空の心音

いっさいは空なのに
その空は
雨を降らし
その空は風を吹かす

風雨はわたしに音を聴けといっている

いっさいが空しいはずの
空の下で

雨垂れが家の外でひたすら流れる音を聴けと

風が吹き抜ける音を聴けと

空しいだけの
空よ
なぜこうまでして
わたしに訴えかけるのだ

聴けというのだ?
確かなものは音だというのか?

わたしは部屋の中で
風雨の音を聴き

そしてそれもやむと
今度は自分の心音の響きを聴く