魔女の森のおひめさま17 #物語
打ち合わせのクライアントを待つ間。
おひめさまは、白昼夢を見ていた。
西の魔女が亡くなる瞬間を、遠い東京から
魂だけが抜け出たそんな状態で。
病院とおぼしき白い施設は、うめき声や取り押さえられるどさりとする音など、本当におそろしい音がしていた。
あゝ待ち侘びたこの日に、立ち会いたかった思いが、私から現実を鈍らせているんだとそんな事を考えながらも、おひめさまはしわがれた老婆の首にそっと手を置いた。
老婆の薄れたシミだらけの薄い首元へ、変形に体重をかけた。
すごい力で抵抗とくぐもるこえがした。
なんとなくニキビを潰す時と同じ気がした。
気にしていたら一生このまま。
思い切りよく潰してしまう方が覚悟が決まる。
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