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味わったことのない気持ち
こんにちは😃✨私は北海道十勝から、児童養護施設、少年院出身の青年の自立をサポートする団体 NPO法人スマイルリングで活動しています😁✨
私のことを、『お母さん』と呼んでくれる青年たちがいる。
子供を産んで育てたことの無い私にとって、そう呼んでくれる子たちのことが、素直に嬉しく、可愛くて仕方ない。
私たちが接する青年たちは、もう絶対、必ずと言っていい。家庭に問題があり、幼少期から虐待の被害を受けて育ってきた。
お母さんに甘えた懐かしい記憶の無い、逆にその心にギギギ…と刻まれた、恐ろしくて悲しい記憶は、決して消えたりするものでは無い。
T君と初めて2人きりで会った時。
車を公園の駐車場に停めながら話をしていると、なんだか彼の様子がおかしい。
“どうしたの⁈”と聞くと、少しモジモジしたあと、思い切ったように話してくれた。
『まだ小さかった時に、母親の運転する車の助手席に乗っていて、こんな風にエンジンをかけた状態で港に停まっていたら、急発進して海の中に飛び込まれたんです。
そんな経験が2回あって…。トラウマで。エンジンの掛かった車で停まってるのが、恐怖で…。』
絶句した。
一人ひとり青年たちの生い立ちや、受けた仕打ちは違うが、どれがマシなんてものは無い。それぞれが、想像を絶するものばかりである。
彼らから少しでも信用された時、そのような話が出てくる。その時にはとにかく聴くしか無い。
下手な慰めの言葉などで彼らの言葉を遮ってはいけない。彼らは話をすることで、凄い勇気を出して、その時の感情を“再体験”しているのだ。
だから彼らにしっかり寄り添って、一緒にその感情を味わいながら耳を傾ける。
この、『ただ一生懸命に聴く』ということが大切なのだ。
受け入れ先の無い“問題児”として私たちのところへ辿り着く子も多い。
そんな彼らだからこそ、しっかり声を聴いてあげねばならない存在だ。何故なら、彼らの声に耳を傾けてくれる人が今まで居なかったのだから。
『自分の話を聴いてくれている』と心から感じられた時から、やっと彼らの心は変わり始めるのだ。
私がスマイルリングの中で行っていることは何かと聞かれたら、『彼らと話すこと』だ。
毎日朝から晩まで、LINEや電話やらで
『おはようございます。今日も頑張ります』
『今日の現場は遠いです』
『お母さん、今、仕事の帰り道です』
などと連絡をくれる。今日一日がどんな日であったのか、他愛の無い話の時もあれば、不安や寂しさを訴えてくる時もあるのだが、
とにかく『お母さん』と、言葉にしたいのでは無いだろうかと思う。
『行ってらっしゃい!』
『今日も気をつけてね』
『偉い!!頑張ったね!!』
そんな他愛も無いやりとりの中で、私が生きてきて今まで感じたことの無い感情。息子って、こんっなに!!可愛いものなんだ。
毎日ジェットコースターに乗っているような思春期の感情は、今日『嬉しい!楽しい!』であっても明日はそうであるとは限らない。
でも、そんな彼らと触れ合う毎日で感じることは
『よく、生きていてくれた』ということと、単純に、『ただただ可愛いくて仕方が無い』ということなのだ。
自慢の息子たちよ。
『お母さんと呼んでくれてありがとう』
ヤンチャな彼らは本当に素敵な息子たち😊
NPO法人スマイルリング
理事 ののむら ちあき😁✨