成田慎/Shin Narita

1978年秋田市生まれ 現在は北海道札幌市に在住しております。 年に一度くらいのペースで写真展を開催しています。 https://www.shinnarita.com/

成田慎/Shin Narita

1978年秋田市生まれ 現在は北海道札幌市に在住しております。 年に一度くらいのペースで写真展を開催しています。 https://www.shinnarita.com/

最近の記事

写真探究 1-20

1.目に見えるものを、写真機で撮影する。 これによって見えるもの、肉眼との差異。 そのことの面白さ。 これが先ず写真作品というもの。 目が見えない状態も同様に考えること。 2. 光と影。 ではなく、すべて光。 影は写らないのではなく、影は光量が少ないということ。 そのグラデーション。 3. 光のグラデーション。 何故コントラストというのか、コントラストは一つのパラメータにおさまる。 グラデーションは、多くのパラメータの総合である。 その中でコントラストは二分割、三分割、四

    • [短編]霧、そして

       夕方激痛で寝室にいた私。カーテンは閉め切っている。リビングでは暖房を点け始めた。ゆらゆらと暖かい空気。想像するに小雨が窓に角度をつけピリッと打ち付けるが、実際は別の音だった。プラスティックに当たる何か。蜘蛛の巣に引っかかるより簡単に、密やかな隙間で遊ぶ動物の呟き。暗い冬が来ると思った。  そこは、Aの景色。Aという名の付く場所ではなく、その数キロ先のスーパーマーケットがある木材工場と製鉄工業地帯。私は薄いベニアで仕切られた狭い部屋にいる。窓の外がその景色だ。第三の場所とも

      • 最近の制作(コラージュ)

        • グランプリ受賞と個展終了のお知らせ

          この度、写真コンペティション第40回IMA next テーマ Sound&Voiceにてグランプリを受賞させていただきました。 審査員のロンロン&インリ(榮榮&映里)/RongRong & inri、IMA next、IMAと妻のサポートに感謝しております。 https://ima-next.jp/winners/sound-and-voice/echoing-one-another/ 10代の頃から長らく写真を撮り続けて40代半ばを迎えましたが、今回グランプリという名誉

          [poetry]焔の傍にて

          すれ違う一方の速度は鳥の羽ばたきの数に幼年の明るさを乗せたくらい それは常に可能だった   長い間そうしなかったのは、そうするように思えたのだが、、 それを躊躇うのは呑気さ故の陰湿な教育以外に何があるというのか。すれ違う一方の私に於いて 若しくはあなたの羽に於いて ぶら下がる多くの眼差しが、不確かな背景にあり、気配が不可として、恐れの幻想の一種を感じ、お互い不具となった 広大なまでの空想が救いとなり、その途中に現在という時間がスライドされ、重なる懐かしさを意図せず映し、

          [poetry]焔の傍にて

          [Poetry]引き合うもの

          時間の中の無駄 そこに囚われた時間の中で 力とは苦しみを堪えるだけのものとなり、苦しみの最中に力を嫌悪し、産むものはその痕から。 時間は無色で霧がかっており、その先には何の気配も無く恐ろしい。 続く、時間と 個人的な、時間がどこまで進むも 解釈や認識も機能しない唯の痛み。 それは精神とも一体となり、一つの凝視に結論づけられ。 名付けの親はわたしで、子供のいない私はジッと目を開いて眠っている。 力一杯の、背負わされた、背負っている屍。 歴史はそれしか知らず、 亡き者の未来

          [Poetry]引き合うもの

          フォトグラフィーについて/#1(-3)

          3.「何処にも無かったものの未来が、今光りを使い現れる」 これは自由ということが実践されたことの結果であると同時に、存在したなかったものの表出が可能となったこと。許された、許可されたというよりかは、誰も罰を与えてはいないし、しかしそれ自体は仮想し、架空の実在においてである。 しかし、この一文以前には記憶に触れており、それは特異的な経験によるもの、それは禁止事項を破って、侵入した事実によるものである。その先にあった美。想像した場合の回帰とでもいうものが、当時と変わることのない光

          フォトグラフィーについて/#1(-3)

          フォトグラフィーについて/#1(-2)

          1.束の間の体が異郷を眺め、それはわたしたちに染み入り、つまりは映し返したことになる。最後に。我を失ったかのような我。という不可視な想いが、想像の映像や既知の言葉の断片を拾い上げ、その染み入る他者の裂け目に向かい、拡がっていく。 そして、目の当たりにした結果の先を必然的に思う。とは何だろうか。 光の、闇のような空間という妥当な可能性、もしくは消尽してしまう、血色を失い、失血した、まるで絶望が後に表舞台に顔を突如出して、その結果としてのそれがあるかのように。 それとは一つの待

          フォトグラフィーについて/#1(-2)

          写真展開催のお知らせ

          皆様、いかがお過ごしでしょうか。 私の住む北海道札幌市の今日の天気は雨。窓から見える山々は紅葉が始まり、部屋は暖房を焚いて過ごしております。 さて、この一年地下鉄や市電を利用し、妻のコンパクトデジタルカメラを借りて出かけ、個人的な眼差しから撮影した数々の写真。 何かを理解し、またそれが個人的であるが故に思い込みのような誤解。思考の働きを、何物でもないあるがままの世界であるはずの状態から、光や影から与えられるとある気付き。そしてそれは記憶をめぐり抽出された、現代に回帰する世界

          写真展開催のお知らせ

          フォトグラフィーについて/poetry#1

          束の間の身体は 唯一の母国で、 遠くにあるものでは決してなしに。 歩き、交わす視線に対応し、それぞれは良好と汲み。 それでも、固定されないままの互いの意識、 それぞれとは海の深さと、空の高さ。その間で、漂う。 そこでは不条理の鏡(結実する筈と思う未来。希望は仕方なく挟んでも、持つべきではないかも知れない。他者を挟み、鏡は気づきを、それはある懇願が感じたもの、そして戸惑い。希望。)に、ふと暗い影がかかる。 また一方で硬さの中で、流動するマグマが、落ちてある。石は結果でもある

          フォトグラフィーについて/poetry#1

          足と犬 - 記憶を辿りて-

          かすかな わずかな まだそこそこの 緊張を片足に 抱えて、まだ 湿った雲の重さから、 いつの日か何かが現れそうな気配があるような、昔暮らした村にはそれがあった。直線の道だけが一本、家の前を通る 低い それでも比べるものは無く、ただ高い空と歌われると、そのままの高さを、そのように高く思い、我慢を強いられれば、それだけの低さになり、怯え、皆低身長のままで。多分。空はそれでも、なお、高く思えた。 消えたあの人達 のことを頻繁に、いやたまに、都合のつく時だけ、バカになったのかとい

          足と犬 - 記憶を辿りて-

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          Turner(view from the apartment)2022/3/29~4/10

          Turner(view from the apartment)2022/3/29~4/10

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          put a pin in Sapporo(diaries)Vol.5

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          put a pin in Sapporo(diaries)Vol.4

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          Poetry 2.16,17,18のワルツ

          2/16  只 今を行くだけなのだろうか。尖塔に集まろうとする 全体から発している力能があるように 大地の中心からの広がり/それが足元から垂直方向に移動する/衝動の様な意志の突発/或いは嫌悪は似て非なる しかしそれでも なおのこと。誰かの正面に向かい それは放たれるというより その衝動は頭上へと回収され/この力が コミュニケーションを難しくする/と 思い返す。 何処かへ行くべきであると 決意し 準備は既に行動へと注がれて 今 出て行かざるを得ないだろう。 此処が嫌い それはレ

          Poetry 2.16,17,18のワルツ

          Poetry 夜、それから

          特別警報が 出るとか、 雪は上空で行き場をなくし ただ、ただ降り積もる。 天使の広場のように、ここは。   車は横に流れ、買い物難民は、誰も踏んでいない雪を踏む。   ライトを点け、進み、続く。 時々。   起きたら部屋にひとり 不安を追い越し、 次は 私だと、思った母。   子供みたいになった母が切った十字架 この前、 クリスマスの日に横切った 瞬きのような祈り、は。   幼子の見た錯覚の死を打ち消して、天使の広場へ 外は白く、静かな遊戯場なのだ。 薄暗いその場に、寒さ

          Poetry 夜、それから