大人は聴く耳を持たないと
↑ 病院から見えた朝日🌅✨
北海道十勝から、児童養護施設出身・少年院出身の青年たちの自立サポートをしているNPO法人スマイルリングでの毎日をあれこれnoteしてます😁
去年の11月に膝を骨折してしまい、入院したり、実家で世話になったり、2ヶ月以上、何もかも人の手を借りねばならず、気持ちが落ちた。
ベッドの上での生活は、勝手に心や脳みそまでストップさせて、ただの骨折だし、いつか治るのは分かっていても、その頃にはとてもいろんなことがあり、本当にヤサグレてしまった。
そんな、イライラしたりグ〜ンと落ち込む私を唯一慰めてくれたのが、児童養護施設出身のT君とと、少年院出身のJ君の存在だった。
児童養護施設出身のT君は、学校に通っている頃、いつも暴れたり反抗的な態度で大人を悩ませる大問題児だった。でも、どんな大人だってこんなに優しさに溢れたメールなんか毎日くれない。
『今日の具合はどうですか?大好きです。僕のお母さんだと思ってます。早く会いたいです』
絶対に、こんなこと誰も言ってくれない。そんなどストレートな言葉の力は凄い。
そして私が外出出来るようになった時には、車椅子を押してくれ、松葉杖で転ばないように寄り添い、杖の時には手を繋いでくれた。
会う度に笑顔をくれる、そんな彼が大好きだ。
また、毎日電話をくれるJ君。
遠くに住む彼から、少しモジモジした感じで『もしもし…』と電話が掛かってくるようになった。これがまた、本当に嬉しかった。
時間は幾らでもあったから、ゆっくりゆっくり彼の話しを毎日毎日聴かせてもらった。彼のことがどんどん大好きになった。彼も大変な暴れん坊だったというのだが…。
『ねえ、不思議だよね。Jは本当に苦しんだ末に、少年院まで入っちゃった。でも、それがなければ、こうして私達は出会って無かったんだもんね』
『私も今回、こんな目にあったのはすっごく嫌だったけど…。でも、膝でも折らなきゃ、Jとこんなに話せなかったよねぇ…』
彼と仲良くなれたから、『膝の骨を折った甲斐があった』と思えるほどだ。
何故、こんなに優しい心を持っている彼らが、大人を悩ませる『問題児』だったのか。
彼らの話を聴いていて、いつも思うことがある。
彼らが話す『思い出』の中の大人達は、彼らの話にとことん耳を傾けてくれる人は居なかったのだ。怒鳴ったり、暴力を振るったり、無視したりしながら彼らの話を遮った。
大人が感情的に子供に“当たる”ことを続けるとどうなるだろう。
子供は、大人に心の中で思っている事を伝えることを諦めるしかなくなるのだ。
溜め込んだ感情はいつしか爆発してしまうだろう。その責任を『問題児』にだけ取らせるのは、あまりにも酷だ。
大人が、子供のことをちゃんと見て、聴いてあげることが出来た時、
『良い子』だの『悪い子』だの、つまらないレッテルを貼らず、ジャッジせずに、ありのままの心の声を聴けた時、
やっとその子供は安心して、自分を嫌いにならずに済むのだ。
大人はしっかり、子供の声や、青年達の声に耳を傾けていかなければいけない。
私はそう思う。
一生懸命に話を聴くと、とても素敵な物語が始まる
のです☺️✨
NPO法人スマイルリング
理事 ののむら ちあき😁✨