないように、YouTubeでデビュー組とおぼしき姿のサムネやショートを見かけた瞬間に視力を0.01まで落とすというスペックまで身につけた。これからご覧になる予定の方、もう一度観るために記憶を消した方々のためにもここでは詳細は伏せておく。観てよかった、出会えて良かったと思える番組だった。ちゃんみなとSKY-HIの安心感がハンパない。応募者に対して一人ひとりリスペクトを持ってアーティストとして対等に向き合っていた。
ノノガの回を追う中でちゃんみなが繰り返し「自分がどんなアーティストになりたくて、何を届けたいのかを掘り下げてみて」という言葉を伝えていたのが印象的だった。そして、No Hate(自分に中指を立てるな)がとても難しいと思った。理想像や伝えたいことが明確でない人、自信を持ってステージに立てない人はどんなに高い技術を持っていてもパフォーマンスを通して伝わってしまう。No No Girls達が自分の課題に対して一生懸命もがいて乗り越える姿を見て、勇気をもらったし自分も色々なことを頑張りたくなった。若さとか、時間とか、関係ない。結局は自分にNoを言わずに愚直に続けられる人が、自分が誇れる自分になれるんだなと思う。
今後、自分を甘やかしそうになったとき、卑下したくなったとき、No Noという自分をぶん殴ってやる。そしてYes!! Yes !!! Yes!!!とハーバルエッセンスのCM(多分30代にしか伝わらんが)の如く、ノノガを思い出して奮い立たせたい。とにかく、クリアクリーンごときで落ち込んでいる場合ではないのだ。