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せめてかたい殻ならば

わたしは籠の中の鳥だ
ただでさえ籠の中にいるというのに
今日は主人が昨夜籠にカバーをかけたまま
起きてこない

ずっと暗闇だ

鳴いてみる
だが暗闇だ
主人の気配はない

その内自分が鳥であることを忘れて
また寝てしまう

いいさ、また卵に戻ったと思えば

柔らかい布を籠の柵の中からつつく
手応えがない

せめてかたい殻ならば…
せめてかたい殻ならば…