アラフィフ設計者の読書記録【9月:ミレニアム2/文章は「転」 ほか】
月イチの読書記録の投稿です。
9月は、8冊読みました。読書の秋を満喫しています!
【読書生活の振り返りメモ】
厚めの本へのチャレンジは継続できている(ミレニアム)
今年ベストになるかもしれない本との出会いがあった(文章は、「転」)
★ミレニアム2 上/下 スティーグ・ラーソン
海外長編ミステリーの第2作。前作にて、共同代表を務める出版社「ミレニアム」の危機を救った主人公ミカエルとハッカーとして協力したサランデル。
今回もスウェーデン社会の闇を暴くスクープ本の出版にまつわる殺人事件を中心に物語が展開します。
「まさかこの人が殺されるとは、、、」という上編のサプライズを受けて、下巻で謎解きが繰り広げられます。殺害現場に残された指紋から容疑者となり、追われる身となったサランデル。「ミステリーのセオリーだと、真っ先に怪しいと思った人は犯人じゃない」と見通しを立てていたが、やはりそうでした。では、誰が犯人か?長編ですが、最後まで飽きずに楽しめるミステリー小説です。
★文章は、「転」 近藤康太郎
新聞朝刊のコラムを通じて作者の近藤さんを知りました。ユーモアがあって、知的な話題もあって、主張も地に足のついた説得力があって、すごく印象的なコラムでした。どんな人なのだろう?とググってみたところ、書籍も何冊か執筆されている!最新刊が出たっぽい!と知り、最寄りの書店で手に取ったのがこの本です。
AI時代にも必要となる文章能力は、起承転結で言うと「転」。話題を読者が興味を持つ方向へ、上手く「転がす」ことはまだまだ人間にしかできない能力であると書かれています。
さらに、「考えること」「感じること」への分解を通じて、①思考のレッスンと②感性のレッスンへ展開されていきます。②は読書にとどまらず、音楽など他分野への広がりも楽しむことができます。文章の先生としては、夏目漱石が幾度も登場し近藤さんも大好きな作家とのこと。「やはり漱石なのかあ」と言う点にも納得感があり、今年読んだ本でもベスト5入りが確実なおすすめ本です。
(コラムのリンクも貼っておきます。なぜ働くのか?がテーマです)
考えることの科学 市川伸一
再読本です。次に紹介する「生物から見た世界」を読んでいるときに、思考の癖のメカニズムを知りたくなって、第3部を中心に読みました。
学習方法について述べられた、印象に残った部分を引用します。耳が痛いことをズバッと指摘していて、胸に刻と思んでおこうと思いました。
生物から見た世界 ユクスキュル、(訳)日高敏隆
読書コミュニティー内で柳瀬博一さんの講座を受講しています。ものを良く観察する内容の中で、「環世界」という言葉を知り、この本を参考文献として紹介されました。第2次大戦前に書かれた約90年前の本で簡単な内容ではないけど、160ページくらいなら、何とか読めると思って購入しました。
私は、街ゆく人を見ながら、同じ時間の流れなのに、自分が全く関与しない日々の生活があることを不思議に感じることがあります。それが、「環世界」という90年も前にあった考え方を通じて、理解が深まりました。
万葉と沙羅 中江有里
読書好きな芸能人として知られる、中江有里さんのエッセイです。幼馴染である、♂万葉と♀沙羅が通信制高校で再会するところから始まる青春小説でありながら、作中に合計25冊のオススメ本(おそらく中江さんのお気に入り)が出てくる、一粒で2度美味しい本です。手元にメモしておいたので、書店や図書館で目にしたら手に取ってみたいです。
ここじゃない世界に行きたかった 塩谷舞
noteでもお馴染みの塩谷さんのエッセイ。私は、ピアニストの務川慧悟さんのお友だちというところから興味を持ったのですが、noteをきっかけに本の出版ができるまで行くってすごいですね。パートナーのお仕事をきっかけに移ったニューヨークでの生活が題材となっています。日本でのざわざわした生活から距離をおいて、丁寧な暮らしの良さを味わっている様子が素敵に綴られています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。10月も素敵な本との出会いがあったらnoteで紹介したいと思います。
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