医者の権力に救われた話

母が私の首を絞めて
当時勤めていた会社の上司の計らいで
入院できる病院に初診で行ったけれど

即「入院しましょうね」と
診察した先生が言ってくれて
私は戦争が終わったような気持ちになった。

今、思い返せば
着の身着のままで連れてこられた母は
「荷物を取りに家に帰らせてくれ」と
しつこく言ってたけれど
それが許されることはなく。

後々になって調べてみてから

医療保護入院だったのだろうなぁ、と思う。

法が定めた医者の権力により
私の身の安全と母の命が守られて
法律の存在に救われた身である。