傘の先

時折
眼を瞑り
杖をつくように傘で地面をたたく
こつ、こつ、こつ
いかにも迷惑そうに
アスファルトの地面は何か云っている

枯れ葉をつく
かさ、かさ、かさ
うれしくなって道の脇にある銅板をたたく
カーン

さらにうれしくなって
笑いをこられながら
マンホールの蓋を傘先でたたく
ぽーん!!
ぽーん!!

たのしくてうれしくて
眼を開けて、眼を瞑り
音の出方を聴いてみる
ぼくはドラマー

そんなことをやってるのは
君ひとりだよ
と笑いながら
言ってるかのように
風はびゅうと吹き抜ける