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発症後初の海外旅行 ① 出発まで
今日は、喘息・食物アレルギー発症後、初の海外旅行について書きたいと思います。(上の写真はミーソン遺跡です)
1. 旅行が怖い
私は、新しい土地でいろいろ見たり、経験するのが好きな性格です。
約30年前の20代の若かりし頃、勤めていた日本の金融機関をすっぱり辞め、単身シリコンバレーのアメリカの企業に転職し移住してしまうような、冒険派でした。
仕事とプライベート両方で、いろいろな土地を旅したり、住んだりしました。結婚後も、休みに家族と旅行をするのをいつも楽しみにしていました。
そんな私が、アレルギー発症後、旅行が怖くなり、行きたいと思えなくなってしまいました。
「外食禁止で、旅行中の食事は一体、どうしたらいいんだろう」
「いろいろなものに反応が出ちゃうから、今まで大丈夫だったものに、突然反応が出たらどうしよう」
「旅先で病院が見つけられなかったら、どうしよう」
診断前、呼吸困難になったり、舌や喉が腫れたり、血圧が急に下がったり、病院できちんと対応してもらえなかった経験から、ちょっとPTSDというか、もうあの苦しさと怖さは味わいたくないという気持ちが強かったと思います。
アナフィラキシーを経験後、それまでの人生で何ともなかった事が怖くなったり、自信がなくなりました。
食事、呼吸、睡眠は、本当に人間が生きるための一番の基礎なんですよね。マズローの欲求5段階説のピラミッドの一番下にある、まさに生理的欲求。
食物アレルギーや喘息になると、そこが脅かされる。基礎が安定していないと、旅行がしたいといった欲求は湧いてこなくなるのかな、と思います。
そんな訳で、精神的にもショックが残っていて、回復のための時間や、立て直しが必要でした。
2. 海外旅行までの道のり
症状も食生活も落ち着いてきた後、気持ちに変化がありました。
「アレルギーのせいで、一生旅行もできない人生なんて嫌だ」
「アレルギーに負けず、自分の人生を取り戻そう」
そういう気持ちになり、海外旅行に行くことを目標に、少しづつできる事から進めてみることにしました。
海外旅行までのステップ
家で安全に食べられる食事スタイルを作る
弁当持参の外出スタイルに慣れる
国内旅行で練習
海外旅行にチャレンジ
国内旅行で、キッチン付きの宿に何度か泊まってみました。家族にサポートしてもらい、試行錯誤しながら、少しづつ自信とコツを身につけていった感じです。恐怖心も少しづつ薄らいでいきました。
そして、診断から1年になった今年の夏、発症後初の海外旅行へチャレンジしました。
3. いざ、ダナンへ
場所はベトナムのダナン、期間は8日間でした。ダナンを選んだ理由です。
病院:ベトナム第3の都市で、大きな病院もある。海外旅行保険でキャッシュレスで利用できるクリニックもある。英語で医療を受けられる。
宿泊:長期保養地で、キッチン付滞在型ホテルが多数ある
食材調達:都市で多数のスーパーがあり、食材が調達がしやすい
海水浴はできなくなったけど、夏に一度はきれいな海を見たい(アニサキスアレルギーの人は海水浴は避けた方がいい)
4. 空港・飛行機
航空会社には、エピペンの機内持ち込みを事前連絡し、乗客情報に登録してもらいました。 その際、空港の保安検査のため、英文の診断書・薬剤証明書をもらっておいた方がよいと言われました。
病院に連絡した所、英文の書類は3週間かかり、現在医師が長期不在ということで、出発前に英文書類の入手が不可能ということが分かりました。 書類なしで機内に持ち込み、保安検査で何か言われたら、交渉で乗り切るとことにしました。
結果的に、成田、韓国インチョン、台湾桃園、ベトナムダナンの全ての空港で、エピペンの機内持ち込みが問題になることはなく、今回はスムーズにいきました。
エピペンを握りしめながらの初の海外旅行。エピペンが御守りでした。
後日談ですが、次回海外旅行に行く時の為に、最近、英文診断書を作成してもらいました。11,000円と結構高かったです。病院ごとに料金は違いますが、検討中の患者さんのご参考まで。
話は戻ります。道中のお供に、家から白むすび6個(遅延で食事が取れない場合に備えて多めに)持参しました。空港保安検査も問題なく、機内・空港で食べることができました。
機内食は、Raw Vegetablesの特別食(無料)を事前リクエストし、機内で野菜も食べることができました。
行きは大韓航空で行ったのですが、ベジタリアンメニューだけで6種類もあり、他に、糖尿病用、低糖質等の特別食も無料で用意されていました。
Raw Vegitablesは、ドレッシングや調味料も不使用で、レモンの櫛切りが添えてありました。アニサキスアレルギーの人でも大丈夫、嬉しい!
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5. ホテル
ダナンでは、アパートメント型ホテルが、格安で予約できました。冷蔵庫、レンジ、炊飯器、IHコンロ、食卓、調理器具、お皿全て揃っており、完璧でした。
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リゾートも一応調べました。海岸に接していて眺めも良かったり、海に入れなくてもプールで泳げるなあと。
でも、リゾート内のレストランでの食事が主で、自分で食材を調達し調理することが難しいので、やめました。
「観光より、まず食の安全」
食物アレルギーになった今、旅行で何かを決める時の優先順位が変わりました。安全に食事が取れるなら、それでオッケー☺
旅の続きはこちらです。