アニサキスアレルギー 食事・生活上注意点(完全除去ケース 参考例)
今日は、アニサキスアレルギーの診断直後の患者さんに向けて、書きたいと思います。SNS等を拝見すると、診断直後「何を除去したらいいの?」と戸惑う方がとても多いです。私も同じだったので、食事や生活上の注意点について、私なりにまとめてみました。
素人が作成したリストなので、不備もあったり、除去範囲も人それぞれかと思います。ご自身の症状に応じて、主治医の先生と具体的な除去の相談をする出発点として使って頂き、最終的にはご自身に合うリストを作って頂ければと思います。
1. 食事上の注意点
a. 魚介類の除去
生・加熱後、淡水魚・海水魚、養殖・天然等の区別なく全て
議論が分かれる所なので、主治医の先生とご相談下さい
b. 魚介由来の原材料・添加物表示のある食品の除去
魚介だし・エキス、魚醤パウダー、魚油、魚肉すり身、加水蛋白分解物、調味料(アミノ酸)の表示がある食物は、除去した方がよい
一見、魚介系の材料・添加物が使われているようにみえない食物に注意
c. 具体例( 調味料)
除去した方がよい原材料・添加物を含む可能性が高いもの。全商品がNGではないので、個々の商品の表示を確認して決めて下さい。
「だし」系:かつおだし、だし入り味噌、卵かけご飯用醤油
「たれ」系:納豆・焼き肉のたれ、ポン酢
「つゆ」系:そば・うどんのつゆ、ラーメン・鍋のつゆ
「かける」系:味付け塩コショウ、鰹節、ふりかけ、お茶漬け、ソース(お好み焼きソース、アンチョビソース含)、ドレッシング
「簡単調理」系:カレールー、麻婆豆腐の素、パスタソース
「アジア」系:ナンプラー、ニョクマム、オイスターソース、豆板醤
d. 具体例(調味料以外)
「簡単調理」系:冷凍炒飯・餃子、冷蔵ハンバーグ、カップ麺、レトルトカレー、粉状のコーンスープ、お好み焼き粉、冷蔵の蒸麺、味付け肉
「菓子」系:ポテトチップス等のスナック菓子、煎餅
「魚肉」系:伊達巻、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、魚肉ソーセージ
「漬物」系:キムチ、たくあん、白菜浅漬け、かつお梅
その他:魚成分が入っているサプリ
2. 生活上の注意点・アドバイス
体重を測定し、食事変化によって大きな増減にならないよう管理する
調理の際、除去食物に素手で触らない、煮炊きの湯気・煙にも気を付ける
海水浴は避けた方がいい
食べられる物を携帯して外出すると便利
旅行やアルコール飲食時に、気が緩んで食べてしまわないよう気を付ける
エピペンを処方されている場合は必ず携帯、使用期限にも注意
家族・友人・同僚にアレルギーを理解してもらい、除去しやすい環境を作る(会食など)。エピペンの置いてある場所・使い方も説明しておく。
趣味などでストレスを発散し、心身を健康に保つ
3. まとめ
診断後に、医療機関から患者さんに、こういう情報を、1枚の紙でもいいので提供してもらえると有難いと思います。患者さんが、除去すべき食物、注意すべきことを具体的にイメージでき、アレルギーと共存の新しい生活を始めやすいかと思います。私のような素人が作ったリストでなく、医療関係者の方々に作成して頂いて、困っている患者さんに届けて頂けたら幸いです。
さて、アニサキスの除去は「魚介と関係あるの?」と思うような食品も入っていて、驚かれた方も多いのではと思います。日本の「うまみ」「だし」文化の中では、アニサキスの除去は結構大変です。
原因タンパク質についての研究も進められており、将来的にはもう少し除去の範囲を絞れる可能性もありそうです。
私は完全除去が必要ですが、症状は人それぞれなので、自分にあった治療・除去計画を医師と相談して下さいね。