見出し画像

詩人のいた浜辺

ひとり
こころ打ち砕かれた
詩人のいた浜辺

やみは浜を侵食し
波は
彼を抱き締める

星屑は砂時計となり
彼の存在をはかった

ただ汀に向かう足取りは
確かで
彼の残した詩句も
あたり一面に散らばっていた

そして
詩人の去った後に残された
ことばたちが

色鮮やかな貝殻のように
浜辺に残されていた