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めっちゃ汗ばむティーボール【坂本良晶さんの実践追試してみた】


小学校教員のsmyle(スまイル)です。
今年度、6年生の担任をしています。

2025年最初の記事は、
2024年の実践の振り返りを。


体育で、6年生の子どもたちが
実に生き生きと活動していた実践を紹介します。
それは、坂本良晶さんが数年前に紹介されていた
「めっちゃ汗ばむティーボール」

(カブレラが時代を感じさせます。)

ルールの詳細は、
ぜひ坂本さんのX授業準備ネット
投稿をご覧ください。



プレー機会や運動量を確保するために


従来のベースボール型ゲームだと、
プレー機会や運動量をなかなか担保できない。
野球というスポーツの性質上やむを得ないですが、
攻撃側も守備側も、「待つ」だけの空白の時間が発生する。

それを、守備を半数にして入れ替え制にするとか、
いちいちプレーを止めずに
バッターの準備が出来次第すぐに打っていいとか、
とにかく常にプレーが連続する仕組みになっていました。
私は
「ノンストップティーボール」と呼んで
子どもたちに示しました。

素早く打席に立ち、
守備陣形が整う前にバットを構えると、
人がいないところ・空いているところに打とう
という意識が生まれます。
もちろん、通常のティーボールでも
どの方向に打とうかという思考にはなりますが、
今回のルールだと、より素早い判断力で
守備の穴を見つけることを求められるという点で、
打席における思考・判断の力がより発揮されるように思います。


そんな連続している試合の流れ・勢いが
唯一落ち着くのが、
「ホームラン」が出たとき。

それまでせわしなくプレーしていたのが、
ホームランが出た瞬間、減速して
ゆっくりとダイヤモンドを回るバッターの所作により
時間もその刹那はゆっくりと流れていく。
そういう意味でも、
「ホームランが出やすいグラウンドの狭さ」というのが
場の設定として絶妙だな、と感じました。


ルールの微調整


そんな坂本さん考案のナイスルールですが、
当然、目の前の子どもたちを踏まえた微調整が必要です。
子どもたちと対話しながら、
ルールを追加したり調整したりすることにしました。


まず、ベースボール型ゲームにありがちなのが
打った後、バット投げちゃう問題

その解決のために、
打席の近くに寝かせた三角コーンを置き、
バッターは打った直後、
バットをそのコーンに入れてから走り出すようにしました。

こういうこと

慣れるまでは、
バットをコーンに入れ忘れる子が続出しますが、
徐々に慣れていくので大丈夫です。
バットを投げなくなることで、安全性がかなり向上します。


次に、子どもたちの中から
「ホームランがたくさん出るけれども、
 ゲームバランスとしてどうなのか」

という声が上がりました。

実態として、ウチの学年は野球部の子が多く、
ホームランが容易に出過ぎるのではないか、
その子たちが無双してしまうのではないかという
懸念も出ました。

ですが、従来のグラウンドサイズであれば
ホームランを打てなかったような子でも、
ホームランを打てたりその可能性が在ったりする。
そのことのメリットが
上記のデメリットを上回って支持されたため、
結局はホームランルールは現状維持。
必要に応じて再検討することになりました。

結果として当初のルールが「変わらない」としても
一度議論を経ることで「納得感」が全然違います


そして最後は、守備側に関するルール。
バッターが打とうとしているとき、
プレーを遅らせたいのか、セーフティバント対策なのか、
やたらとバッターに近づいていく子が居ました。

「ズルい」などと言った戦略面での指摘と言うより
「いや、危ないでしょ」と、その安全面に焦点が当てられ、
打者には「大きく2歩」以内(約2m以内)には近づかない
というルールが設定されました。


これらの追加ルール及び調整は、いずれも
目の前の子どもたちが、自分たちの実態に合わせて
調整したものでしかないので、
この「めっちゃ汗ばむティーボール」を取り組まれる方は
是非子どもたちと対話して
自分たちに合ったルールをつくり上げていってほしいと思います。


やっときゃよかった


というわけで、寒い地域の、
冬休み前の寒い時期にこの競技を行いましたが、
子どもたちはタイトル通り
野球部もそうでない子も、男子も女子も、
運動が好きな子も嫌いな子も、
みな、汗ばむほどに走り回っていました。

ただひとつ、ルールに書いてあるのに
やらずに「しまった!」と思ったのが

「なお、ホームランが出たらプロ野球風に、ベンチのチームメイト全員とハイタッチさせる指導はマストです。少しでも守備の間を抜ければホームランになるので、かなり盛り上がります。」

授業準備ネットより

これ、やっとけば
もっと盛り上がったなー。
チームの一体感が出たなー。
次やるときは、絶対に採り入れます。


けテぶれやるなら


そして最後に、
体育ではどの単元も一貫して
「けテぶれ」と掛け合わせて
計画を立てさせたり分析をさせたりしています。

けテぶれや

けテぶれを回させる際の私の課題は、
活動量・運動量の確保に重きを置きすぎて、
シート記入の時間(特に分析の時間)を
十分に確保できていない
ことです。

いや、活動量は大事なのですが、
それでも、目的をもってシートを用意するなら、
相応の機能をさせないと、ただやらせるだけになってしまう。
書かせてはいるけれど、従来のめあてシートとの差異が
いまいち生み出せていない現状が、改善の余地ありです。
まずは時間の確保と、
持続可能なフィードバックの仕組みを
整えたいと思います。

そのあたりは教師がこれからも「けテぶれ」を回して
より良い形を見つけていきます。


ということでこの冬、
雪が積もっていない地域限定ではありますが、
寒い冬、だからこそ
「めっちゃ汗ばむティーボール」
ぜひやってみて下さい!

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