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サバイバルランニング&チーム駅伝【アカデミック先生の思考型ランニングゲーム実践】


小学校教諭のsmyle(スまイル)です。
今年度は6年生を担任しています。


2023年9月から、
X(旧Twitter)で、教育に関する発信を始めました。

そして今日までポストした中で
もっとも閲覧数(表示回数)が多かったのが、
アカデミック先生の持久走実践を紹介したポストです。

アカデミック先生こと小溝拓先生にリポストしていただき、
なんと過去最高の "「2万」件の表示"

持久走の在り方、体育の在り方、
きっと皆さんにとって関心の高いものだったのでしょう。

そこで、
アカデミック先生式「持久走」である
"思考型ランニングゲーム"をどのように採り入れたのか。

その経緯と内容について、書いていきたいと思います。






校内の先生方への提案



せっかく良いと思う実践を採り入れるなら、
自学級や自学年にとどまらず
なるべく学校全体に採り入れていきたい。

そのためには、校内の先生方に
実践の「ねらい」をお伝えする必要があります。


そこで昨年度、
アカデミック先生のnoteを引用させていただき、

以下のような提案文書を示しました。

①ねらい
②具体案
③引用元


提案から実現へ


昨年度は、コロナ禍が明けるかどうかという時期で、
体育行事のみならずどの活動についても
従来の形に戻すのか、それとも新たなスタイルにするのか、
模索している時期でした。

そこで、昨年度
私は体育主任だったこともあり、
体育授業・体育的行事について様々な提案をしました。

提案では「やり方」もそうですが、
体育授業を作っていくにあたっての
大切な「マインド」について、繰り返し伝えました。
「生涯に渡ってスポーツを楽しむ」その素養を
育むのが「体育」である
、というマインドです。

体育は教科書などもないので、
実践が先生方の経験に依るところが大きく、
多くの先生方において、ご自身がやって来たやり方が
踏襲されがちだと感じていました。
上記のマインドについても同様で、従来の体育"観"から
なかなかアップデートをするチャンスがない。

そこに一石を投じたい。
その思いでコツコツと伝えてきました。


そしてその、一石から波紋が広がり今年、
いくつかの実践を
形にすることができました。

その1つが、
アカデミック先生の思考型ランニングゲームを採り入れた
「Newマラソン大会」です。


校長先生が、
私の提案をとても前向きに捉えてくださったこと。
また、今年度の体育主任が
昨年度の私の提案をもとに今年度の計画を立ててくれたこと。
そのおかげで、新しい形の
持久走を展開することができました。

上記の提案文書では、
「参観日にランニングゲームを位置づける」
となっていますが、
実際は参観日の1日設定ではなく、
「持久走ウィーク」と銘打った期間を設定し、
「この1週間は持久走に取り組んでいるのでいつでも見に来てください」
という形で、開催に至りました。


ランニングゲームの内容は、
上記のランニングゲームを提案しつつ、学年裁量にしました。

他の学年の先生方は、
距離を選択制にするなど
それぞれに工夫を凝らして持久走に取り組んだようです。



そして、私の受け持っている6年生は、
2つのランニングゲームを掛け合わせて行いました。

1つ目は
①サバイバルランニング ~直線で追い越せ~
(「A:直線でしか抜かせない中距離走」をアレンジしたもの)

もう1つは
②赤坂5丁目ミニ駅伝 ~戦略で勝利を目ざせ~
(実際の名称はもちろん「赤坂5丁目」ではない)

どのようなルールで行ったのか
解説していきます。


①サバイバルランニング ~直線で追い越せ~


まず行ったのは「サバイバルランニング」。

アカデミック先生の提案
「A:直線でしか抜かせない中距離走」を参考に、
学校のグラウンドを使って
「トラック3周・直線でしか抜かせない」
というルールで取り組みました。

「直線でしか…」という制限がある事によって、
スタートダッシュを仕掛けたり、カーブで体力を温存したり、
一気に戦略性が高まりました。
子どもたちもただ気力・体力で走るのではなく、
思考を巡らせて競技に臨む姿がありました。


また、オプションルールの「入れ替え制」も採用しました。

初めに、子どもたちを
短距離走のタイム順に5つのカテゴリーに分けます。
(仮に速い方からJ1、J2、J3、J4,J5とします)

そして、カテゴリーごとにレース開始!
レース終了後、
カテゴリーの上位3人が上のカテゴリーへ、
下位3人が下のカテゴリーへと入れ替えを行います。
この昇格・降格制が「サバイバル…」の由来です。

ここでも、「1位は無理そうだけど3位は死守しよう…」などと、
戦略や駆け引きが生まれていました。


この「サバイバルランニング」を2,3回行うことで、
子どもたちの中距離の走力が見えてきます。
そこで取れたデータをもとに、
②ミニ駅伝のチーム分けを行いました。



②赤坂5丁目ミニ駅伝 ~戦略で勝利を目ざせ~



上でも述べましたが、
実際の種目名は「赤坂5丁目」ではなく、
学校のホントの住所を入れて
「〇〇☆丁目 ミニ駅伝」と題して開催しました。

元ネタはもちろん「オールスター感謝祭」のミニマラソン。
ですが、子どもたちはイマイチ
ピンと来ていませんでした。
すいません、自己満足です…


今回設定した駅伝の距離は、1週200m×10周で、計2000m。
チームのメンバーは5,6人。
誰が何周走るかはチームごとに自由(ただし1周~5周)で、
誰が何番目に走るか、何周走るか、など
チームで作戦を立ててからレースに臨みました。

持久走が苦手な子も、
1周なら何とか全力で走りきり、
チームに貢献することができます。
また得意な子は、
1人で5周近く走ってチームを牽引できます。
結果的に、
どの子にとっても満足度の高い実践となりました。


順位を競うのではなく、合計タイムの向上を目指します。
駅伝に取り組んだのは3回でしたが、
「作戦タイム→レース→振り返り」を重ねることで、
どのチームもタイムを向上させることができました。

そして何より、
従来の持久走では味わえなかった
楽しさ・仲間と走る喜びなどを感じる様子がありました。



保護者の声は…


このような形で行った「持久走週間」。

保護者参観の機会として位置付けていたので
多くの方に見に来ていただけたのですが、
保護者の方のご意見を頂戴するとある会合の場で、
こんなご意見があったそうです。

「あれはマラソン大会ではないです。」

私はその場にいなかったので
意見の詳細は分かりませんが、
従来の、みなが同じ距離を走って、
順位をつけて、という形とは違うので
求めていたマラソン大会の形ではない、ということなのでしょう。

もしかしたら、その方のお子さんが持久走な得意な子で
上位に入るのを楽しみにしていた、のかもしれません。

私が今まで所属したどの学校でも、持久走といえば
いわゆる順位をつける「マラソン大会」を行ってきました。
私が子どもの頃もそうでした。
それが当たり前でしたし、そこに対する疑問を持ってもいませんでした。


保護者の方々は、もちろん私自身もですが
現在の令和の教育ではなく
ひと昔前の教育を受けて育ってきています。
誰かが学校の教育について意見を抱くとき、
おそらく多くの場合、自身の経験である
「自分が受けてきた教育」をもとに考えるでしょう。

だから、「マラソン大会ではない」という意見を聞いた時も、
まあ、そう思う方もいるだろうなあ、
さもありなん、という思いでした。


しかし!
「マラソン大会ではない…」という声が上がったその場で、
「でも…」と、別の保護者の方が立ち上がり、
制するように言ってくださったのが
冒頭に紹介した、
ポストした言葉だったのです。

「今までいつも最下位で持久走が嫌いだった息子が、初めて『楽しかった』と自分から言ってきたんです!」

ランニングゲームを行った6年生の保護者様


とてもとても有難かったです。
私がチャレンジして採り入れたことは、間違いではなかったんだ。
「みんなが楽しい」を目指す。
そのメッセージはちゃんと子どもたちに伝わっていたんだ、
と嬉しくなりました。

と同時に、
このような形の持久走を行うに至った経緯やその意義について、
保護者の皆様にもっと丁寧に伝え、
周知していかなければならないと感じました。



アカデミック先生の単著発売中!(勝手に宣伝)


アカデミック先生のお考えに感銘を受け、
今回紹介した持久走に限らず
体育の、どの種目においても
「全員が楽しめる」ことに重点を置きながら
単元づくりに試行錯誤しています。


アカデミック先生の実践や考え方に触れるには、
noteやXもいいですが、
なんといってもvoicy!

noteは理論的で、
読みごたえがある分、咀嚼に時間を要しますが、
voicyだと音声に載せて
その理論や実践のイメージがスッと入ってきます。


そして、
令和6年1月28日に発売された
「運動嫌いがゼロになる!子どもが考えて楽しむ体育ゲーム」
も、予約して購入!


早速読ませていただき、現在は
3×3のバスケットボール実践に取り組んでいます。

noteでもバスケ記事は拝見しましたが、

書籍だとよりライトな書きぶりでより分かりやすく、
なおかつ動画も載っているので
子どもたちとのイメージ共有もしやすい!


ぜひ、みなさんにもお読みいただきたいです。
というか職場の先生方にも薦めたいです。
私はnote記事を引用して提案文書を書きましたが、
この本を回覧したほうが、ずっと伝わります。


今回紹介したランニングゲーム以外にも、
「アカデミック先生実践」は様々
チャレンジさせていただいていますので、

また微細なアレンジや成果など
紹介させていただきたいと思います!


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